セキュリティ
情報コミッション(Information Commission)が情報コミッショナーに代わって発足し、法定権限は合議体の管理下に置かれます
英国のデータ保護監視機関が新たな法的地位とガバナンス体制を獲得しました。ただし、おなじみの「ICO」という略称は変わりません。
9月30日、情報コミッション(Information Commission)が、法定規制機関としての情報コミッショナーに取って代わりました。組織自体は「Information Commission’s Office」と称しますが、引き続きICOの名称を使用します。
今回の変更は、単なる事務的なブランド変更にとどまりません。従来の規制機関は「単独法人(corporation sole)」であり、法定権限と責任は情報コミッショナーという1人の人物に集中していました。これらの職務は今後、執行理事と非執行理事で構成される理事会が監督する法人組織に移管されます。
新体制は、2025年6月に国王の裁可を得た2025年データ(利用およびアクセス)法によって創設されました。政府は、既存の規制機能を変えることなく、監視機関のガバナンスを近代化するとしています。
移行に先立つ旧体制の最後の数カ月は、波乱含みでした。情報コミッショナーのジョン・エドワーズ氏は6月に辞任しました。自身の言動をめぐる独立した職場調査を受け、自らの立場が「維持できなくなった」ことや、ユーモアのつもりの言動が「不適切で、不快感を与えた」ことを認めての辞任でした。
エドワーズ氏は4月に職務から退いていました。調査が「釈明すべき案件がある」と結論づけたことを受け、ICOは同氏の残る職責も解除しました。
辞任前にエドワーズ氏の法定職務を引き継いだポール・アーノルド氏が、情報コミッションの暫定最高経営責任者(CEO)を務めています。新理事会には7人の非執行理事が加わりました。理事らはマギー・カーヴァー氏を副議長に任命しており、政府が後任の議長を探す間、同氏が議長の職務を代行します。この採用手続きは、2027年春まで完了しない見通しです。
規制機関は本部の移転も済ませ、ウィルムスローからマンチェスターのオックスフォード・ロードに移りました。これにより「多様な人材プール」へのアクセスが得られ、英国全土の企業や地域社会との結びつきも強まるとしています。
監視機関と関わる立場の人にとって、日常業務でほとんど変わる点はないはずです。情報コミッションは、データ保護と情報公開に関する規制の責任に加え、ICOの既存の権限、ガイダンス、公共サービスも引き継ぎます。
新たな企業戦略も近く策定される予定で、AI、サイバーレジリエンス、子どものプライバシー、公共サービスなどが重点分野に挙げられています。
従来の略称に愛着のある方もご安心ください。法的・ガバナンス面で大幅な刷新があったにもかかわらず、Information Commission’s Officeも、これまでどおりICOを名乗り続ける方針です。®