委員会は、国防総省における「シャドーコミュニケーション」アプリ使用について、より包括的な見直しを要請
3月に米国防長官ピート・ヘグセスを巻き込んだ「シグナルゲート」スキャンダルは、承認されていないメッセージングアプリの使用に対する当局者および職員の緩い姿勢という、より広範な問題の症状であるようだと、上院委員会は結論づけている。
3月、米上院軍事委員会は、シグナルゲート事件によって提起された問題の検証に乗り出した。すなわち、「非管理」アプリ使用に関する既存ルールの明確化、ヘグセス国防長官がシグナルの使用においてそれらを順守していたかどうか、そして彼の行為が国防総省(DoD)内における安全性の低いアプリ利用文化の存在を示すものかどうか、という点である。
今週公表された2本の報告書は、これらの論点について入り混じった評価を示している。大まかに言えば、ヘグセスが非難された行為――サードパーティのメッセージングアプリを使って機微な情報をやり取りしたこと――は、少なくとも2020年以降、より深刻度の低い文脈ではあるものの、国防総省内で起きていたようだ。
これは企業がよく直面する問題を反映している。承認も管理もされていないメッセージングアプリは、エンドツーエンド暗号化(E2EE)によるセキュリティをうたうものも含め、ITの裏チャネルとなりやすく、精緻に構築されたセキュリティ、コンプライアンス、データ保持ポリシーを見えないところで損なう可能性がある。
シャドーコミュニケーション
最初の報告書は、3月15日のイエメンに対する軍事作戦に先立ち、国防長官がシグナルアプリを使って上級同僚と連絡を取った事例を評価したものであり、この問題を示す材料として用いられている。同報告書は、襲撃の2時間前にヘグセスが作戦の詳細をシグナルのグループ(19人が参加しており、その中には誤って追加された記者も含まれていた)に明かしていたという、広く報じられた事実を確認している。
その際、ヘグセスは個人デバイスから機微な情報を送信し、承認されていないシグナルアプリを使って攻撃前に重要な作戦情報を明らかにしたことで、セキュリティポリシーに違反したと報告書は認定している。一方で、その情報が送信時点で機密指定されていたかどうかという問題については、ヘグセスが自ら判断できるほど十分に高位の立場にあったとして、踏み込んだ判断を避けている。
2本目の背景報告書は、国防総省内により一般的なシャドーコミュニケーション文化が存在する証拠を明らかにしており、その中には新型コロナウイルス感染症(Covid‑19)パンデミック時にビデオ会議アプリが広く使われていたことも含まれる。
収集された証拠は乏しく、一部は黒塗りにされているため、違反の深刻度を評価するのは難しい。調査範囲が過去の監査から得られた証拠に限定されていたことから、委員会の勧告の1つは、国防総省内での非承認アプリ利用について、より包括的な評価を実施することだ。また、上院委員会が分析した古い監査結果によって、本来は隠れており個人デバイスにしか記録されない性質のものを、どこまで正確に測定できるのかという疑問も残る。
それでもなお、報告書はヘグセスの行為が孤立した例ではないことは確実だとしており、職員が「さまざまな理由から、国防総省が管理していない電子メッセージングシステムを使用していた」と指摘する。「例えば、一部の職員は、それらのシステムが安全に見えると認識していたために使用していた。その結果、国防総省職員は機微な国防総省情報を敵対勢力にさらすリスクを高め、公的記録を保存・保全するという法的義務を順守しなかった。」
要するに、非承認アプリの使用が日常的または常態化しているという証拠はないものの、十分な数の職員がそれらを使用しており、いずれ深刻な情報漏えいが起こりうる状況にあると考えられる。報告書は、職員がこうしたメッセージングアプリに頼るようになった理由の1つとして、便利な代替手段が欠如していることを挙げている。そのうえで、この必要性をなくすために承認済みアプリを開発すること、既存のコミュニケーション規則の順守を徹底するための研修プログラムを実施すること、そしてメッセージングアプリを使用する権限を特定の状況下における上級職員に限定することを勧告している。
興味深いのは、企業のCISOが何年も前から取り組んできた問題――BYOD、シャドーIT(そして今やシャドーAI)、そして誰にも気づかれないうちに組織内に入り込む非承認アプリ――が、政府レベルでの大きな政治問題をきっかけにようやく表面化したという点だ。
過去20年間で、モバイルデバイス、クラウド、アプリの台頭により、ITは大きく分散化し、トップダウン型の管理モデルでは制御が難しくなった。一方で、何も変わっていない面もある。このスキャンダルの中心にあるシグナルアプリは、技術面で新たな問題が浮上しているにもかかわらず、政治的な立場を問わず依然として非常に人気が高いままだ。