Wireshark 4.6.7が12件のセキュリティ脆弱性を修正

ネットワークアナリストがWiresharkでパケットキャプチャを開くと、信頼できない大量のデータが数多くのプロトコルディセクタを通過することになります。それぞれのパーサは、不正な形式のフレームがソフトウェアの動作を狂わせる可能性のある弱点です。今回のメンテナンスリリース4.6.7では、そうした弱点のうち12件が修正されました。修正範囲は、セルラー信号パーサからキャプチャファイルの読み込み処理まで多岐にわたります。

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セキュリティ修正の内容

修正されたアドバイザリの大半はクラッシュに関するものです。細工されたパケットやキャプチャファイルによって、ディセクタがバッファの範囲外を読み取ったり不正なメモリ領域にアクセスしたりする恐れがあり、その結果セッションが強制終了する可能性がありました。影響を受けるパーサには、Catapult DCT2000、SSH、IEEE 802.11、Z39.50、UMTS FPがあり、さらにpcapngファイルリーダーやDBS Etherwatchファイルパーサも含まれます。

これら以外の手口による脆弱性もいくつか存在します。FMP/NOTIFYディセクタは特定の入力によって大規模なループに入る可能性があり、また別のアドバイザリでは複数のディセクタが無限ループに陥る問題がまとめて報告されています。BLFファイルパーサには情報漏えいの不具合があり、本来の範囲外にあるデータがデコード結果に紛れ込む恐れがありました。TLSのECH復号処理とCiscodump extcapヘルパーにも、それぞれ独自のクラッシュ問題がありました。

セキュリティリスト以外のバグ

今回のリリースでは、セキュリティに関わらないバグも16件修正されています。Wiresharkを利用した開発者にとって特に重要なのは、Ethernet POWERLINKディセクタにおけるuse-after-freeの問題で、プロファイル読み込みのエラー処理経路で発生するものです。もう一つは、Android Logcatパーサにおけるヒープバッファオーバーフローです。

日常的な不具合を解消する修正もいくつか含まれています。システム言語がオランダ語に設定されている場合に、Wiresharkのインターフェースがドイツ語で表示されてしまう問題がありました。また、DebianなどのシステムからのIPv6 pingが、HiPerConTracerのトラフィックとして誤ってデコードされる問題もありました。HEVCビデオディセクタでは、ビットオフセットが正しく進まないことが原因で、一部のパケットが不正な形式として誤検知されていました。さらに、最後に保存されたrecent_commonファイルを読み込む際にヒープ破損エラーが発生し、プログラムがクラッシュすることがありました。

新しいWindowsツールチェーンとプロトコルの更新

Windows向けインストーラーは、Visual Studio 2026でビルドされるようになりました。今回のリリースでは新たなプロトコルディセクタの追加はありませんが、DNS、DCERPC、SSH、IEEE 802.11、MEGACO、H.265など、既存の数多くのディセクタが更新されています。

キャプチャファイルの処理についても、Android Logcat、BLF、DBS Etherwatch、Netlog、pcapngで更新が行われました。ファイルフォーマットのデコード処理については、今回の開発サイクルでは変更がありませんでした。

extcapヘルパーの新しい配置場所

今回のリリースには、プラグイン開発者向けのドキュメント整備も含まれています。UN*X系システムでは、Wiresharkはデフォルトでlibexecディレクトリ以下、例えば/usr/libexec/wireshark/extcapからextcapバイナリを探索します。これはヘルパーバイナリの慣例的な配置場所であり、ライブラリに求められるマルチアーキテクチャ対応の処理を省略できます。同梱されているextcapツールは、すでにこの新しい場所にインストールされるようになっています。サードパーティ製のextcapについては、これに合わせたパッケージングの変更が必要になる場合があります。

この変更自体はバージョン4.6.0の時点ですでに行われていましたが、当時のリリースノートには記載がありませんでした。4.6.7で改めて文書化された形です。この配置場所は環境変数WIRESHARK_EXTCAP_DIRで上書きできます。なお、Alpine Linuxなど一部のディストリビューションにはlibexecディレクトリが存在しないため、そうした環境ではバイナリは従来の場所のままとなります。

翻訳元: https://www.helpnetsecurity.com/2026/07/09/wireshark-4-6-7-released/

ソース: helpnetsecurity.com