ダイブ・ブリーフ
新しいレポートによると、金融、テクノロジー、専門サービスなどの分野でAIベースのセキュリティツールの導入が最も進んでいます。
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ダイブ・ブリーフ:
- 全体の約4分の3(73%)の組織がすでにAIをサイバーセキュリティプログラムに統合していますが、物理的な安全性が特に重要な業界は、AIを導入している割合が最も低いことが、セキュリティ企業Arctic Wolfが水曜日に発表した調査で明らかになりました。
- 金融サービス業界はセキュリティ分野でのAI導入率が最も高く、その分野の回答者の82%が導入済みと回答しました。次いでIT・通信(77%)、製造業(77%)、専門サービス(75%)が続きます。
- エネルギー企業でのAI導入は少なく、回答者の59%がサイバーセキュリティプログラムにAIを組み込んでいると答えました。これは政府・軍(60%)、運輸(64%)に次いで低い数値です。
ダイブ・インサイト:
AIを活用したサイバー防御ソリューションの人気が高まっているにもかかわらず、エネルギーや運輸など物理的な安全性が重要な業界では、他の分野ほど広くこの技術を導入することに慎重です。「障害が発生すると壊滅的な影響や人命へのリスクにつながる可能性があります」とArctic Wolfの研究者は記しています。「そのため、これらの組織は新技術の導入前に他社の経験から学ぶことを優先する傾向があります。」
地理的な違いも見られます。米国の組織はAIによるサイバー防御を導入したと答えた割合が最も高く(82%)、北欧諸国が最も低い(59%)結果となりました。
AIはサイバーセキュリティのプロセス自動化に一定の可能性を示しており、企業はその能力を試したいと考えています。回答者のおよそ4分の3(73%)がセキュリティオペレーションセンターでAIを活用する予定だと答え、72%は脅威予測、70%は脅威検知の向上にAIを使う計画だとしています。
組織はAIが万能ではないことを認識しており、多くの繊細な業務には人間の関与が必要だと考えています。レポートによると、54%の回答者がセキュリティルール順守の追跡はAIより人間の方が優れていると考えており、脅威データに文脈を加える作業も同様に人間が適していると答えています。一方で、69%の回答者は脅威の特定においてAIが人間より優れていると考えており、運用上のミスを最小限に抑える点でもAIの方が優れているとする回答が同程度ありました。
それでも、回答者の約3割近くは、AIツール導入後は人間の関与が「最小限になる」と予測しています。
ただし、導入のスピードはどこでも速いわけではありません。Arctic Wolfの調査によると、組織はデータプライバシー、コスト、実証済みのユースケースの不足などを懸念しています。また、AIモデルを監督する技術スタッフが不足していることや、ツール管理のための明確な方針がまだ整っていないとも回答しています。
それにもかかわらず、AIがサイバーセキュリティ業界を席巻し経営層の関心を集めていることを示すように、AI導入に経営層が反対していると答えたのはごくわずか(16%)、AI対応ソリューションを提供していないベンダーがいると答えたのも14%にとどまりました。