LostMyPassword v1.00は、NirSoftが提供するコンパクトなWindowsユーティリティで、システム上のさまざまなアプリケーションやサービスに保存されたパスワードを自動的に表示します。本来はログイン情報を忘れてしまったユーザー向けの使いやすいリカバリーツールとして設計されていますが、しばらく前からペネトレーションテストや攻撃的なオペレーションにも転用されています。

レッドチームの活動において、LostMyPasswordは初期アクセス後にローカルに保存された認証情報を素早くダンプする方法を提供します。その小さなフットプリント、依存関係のなさ、シンプルな実行方法により、秘匿性よりもスピードが重要な場合に魅力的です。
これにより、LaZagneやMimikatzなどのツールと並び、より広範な認証情報収集ツールキットの一部となっていますが、対象範囲は限定的で、ウイルス対策ソフトに検出される可能性も高くなっています。
主な特徴
- 単一の実行ファイルで、インストール不要
- 対応アプリの紛失または保存済みパスワードを復元
- 復元した認証情報を平文で出力
- 後で確認できるようテキストまたはHTML形式でエクスポート可能
- 正規のリカバリー用途と攻撃的な用途の両方で使用可能
インストールと使用方法
LostMyPasswordは複雑なインストールを必要としません。NirSoftのサイトから実行ファイルをダウンロードし、Windowsホスト上で直接実行してください。
実行すると、ツールは保存された認証情報をスキャンし、テーブル形式で表示します。結果には通常、以下が含まれます:
- アプリケーションまたはサービス名
- ユーザー名またはアカウント識別子
- 復元されたパスワード(平文)
出力は「ファイル → 選択項目の保存」オプションからエクスポートでき、テキスト、CSV、HTML形式のレポートを作成できます。
デュアルユースの文脈
ディフェンダーやシステム管理者にとって、LostMyPasswordはユーザーがログイン認証情報を忘れた際の実用的なリカバリーツールです。一方、攻撃者にとっては、機密データがローカルにキャッシュされたままになる可能性を示し、安全な認証情報管理の重要性を強調します。
ウイルス対策データベースでの認知度や対象範囲の限定により、LaZagneやMimikatzのような最新のフレームワークほど柔軟性や秘匿性はありません。しかし、監視が不十分な環境では、素早く認証情報を取得するのに有用です。
まとめ
LostMyPassword v1.00は、正規のリカバリーソフトウェアと攻撃的なセキュリティツールの間に位置する、NirSoftのレガシーユーティリティです。ペネトレーションテスターやレッドチームにとっては、ポストエクスプロイトのシナリオで保存された認証情報を素早く収集する軽量な手段となります。ディフェンダーにとっては、キャッシュされたパスワードがいかに脆弱であるか、検知・監視・認証情報の衛生管理がいかに重要かを再認識させるものです。
詳細の確認やLostMyPasswordのダウンロードはこちらから:http://www.nirsoft.net/utils/lost_my_password.html
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