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ChromeAlone – レッドチーム作戦のためのChromiumブラウザC2インプラント

概要

ChromeAloneは、Chromiumブラウザを基盤として活用するレッドチーム向けのコマンド&コントロール(C2)インプラントです。Praetorianによって開発され、DEF CON 33で発表されました。信頼されたブラウザをフル機能のC2エージェントへと変貌させ、認証情報の窃取、セッションハイジャック、ファイルシステムへのアクセス、Isolated Web Appフレームワークを利用した永続化を可能にします。

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Meterpreterのような従来のインプラントやCobalt Strikeのような商用フレームワークとは異なり、ChromeAloneは「ブラウザ上で生きる」ことで通常のユーザー活動に溶け込みます。Chromiumは広く普及しており、しばしば暗黙のうちに信頼されているため、このアプローチは検出を大幅に困難にします。

主な特徴

  • ブラウザネイティブのインプラント:Chromium内で動作し、単独のエージェントに比べて異常のシグナルを低減します。
  • 認証情報の取得:ブラウザ環境からログインセッションや認証データを直接抽出します。
  • セッションハイジャック:アクティブなユーザーセッションを利用して横移動や権限昇格を行います。
  • ファイルシステムアクセス:ブラウザのサンドボックス機能を利用してファイルを読み取り、持ち出します。
  • Isolated Web Appによる永続化:正規のインストール済みWebアプリを装い、再起動後も生き残ります。
  • 拡張可能なモジュール:カスタムペイロードや新たなタスクオプションの開発をサポートします。

インストール

ChromeAloneは、Docker化されたデプロイスクリプト付きのGitHubプロジェクトとして配布されています。基本的なセットアップは、リポジトリのクローンとインプラントおよびリレーインフラのビルドで構成されます。

git clone https://github.com/praetorian-inc/ChromeAlone.git

cd ChromeAlone

make build

dockercompose up

リポジトリには、ターゲットシステム上にChromiumインプラントをインストールできるサイドローダースクリプトが含まれています。リレーサーバーはAWSやその他のクラウドインフラ上にデプロイし、オペレーターへのトラフィックをプロキシできます。

使用方法

インストール後、ChromeAloneは暗号化されたチャネルを通じてC2オペレーターへビーコンを送信します。タスキングシステムは日常的な操作をサポートします:

# タスク出力例

利用可能なコマンド:

  creds        保存されたブラウザ認証情報を取得

  session      アクティブなユーザーセッションをハイジャック

  fileread    ディスクからファイルを持ち出し

  persist      IsolatedWebApp永続化をインストール

  shell        ブラウザコンテキストでコマンドを実行

オペレーターはコントロールコンソールやリレーインターフェースを通じてインプラントと対話し、コマンドを発行し、ほぼリアルタイムで結果を受け取ります。

攻撃シナリオ

レッドチームが企業ワークステーションへの足がかりを得たものの、エンドポイント検知を引き起こす可能性のある従来型インプラントを避けたい場合、ChromeAloneをユーザーのChromiumブラウザにサイドロードします。

その瞬間から、インプラントは標準的なブラウザ活動として振る舞いながら、オペレーターに以下を可能にします:

  • キャッシュされた企業SSO認証情報の取得
  • 認証済みクラウドセッションをハイジャックし、ログインアラートを発生させずにピボット
  • Isolated Web Appインストールによる永続化を確立し、再起動後も生存を保証

ブラウザ内部で活動することで、ChromeAloneは信頼されたプロセスに溶け込み、振る舞い検知を回避し、特定を困難にします。

レッドチームにおける意義

ブラウザベースのインプラント自体は新しいものではありませんが、ChromeAloneはそのコンセプトを使いやすく実用的なフレームワークとしてパッケージ化しています。オペレーターにとっては、HavocやCobalt Strikeのようなフレームワークよりもステルス性の高い選択肢となります。ディフェンダーにとっては、ブラウザ拡張機能、Isolated Web Appの利用、ブラウザプロセスによる異常なファイルシステムアクセスの監視の必要性を浮き彫りにします。

darknet.org.ukで以前取り上げた関連ツールには、Havoc C2やMeterpreterがあり、これらはレッドチーム作戦の標準ですが、別個のエージェントに依存しています。ChromeAloneはこのパラダイムを信頼された日常的なアプリケーションへと移行させます。

結論

ChromeAloneは、ブラウザのような信頼されたアプリケーションが、いかにして秘密裏のC2インプラントへと武器化され得るかを示しています。レッドチームにとっては、従来のフレームワークに代わるステルス性の高い選択肢を提供し、防御側が見落としがちな環境へコマンド&コントロールを埋め込むことができます。ブルーチームにとっては、ブラウザベースの永続化やIsolated Web Appの悪用に関する監視の必要性という盲点を浮き彫りにします。

ChromeAloneは単なる概念実証にとどまらず、今後のC2フレームワークが、防御側が最も信頼するアプリケーションへとシフトし続けることを示唆しています。

詳細を読む、またはChromeAloneをダウンロードするにはこちら:https://github.com/praetorian-inc/ChromeAlone

読者との対話

翻訳元: https://www.darknet.org.uk/2025/08/chromealone-chromium-browser-c2-implant-for-red-team-operations/

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