シアトルに拠点を置くアプリケーション配信およびセキュリティ企業のF5は、木曜日にダブリン拠点のCalypsoAIを現金1億8,000万ドルで買収することを発表しました。これは、企業が人工知能を急速に業務へ統合する中で直面しているセキュリティ上の課題が増大していることを浮き彫りにしています。

この買収は、各業界の企業が生成AIシステムの導入を急ぐ一方で、従来のセキュリティツールでは対応が難しい新たなサイバーセキュリティ脅威に取り組んでいる中で行われました。2018年に設立されたCalypsoAIは、プロンプトインジェクションやジェイルブレイク攻撃など、新たな攻撃手法からAIシステムを保護することを専門としています。

「AIは企業のアーキテクチャと、防御すべき攻撃対象領域を再定義しています」とF5の社長兼CEO、フランソワ・ロコ・ドヌー氏は述べています。同社はCalypsoAIの機能を自社のアプリケーション配信・セキュリティプラットフォームに統合し、包括的なAIセキュリティソリューションを構築する計画です。

企業はかつてない速さでAIを製品や業務に組み込んでいますが、この急速な導入によってコンプライアンス上のギャップや規制当局による監視の強化が生じています。CalypsoAIは、企業がどのAIモデルやクラウドプロバイダーを利用していても保護できる「モデル非依存型」セキュリティによって、これらの課題に対応しています。

同プラットフォームは、毎月数千件の攻撃シナリオに対して自動レッドチームテストを実施し、リスク評価を生成するとともに、データ漏洩やポリシー違反を防ぐためのリアルタイムのガードレールを実装します。

「企業はAIを迅速に活用したい一方で、データ漏洩や安全でない出力、コンプライアンス違反のリスクを低減したいと考えています」とCalypsoAIのCEO、ドンチャ・ケイシー氏は述べています。同社のアプローチは、AIモデル自体の保護ではなく、AIモデルがリクエストを処理する推論層に焦点を当てています。

この買収は、同様の動きサイバーセキュリティ分野の大手企業によって相次いでいる中で行われており、各社は顧客向けにAIを活用したサービスの提供を強化しようとしています。

F5も今年、戦略的と位置付ける買収を積極的に行っています。同社は6月にサンフランシスコ拠点のFletchを、8月にはオブザーバビリティ企業のMantisNetを買収しており、社内開発ではなく買収によって機能を強化する傾向を示しています。

この取引は9月30日までに完了する見込みです。

翻訳元: https://cyberscoop.com/f5-to-acquire-ai-security-firm-calypsoai-for-180-million/

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