仮想通貨をギフトカードに換えたいと思ったとします。検索して、良さそうな結果をクリックすると、洗練されていかにも正規のサイトに見えるページにたどり着きます。ダークテーマのデザイン、信頼バッジ、即時発行や本人確認不要をうたう文言。疑う気にはなかなかなれません。
しかし、プロっぽい見た目のウェブサイトだからといって、それが正規のものだという証拠にはなりません。
何が起きているのか
仮想通貨ギフトカードサイトは、偽装しやすいカテゴリーです。
正規のプラットフォームの中には、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を主要ブランドのギフトカードに交換できるものが複数存在します。これらのサイトはデザインも似通っている傾向があり、ダークテーマ、大きく打ち出された「仮想通貨で支払う」というメッセージ、信頼バッジ、人気ギフトカードのお得情報を並べたグリッドといった構成が定番です。
そのため、模倣が容易になっています。
詐欺師たちは同じデザイン言語をコピーした偽サイトを構築し、時には正規プラットフォームの名前とわずか1文字か2文字しか違わない名前を使うこともあります。こうしたサイトは、急いでスクロールしている人や広告・検索結果からクリックしてきた人に、本物と誤認させるよう設計されています。
価格設定もこの騙しのテクニックの一部です。100ドルのAmazonギフトカードが95ドル。25ドルのSteamウォレットコードが24ドル。100ドルのNetflixギフトカードが92ドル。これらの割引は非現実的には見えないため、詐欺が非常に説得力のあるものに映ってしまいます。
どのような詐欺なのか
最も単純な詐欺は「不着」です。支払いをしても、そもそも送るべきギフトカードなど存在しないため、何も届きません。そのウェブサイトは仮想通貨での支払いを集めるためだけに存在しているのです。
仮想通貨での支払いは基本的に取り消せません。連絡できる銀行はなく、ギフトカードが届かなくてもチャージバックはありません。ビットコインやイーサリアムがいったんウォレットから出てしまえば、通常はそれで終わりです。
詐欺の中には、さらに一歩進んでコードを送ってくるケースもあります。ただし、それは正規のコードではありません。
盗まれたギフトカード番号はサイバー犯罪者向けマーケットプレイスで売買されており、多くの場合、額面のごく一部の値段で取引されます。換金される前や通報される前に、残高が抜き取られてしまう可能性が高いからです。詐欺サイトはこうしたコードを安く仕入れ、一見妥当に見える割引価格で転売します。その結果、被害者の手元には最初から使えないか、購入直後に使えなくなるコードだけが残ります。
たとえ盗まれたコードが最初は使えたとしても、それを購入すること自体が、さらなる盗難ギフトカードの需要を生み出す一因になります。
こうしたサイトが犯罪者を引き寄せる理由はほかにもあります。仮想通貨ギフトカードは、盗まれた仮想通貨のマネーロンダリングによく利用されているのです。仮想通貨をギフトカードに変換し、さらにギフトカードを商品やアカウント残高に変えることで、取引の追跡が難しくなります。偽の店舗は購入者から金銭を騙し取るだけでなく、組織犯罪集団が資金を移動させる手段としても使われています。
これらはいずれも高度な技術を必要としません。説得力のある店舗、取り消し不可能な仮想通貨決済、そして検索広告やSNS広告があれば、被害者を誘い込むには十分な場合が多いのです。
身を守る方法
- プラットフォームの公式サイトに直接アクセスする 広告や検索結果、メッセージ内のリンクをクリックするのではなく、自分でアドレスを入力しましょう。
- ドメイン名を1文字ずつ確認する 詐欺サイトは、正規のドメインとわずか1文字か2文字だけ異なるドメインを使うことがよくあります。
- 「本人確認不要」=信頼できるサイトとは限らない一部の正規プラットフォームで実際に採用されている機能ですが、詐欺師もこれを利用します。
- 「ウォレットを接続」をクリックする前に一呼吸置く承認する権限の内容によっては、単なる一回の支払い以上の情報が晒される可能性があります。
- 割引されたギフトカードには、たとえ小幅な割引でも懐疑的になる 小幅な割引は、信じさせやすくするために設計されています。
- 支払う前に、プラットフォーム名と「scam」または「reviews」で検索する特に広告経由でそのサイトを見つけた場合は要注意です。
- 詐欺・フィッシングサイトをブロックするブラウザ拡張機能を使うMalwarebytes Browser Guardなどがその一例です。まだ確認されたことのない偽の店舗であっても、訪問前に警告を出すことができます。
不審なサイトに、すでに仮想通貨を送ってしまった場合
その資金は取り戻せないものと考えつつも、迅速に行動しましょう。
- 取引IDが分かる場合は、ブロックチェーンエクスプローラーで確認し、資金が既知の取引所に送られていないか調べてください。送られていた場合は、直ちにその取引所の不正対策チームに連絡しましょう。
- 支払いを送るのではなくウォレットを接続した場合は、付与したトークン承認内容を確認し、取り消してください。
- 他の人への注意喚起のため、そのサイトをGoogle セーフブラウジングやMicrosoft SmartScreenに報告してください。
覚えておきたいこと
仮想通貨ギフトカードサイトは、完全に正規のサイトに見えても、実際には正規ではない場合があります。何かを送金する前に、まずそのサイトの評判を確認しましょう。