上院の法案、連邦機関に量子コンピュータによるサイバー脅威への防御強化を指示

超党派の上院議員2名が、ホワイトハウスのオフィスに量子コンピュータのサイバーセキュリティへの影響に対処する戦略の策定を指示し、各機関に量子耐性暗号化のパイロットプログラムを開始させる法案を木曜日に提出します。

ミシガン州選出の民主党ゲイリー・ピーターズ上院議員とテネシー州選出の共和党マーシャ・ブラックバーン上院議員は、「国家量子サイバーセキュリティ移行戦略法」は、現代の暗号標準を突破し重要なデータを無防備にする可能性のある急速に進化する量子コンピュータに先手を打つことを目的としていると述べています。

「連邦政府が、特に国家安全保障に関わる場合、量子コンピューティング技術によるいかなる脅威にも備えることは極めて重要です」と、上院国土安全保障・政府問題委員会のトップ民主党員であるピーターズ氏は述べました。「私の法案は、量子サイバーセキュリティ移行戦略を確立し、敵対勢力よりも先んじて米国民の個人データを守ることで、米国民の安全を確保するのに役立ちます。」  

ブラックバーン氏はさらに、「国家量子サイバーセキュリティ移行戦略法は、連邦政府が機密データと国家安全保障を量子コンピューティングによってもたらされる新たなデータセキュリティ脅威から守るためのロードマップを作成することを確実にします」と付け加えました。

これは、近年可決された2つの量子コンピューティング関連法の後継です。1つは米国の量子研究の推進に、もう1つは各機関にポスト量子暗号を備えたITシステムの導入を促進することに焦点を当てています。 

CyberScoopが最初に報じるこの最新の法案は、連邦政府の技術政策を調整する国家科学技術会議の一部である「量子科学の経済的・安全保障的影響に関する小委員会（ESIX）」の専門知識を活用して戦略を策定するものです。 

この戦略では、連邦機関が「暗号的に関連性のある量子コンピュータ」を定義するための基準を推奨し、「そのようなコンピュータが、従来型コンピュータでは攻撃できない現実世界の暗号システムを攻撃できるようになる特定の時点」などの特性を含めることになります。

また、各機関ごとにポスト量子暗号への移行の必要性の評価や、その移行を評価するための指標も戦略に含まれます。

ESIXはまた、16の連邦指定重要インフラ分野を保護する責任を持つ各セクターリスク管理機関に対し、2027年初頭までに少なくとも1つの高影響システムをポスト量子暗号にアップグレードすることを求めるポスト量子パイロットプログラムも設立します。

「盗まれたデータは保存され、後で復号される可能性があるため、専門家は今すぐにでも量子耐性の強力な保護でシステムを守る必要があると警告しています」と、この法案に関する近日中のニュースリリースは述べています。「この法案は、手遅れになる前に連邦機関が重要なシステムの移行を開始することを求めることで、その緊急性に対応しています。」

5月の公聴会で、米国の量子産業リーダーたちは議会に対し、米国の量子関連施策への支援拡大を求めました。専門家や米政府関係者は、特に量子コンピューティングで中国に後れを取ることを懸念しています。

ピーターズ氏とブラックバーン氏は、上院国土安全保障・政府問題委員会が2025年最初の法案審議を行った翌日に、この法案を提出します。