セキュリティリスクを理由にHikvisionカナダに事業停止命令

カナダ政府は、同国のHikvision子会社に対し、国家安全保障上のリスクがあると判断した調査を受けて、すべての事業を停止するよう命じました。

この命令は先週金曜日にHikvisionに伝達され、週末にカナダのイノベーション・科学・産業大臣であるメラニー・ジョリー氏によって公表されました。

「インベストメント・カナダ法に基づく国家安全保障審査の結果、カナダ政府はHikvision Canada Inc.に対し、カナダ国内でのすべての事業を停止し、カナダでのビジネスを閉鎖するよう命じました」と発表には記されています。

「政府は、Hikvision Canada Inc.がカナダで事業を継続することは、カナダの国家安全保障に有害であると判断しました。」

カナダ当局は決定に至った調査結果を公表していませんが、この判断は、同国の安全保障および情報機関から提供された情報と証拠に基づく多段階の審査に基づいていると述べています。

Hikvision Canadaの事業を禁止するだけでなく、この決定はすべての政府機関およびクラウンコーポレーションによるHikvision機器の購入と使用も禁止しています。

Hikvision Canada Inc.は、世界最大の映像監視機器メーカーである杭州海康威視数字技術有限公司（Hangzhou Hikvision Digital Technology Co., Ltd.）のカナダ子会社です。

2014年に設立されたHikvision Canadaは、カナダ国内で強い市場存在感を維持しており、IPカメラ、顔認識、侵入アラート、スマートホーム機器、産業オートメーション、建物管理システムなどをカバーする、コスト効率の高いエンドツーエンドのセキュリティおよびAIoT（人工知能とモノのインターネット）ソリューションを提供してきました。

Hikvisionは近年、中国政府との関係や、同社の機器が情報収集やスパイ活動の手段として利用される可能性があることから、世界中で規制当局の監視を受けています。

このような疑惑の確固たる証拠は公表されていませんが、米国を含む複数の政府がセキュリティ審査に基づきHikvision製品の販売を禁止しています。

カナダでの今回の動きに対し、Hikvisionは声明を発表し、この決定を非難するとともに、主張は根拠がなく政治的動機によるものだと述べています。

「私たちはこの決定に強く反対し、深い懸念を抱いています。なぜなら、この決定には事実に基づく根拠、公正な手続き、透明性が欠けていると考えるからです」とHikvisionは回答しています。

「当社の技術をサイバーセキュリティの観点から評価するのではなく、この決定は親会社の出身国によって左右されており、より広範な地政学的緊張や中国企業に対する根拠のない偏見を反映しています。」

同社はまた、セキュリティ審査の過程でカナダからの情報提供要請には迅速かつ透明に対応したものの、同国で製品が禁止される決定を裏付ける証拠は一度も提示されなかったと指摘しています。

カナダの今回の措置は、政府によるHikvision製品の利用を制限するものであり、カナダ国外のHikvision関連会社が製造した製品には適用されないことを明確にすることが重要です。

しかし、当局は「すべてのカナダ国民」に対し、この結論に留意し、監視機器を選ぶ際には自身で判断するよう強く勧めています。