サイバー空間防衛の新構想
米国では再び、サイバー空間専門の独立軍種創設をめぐる立法議論が活発化しています。ワシントンでは数年来この構想が議論されてきましたが、最近になって政治的な勢いが大きく増しました。具体的には、カースティン・ジリブランド上院議員が「サイバー軍(Cyber Force)」を2027年度の国防予算に直接組み込む法案を提案しています。
組織統合の枠組み
この国防権限法(NDAA)改正案は、陸軍省の傘下に新たな組織構造を設けることを定めています。ジリブランド議員の構想によれば、サイバー軍は独立した軍種として機能するとされています。この体制は、宇宙軍が空軍の傘下に置かれ、海兵隊が海軍と連携している構造と同様のものです。
さらに、ジリブランド議員の事務所は、改正案が将来のサイバー軍を明示的に陸軍の指揮下に置くことを確認しています。また、議会内部の情報によると、下院でも同様の法案が検討されているとのことです。ジリブランド議員は今回の立法推進の背景として、戦場におけるサイバー脅威の急速な深刻化を挙げています。同議員の見解では、従来の枠組みや段階的な改善では現在の脅威環境に対応しきれないとしており、独立したサイバー軍種を設立することで、現代の紛争に向けた国家安全保障体制を最適化できると考えています。
歴史的前例と枠組み
この構想は決して突如として生まれたものではありません。2025年度の国防予算法において、議員たちはすでに米国科学・工学・医学アカデミーに対し、ガバナンスの枠組みを評価するよう委託しています。研究者らはいまだ最終評価を公表していませんが、新たな改正案の詳細については依然として非公開となっています。
シンクタンクの試算と戦略モデル
一方、著名なシンクタンクはすでに独自の組織モデルを提案しています。参考として、民主主義防衛財団(FDD)が2024年に発表した報告書では、陸軍傘下に1万人規模の部隊を想定しており、推定165億ドルの費用が必要とされています。その後、2025年8月にはFDDと戦略国際問題研究所(CSIS)がサイバー軍に関する合同委員会を立ち上げました。アナリストらは、最終報告が来月にも発表されると見込んでいます。
賛否の見解と反対意見
一方、新たな組織体制の推進派は、現在の政治的タイミングが非常に有利であると見ています。FDDのシニアフェローで退役海軍少将のマーク・モンゴメリー氏は、新軍種の設立は大統領任期の前半から中盤にかけて実施する方がはるかに効果的だと主張しています。したがって、任期末のレームダック期間中にこの移行を実施することは、依然として得策ではないとしています。
立法上の障壁と調整
しかしながら、この改正案は上下両院で厳しい審議を経なければなりません。仮に法案が当初の審議を乗り越えたとしても、最終的な国防権限法は調整プロセスで大幅な修正が加えられるのが通例です。
行政政策と「サイバー司令部2.0」
現時点では、この問題に関するドナルド・トランプ政権のスタンスは不透明なままです。昨年、国防総省は人材獲得の最適化と作戦権限の拡大を目的とした「サイバー司令部2.0」改革に着手しました。また、サイバー政策担当国防次官補のケイティ・サットン氏は1月に上院で証言を行い、指揮系統の強化と独立した軍種の創設は決して相互に排他的な選択肢ではないと主張しました。
最終的には、サイバー軍の推進派はこの取り組みを、ホワイトハウスが積極的な攻勢的サイバー作戦の方向へ舵を切る動きと一致するものと位置づけています。モンゴメリー氏は、こうした現代の任務を遂行するために専門的な人材を育成することが米国に求められると主張しています。そのためには、攻撃・防御両面のデジタル能力を同時に強化しなければならないとし、独立したサイバー軍種の設立は現代国家にとって否定できない必要性になったとの結論を示しています。
翻訳元: https://meterpreter.org/cyber-force-service-branch/