ノルウェー警察保安局(PST)は、親ロシア派ハッカーがダムの重要な運用システムを掌握し、放水バルブを開放したと発表しました。
この攻撃は4月に発生し、ロシアが同国の重要インフラを遠隔でハッキングできる能力を示すデモンストレーションだったと考えられています。
アレンダル市で開催された年次国家フォーラム「アレンダルスカ」にて、PSTの責任者ベアテ・ガンゴース氏はこの事件について語り、これは損害を与えることが目的というよりも、ハッカーが何をできるかを示すためのものだったと述べました。
「彼らは必ずしも破壊を目的としているわけではなく、自分たちの能力を示そうとしているのです」とガンゴース氏は破壊工作についての講演で述べました。
「このような行為の目的は、影響力を行使し、国民に恐怖や不安を与えることにあります」とPST長官は述べ、ロシアがより危険な存在になっていると指摘しました。
地元メディアの報道によると、ハッカーはブレマンゲルダムの水流を制御するデジタルシステムに侵入し、放水バルブを開放状態に設定しました。
ダムの運用者が悪意あるバルブ設定に気付き、元に戻すまでに約4時間かかりました。その時点で、すでに720万リットル(190万ガロン)以上の水が流出していました。
ノルウェー国家犯罪捜査局(Kripos)は、ロシアのハクティビストが侵入を証明するためにTelegramメッセージサービスに公開した動画に基づき、6月に同じ結論に達しました。
具体的には、ハクティビストはダムの制御パネルを映した3分間の動画を公開し、親ロシア派サイバー犯罪グループに関連するウォーターマークが表示されていました。
このような行為は、これまでにも国家の支援を受けたグループ、Sandworm(APT44)などと関連付けられており、影響を誇張して恐怖や不安を生み出し、侵害された組織を公に辱めることを目的としています。
ロシアがノルウェーの組織への攻撃に関与したとされるのはこれが2回目で、前回は同国の国家サービスに対する分散型サービス妨害(DDoS)攻撃でした。
ノルウェー情報局長官ニルス・アンドレアス・ステンソーネス氏は、ノルウェーはロシアと戦争状態にはないものの、プーチン大統領は西側全体に対してハイブリッド攻撃を通じて緊張を維持していると述べました。
ステンソーネス氏は、ロシアを予測不可能な隣国であり、ノルウェーが直面する最大の現在の脅威であると評しました。