数理シミュレーションおよび計算ソフトウェアの大手開発企業であるMathWorksは、4月にネットワークが侵害され、ランサムウェア集団によって1万人以上の個人情報が盗まれたことを明らかにしました。
同社は5月27日にこの攻撃を公表し、継続中のサービス障害が、従業員や顧客向けの一部内部システムおよびオンラインアプリケーションへのアクセスを妨害したランサムウェアによるインシデントに関連していると説明しました。
影響を受けたサービスには、多要素認証(MFA)、アカウントのシングルサインオン(SSO)、MathWorksクラウドセンター、ファイル交換、ライセンスセンター、オンラインストアなどが含まれます。
同社は最近、メイン州司法長官への提出書類で、攻撃者がシステムにアクセスしてから1か月以上経過した5月18日にこのインシデントを発見したと述べています。同じ提出書類によれば、攻撃者は10,476人分のデータを盗み出したとのことです。
MathWorksはまた、マサチューセッツ州司法長官事務所に提出したデータ侵害通知書の中で、4月のサイバー攻撃を行ったランサムウェア集団が、影響を受けた個人の個人情報を含む文書を盗み出したことも明らかにしました。
被害者によって異なりますが、盗まれた情報には氏名、住所、生年月日、社会保障番号、またはその他の米国外の国民識別番号などが含まれる場合があります。
MathWorksはすでにランサムウェア攻撃の被害者であることを認めていますが、このインシデントに関する追加情報や、侵害の背後にいるランサムウェアグループの名称などはまだ明らかにしていません。
また、現時点でどのランサムウェア集団も犯行声明を出していないことから、MathWorksが現在も交渉中であるか、または攻撃者の要求した身代金をすでに支払った可能性が示唆されます。
1984年に設立され、マサチューセッツ州ネイティックに本社を置くMathWorksは、世界34か所のオフィスに6,500人以上の従業員を擁しています。MathWorksは、世界中の10万以上の組織と500万人以上の顧客に利用されている数値計算プラットフォーム「MATLAB」およびシミュレーションツール「Simulink」を開発しています。
MathWorksの広報担当者は、BleepingComputerからのコメント要請に対し、現時点でまだ回答していません。