フランスの複数のスーパーマーケットチェーンで、一夜にして冷蔵庫が遠隔操作で解凍状態にされるサイバー攻撃が発生しました。Danfossの冷蔵制御装置が標的になったと報じられています。
被害を受けたのは、Intermarché、Coopérative U、Carrefour Market、Monoprix、Leclerc、Super Uなどです。フランスのメディアは報じており、攻撃は数百店舗に影響し、多額の金銭的損失と大量の食品廃棄を引き起こしたといいます。
攻撃者は日曜日の夜、旧バージョンのDanfoss制御ソフトウェアを実行している冷蔵制御装置を乗っ取りました。そのうえで、内蔵の自動霜取り機能を作動させ、店舗の冷蔵庫の温度を上昇させました。
Coopérative Uのドミニク・シェルシェ(Dominique Schelcher)会長は本日未明にインシデントを認め、同チェーンの複数店舗が影響を受けたと述べました。
「昨夜以降、@CooperativeUネットワークの複数の店舗で、冷蔵システムがサイバー攻撃を受けていることを確認しました。当社のチームは総力を挙げて冷蔵の専門家とともに、できるだけ早く事態を解決すべく対応しています。この攻撃の全容を解明するため、調査を実施します」とシェルシェ氏は述べました。
「生鮮食品の保存とフランス国民への食料供給に不可欠な設備を標的にすることは、極めて深刻であり、前例のない事態です。断じて容認できません」

EUのクリストフ・ハンセン(Christophe Hansen)農業・食料担当委員もこの攻撃を非難し、フランス最大のスーパーマーケットチェーンであるLeclercが被害者の一つだと名指ししました。
パリ検察当局はAFPに対し、「フランス全土の複数の大手食品小売チェーンの冷蔵庫に影響を与えた大規模なサイバー攻撃」について捜査を開始したと明らかにしました。捜査では「被害者を特定し、報告されている食品の損失や火災の発生との関連を明らかにする」としています。
攻撃者がどのようにしてDanfossの冷蔵制御装置を侵害したのか、現時点で情報はありません。ただ、米サイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁(CISA)は2025年5月に、深刻度の高い認証バイパスの脆弱性(CVE-2025-41450)について警告していました。この脆弱性は、食品小売業界で一般的に使われる冷蔵・空調(HVAC)システムの管理用ハードウェアプラットフォーム、Danfoss AK-SM 8xxAシリーズに存在します。
両者が関連しているという証拠はまだありませんが、世界最大級の食品小売チェーンである小売大手Ahold Delhaizeも月曜日、「サイバーセキュリティインシデント」を受けて一部のシステムをオフラインにしたと発表しました。