サイバーセキュリティ企業「IRIS C2」は、未発見のゼロデイ脆弱性に対して数百万ドル規模の報奨金を約束しています。さらに、政府機関向けに携帯電話ハッキングツールを直接提供するとも謳っています。しかし、この注目を集める事業を実際に取り仕切っているのは、有罪判決を受けた2人の政治的扇動家です。両者には、広範な詐欺行為や偽名を使った活動という、暗い過去があります。
物議を醸す企業の登場
そもそも、この企業に世間の注目を集めさせたのは調査報道記者のブライアン・クレブス氏でした。同氏はこの攻撃的サイバーセキュリティ企業を運営する有罪判決歴のある人物たちの実態を暴露しました。IRIS C2は2025年1月、さまざまなソーシャルメディア上に姿を現しました。それ以来、同組織は脆弱性、人工知能、高度なハッキングツールに関する情報を積極的に発信し続けています。公式ウェブサイト上で同社は、攻撃的サイバー能力を提供する一流企業を自称しています。拠点はバージニア州マクリーンのみとしています。
エクスプロイトに対する高額な報奨金
同社によれば、IRIS C2はゼロデイ脆弱性を積極的に買い取っているといいます。また、悪意あるエクスプロイトチェーンの個別コンポーネントや、完成された攻撃ツールも購入するとしています。報酬額は1万ドルから最大700万ドルにも上ると主張されています。最終的な支払額は、対象、信頼性、そしてエクスプロイトの実用的価値によって決まるとのことです。
異例の採用方針
加えて、同社は脆弱性発見に秀でた若手人材を積極的に採用しています。強固なエクスプロイトツールを開発できる人材を強く求めています。興味深いことに、応募者に正規の学位や実務経験は一切求められません。代わりに、IRIS C2は生来の才能と卓越した知性こそが主な採用基準だとしています。
企業としての「表の顔」を剥がす
政府調達ポータル「G2Exchange」のデータによれば、IRIS C2のウェブサイトはバージニア州登録の法人「Calvexa Group LLC」が運営しています。この企業は自らを連邦政府の契約業者として公式に登録しています。しかし、公開されているデータベースには、この会社に直接発注された連邦政府契約の記録は一切見当たりません。
責任の所在をはぐらかす
Calvexa Groupの登録住所は、物議を醸してきたロビイストであるジャック・バークマン氏に直接つながっています。IRIS C2について質問を受けたバークマン氏は、すぐさま長年のパートナーであるジェイコブ・ウォール氏の方へと話をそらしました。両者は以前、共同で架空の情報機関企業を立ち上げた経歴があります。さらに、著名なアメリカの政治家たちに対する虚偽の疑惑を意図的に流布していました。加えて、違法な大規模ロボコール(自動音声電話)キャンペーンにも積極的に関与していました。
詐欺行為の記録が示す過去
2022年、バークマン氏とウォール氏はオハイオ州で重大な通信詐欺罪について有罪を認めました。その結果、担当判事は両者に多額の罰金、厳格な保護観察、義務的な社会奉仕活動を命じました。その後、米連邦通信委員会(FCC)は両者に対して510万ドルという巨額の罰金を科しました。この厳しい処分は、郵便投票に関する危険な偽情報を拡散したロボコールキャンペーンに対する制裁でした。
事業内容の転換
ウォール氏は最近、記者団に対して同社の事業の変遷を説明しました。同氏によれば、IRIS C2は当初、一般的なコンピューターシステムのセキュリティ監査を主な事業としていたといいます。しかし最終的に、政府機関向けの携帯電話ハッキングツール販売へと明確に方向転換したとしています。ウォール氏によれば、同社は外部のセキュリティ研究者が発見した未加工の脆弱性を大幅に磨き上げているといいます。そして最終的に、これらの欠陥を安定した実用的な攻撃兵器へと変貌させているとのことです。
疑わしい従業員数の主張
ウォール氏はまた、IRIS C2には現在約40名の専属スタッフが在籍していると主張しました。経営陣は、これらの従業員に対して勤務先をLinkedInに記載することを厳しく禁じているとされています。しかし、独立系の調査関係者はこの正確な従業員数を全く検証できていません。さらに、ウォール氏自身はコンピューターサイエンスや情報セキュリティに関する正規の教育を一切受けていません。それにもかかわらず、同氏は必要な技術知識をすべて完全に独学で身につけたと堂々と主張しています。
過去の詐欺的事業とロビー活動
以前、ウォール氏とバークマン氏は「LobbyMatic」という物議を醸すプラットフォームを運営していました。この怪しいサービスは、高度な政治ロビー活動に人工知能を活用すると謳われていました。しかし最終的に、記者たちは両者が従業員や顧客に対して自らの正体を組織的に隠していたことを突き止めました。当然のことながら、プロジェクト責任者の正体が判明した後、複数の従業員が即座に同社を退職しています。
サイバー犯罪者からの資金調達
2026年3月、記者のモリー・ホワイト氏が報じたところによれば、さらに気がかりな資金取引が明らかになりました。同氏の報道によれば、バークマン氏とウォール氏は悪名高いサイバー犯罪者から30万ドルを受け取っていたといいます。連邦当局は最近、この人物をKyberSwapおよびIndexed Financeが関与する6,500万ドル規模の暗号資産ハッキング事件で起訴しています。この法外な報酬と引き換えに、両者はこの人物への大統領恩赦を積極的にロビー活動で働きかけると約束していました。
翻訳元: https://meterpreter.org/iris-c2-cybersecurity-startup/