フランスのスーパーへのサイバー攻撃、さらに多くの冷凍・冷蔵コントローラーに被害拡大

フランスでは10月11日に発生した冷凍・冷蔵コントローラーを狙ったサイバー攻撃の影響で、多くのスーパーマーケットが依然として食品在庫の混乱に対応しています。被害の範囲は、これまで確認されていたよりも広がっている可能性があります。

最近の動向から、被害を受けているのはDanfoss製の冷凍・冷蔵コントローラーだけではないことがうかがえます。米国の暖房・冷却機器メーカーCopeland傘下のイタリアブランド、Dixell Electronics製の温度調節機器にも影響が及んでいます。

注目されるのは、フランスの地元メディアFrance 3が報じた内容です。フランス南西部タルン地方のE. Leclercの店舗では、Danfossではなく Dixell製の機器を使用していたにもかかわらず、冷凍・冷蔵システムに障害が発生しました。

フランスの全国紙Le Mondeも、ボルドー近郊のスーパーマーケットについて報じています。攻撃者が冷凍庫の設定温度を−22°Cから150°Cに変更したとされています。 技術者は、1秒間に複数の設定が書き換えられる様子を確認しており、自動化された攻撃だった可能性があります。

フランス国家コンピュータ緊急対応チーム(CERT-FR)が10月12日に公表したセキュリティ勧告は、「影響を受けるシステム」としてDanfossのAK-SCおよびAK-SMシリーズ、DixellのxwebとCopeland xwebを具体的に挙げています。

意図的な産業妨害への懸念

産業用セキュリティ企業ClarotyのCTO、Amir Preminger氏はInfosecurityの取材に対し、冷凍・冷蔵コントローラーはスーパーマーケットに限らず、冷蔵倉庫、物流倉庫、製薬、化学製造などでも格好の標的になると述べました。こうした機器はセキュリティチームの目が届きにくいことが多いと指摘しています。

「冷凍・冷蔵コントローラーのような産業用制御システムは、安全に隔離されたネットワーク上にあると思われがちです。しかし私たちの調査では、こうした機器の多くが公共のインターネットに直接公開されていることがわかりました。エンジニアが遠隔でトラブルを解決できるため保守コストは大幅に下がりますが、その一方で、攻撃者にとっても侵入のハードルが下がってしまいます」と同氏は語りました。

Preminger氏の分析では、今回の攻撃に高度な技術は必ずしも必要なかったものの、標的の選び方からは損害を与える明確な意図がうかがえるといいます。

「高度な攻撃だとは思いません」と同氏は述べます。「ただし、パラメーターを打ち間違えて誤って霜取りを実行してしまうことはありません。霜取りは自分で開始する必要があります。これだけの影響を出すには、誰かがエクスプロイトやキャンペーンを誘導していたはずです」

同氏は、今回の手口を2025年にイスラエルの食品加工施設で起きたインシデントになぞらえました。このときは、施設のネットワーク内部にいた攻撃者が冷凍コンプレッサーを操作し、霜取りを引き起こしました。影響は似ているものの、両者が同じグループによるものだとは、Preminger氏は主張していません。

同氏は、より大きな問題は冷凍・冷蔵コントローラーがインターネットに公開されていることだと訴えます。公開状態のDanfoss製デバイスはフランス国外にも存在し、イスラエルや米国でも見つかるといいます。ただし、それらのデバイスがどのバージョンのソフトウェアで動作しているのか、脆弱かどうかまでは把握していないとのことです。

また同氏は、パッチを適用しただけではインターネット公開の危険が解消されるわけではないと警告しました。重要なデバイスは公共のインターネットから切り離し、企業のVPN(仮想プライベートネットワーク)やAPN(アクセスポイント名)ゲートウェイなどでアクセスを制限するよう勧めています。

さらに、運用者に対してネットワークの分離、機器の棚卸し、各デバイスにアクセスできる人の把握を促しました。「デバイスにゲートを設け、ネットワークを分離すること。それが最初の防衛線です」と同氏は述べています。

スーパーの冷蔵庫がインターネットにつながっている理由

スーパーマーケットの冷蔵庫がインターネットに接続されているのは、一般に法規制に対応するためです。欧州では、食品安全を強化するため、タイムスタンプ付きで温度を監視・記録することが求められています。さらに、温度が異常上昇した場合に備えた警報システムの設置も義務付けられています。

この接続は、遠隔保守にも利用されています。

Coopérative UのCEO、Dominique Schelcher氏はX(旧Twitter)への投稿で、「これは食品を適切に保存するために不可欠なシステムです」と強調しました。

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翻訳元: https://www.infosecurity-magazine.com/news/french-supermarket-hack-more/

本記事は infosecurity-magazine.com の記事を翻訳・要約したものです。