制裁が経済を締め付けるなか、ロシアのスパイが西側技術の窃取を激化——欧州情報機関高官が警告

制裁がロシアの戦時経済を圧迫するなか、同国の情報機関が西側の技術や防衛機密を盗もとする動きをいっそう活発化させています。欧州の情報機関幹部3人がAPに対してこう語りました。

ロシアの工作員たちは偽装企業を設立し、仲介業者を勧誘するとともに、サイバースパイやハッカーを投入して情報収集にあたっています。収集した情報は、重要インフラへの攻撃にも活用される可能性があるといいます。

4年に及ぶ国際制裁により、欧州から機械・技術・研究成果を調達するロシアの能力は大きく損なわれました。ウクライナでの消耗戦は主要産業を疲弊させ、同国を財政危機の瀬戸際へと追い込んでいます。

スウェーデン安全保障警察(SÄPO)の作戦副長官クリストファー・ヴェデリン氏は、ロシアが「何が必要かをよく把握しており」、高精度工作機械、製造設備、研究成果、デュアルユース技術の入手に「本腰を入れている」と述べました。

ロシアが狙う先端研究・防衛技術・ソフトウェア

スウェーデンでは、ロシアが防衛産業や最先端兵器—グリペン戦闘機など—に関わる高度な研究を標的にしていると、ヴェデリン氏は指摘します。また、民間用途向けに開発されたカメラ技術やレーザー技術を調達し、ロシアの兵器システムに組み込もうとする動きも確認されているといいます。

フィンランド安全情報警察(SUPO)のユハ・マルテリウス長官は、ロシアが今後数十年にわたって西側に追いつき、あるいは優位に立つための技術を盗もうとしていると語りました。

「宇宙技術、量子技術……北極技術、海洋技術といった分野が対象です」とマルテリウス氏は説明します。とりわけ宇宙技術はロシアが「今すぐ」必要としているとも述べましたが、詳細には言及しませんでした。各国はこうした技術を衛星画像、通信、航法などに活用しています。

また、制裁対象となったコンピューター技術や工作機械向けソフトウェアのアップデートも、ロシアは必要としていると同長官は指摘しました。

水曜日には、英国の信号情報機関GCHQのアン・キースト=バトラー長官が、ロシアは「執拗に」英国および欧州の同盟国を標的とし、技術窃取や妨害工作、暗殺計画を企てていると非難しました。

5月には、スウェーデン警察が制裁違反の疑いで2人を逮捕しました。両名は、トルコの企業を通じてロシアへ金属加工機械や旋盤を数十件にわたって輸出していたとされています。

技術調達の手口が巧妙化するなか、企業は自社が知らず知らずのうちにロシアの戦時サプライチェーンに組み込まれる可能性をより強く意識する必要があると、ヴェデリン氏は強調しました。

「ロシアの情報機関はすべて、国家による技術獲得の取り組みに総力を挙げて協力しています」と同氏は述べました。

発覚リスクをいとわない姿勢——情報機関幹部が指摘

ロシアはまた、欧州企業や重要インフラに対してサイバー攻撃を仕掛け、「機会があれば、また目的にかなうと判断すれば」悪用できる情報を収集しようとしているとヴェデリン氏は語り、昨年スウェーデンの発電所を狙った攻撃を例として挙げました。

ロシアと関係する攻撃者は同発電所を「破壊」しようとしましたが、システムが侵入を検知したため失敗に終わったといいます。この攻撃には、ウクライナへの西側支援を揺さぶる意図も一部あったとヴェデリン氏は述べました。

それ以前は、スウェーデンの情報機関が主に観察していたのは、潜在的な攻撃に向けた偵察活動、情報収集、あるいはサイバー犯罪者に関連する活動でした。今回の攻撃は、ロシアの行動様式における「転換点」だとヴェデリン氏は表現しました。

「活動の帰属が特定される可能性を、以前ほど気にしなくなっています。目的達成のためにより大きなリスクを冒すようになっているのです」と同氏は述べました。

深刻化するロシア経済の問題

こうしたロシアの攻撃姿勢の激化は、経済をめぐる国内での懸念の高まりを反映している可能性があります。エストニア対外情報局のカウポ・ロシン局長は、ロシア経済は「まったく好調ではない」と述べました。

ロシアの国内総生産(GDP)の約3分の1が現在、戦費に充てられているとマルテリウス氏は語ります。戦争と制裁は経済成長を鈍化させ、根強いインフレを引き起こしています。

ロシア当局は2026年通年の財政赤字を3兆7,000億ルーブル(521億ドル)と見込んでいましたが、2月末時点ですでに約3兆4,000億ルーブル(479億ドル)に達していたとロシン氏は述べました。

2月28日に勃発したイランとの戦争は、原油価格の急騰をもたらし、ロシア経済に一時的な追い風となっています。米国はロシア産石油の販売に対して制裁免除を認め、英国も世界的な燃料コスト抑制を目的として制裁を一部緩和しました。

その後の歳入増がロシアの財政を改善した可能性は高いものの、「それで危機を乗り越えられるわけではない」とロシン氏は述べ、西側の圧力が続けば、ロシアは年末にかけて財政危機に直面する可能性があると付け加えました。

ロシン氏によると、同機関が入手した情報では、過去6カ月でロシア当局者の間に悲観的な見方が広がっており、ウクライナでの「完全勝利」という言葉も聞かれなくなったといいます。英国情報機関のキースト=バトラー長官は、2022年の全面侵攻以降、ウクライナでのロシア軍の死者が約50万人に達していると述べました。

ロシアとウクライナはともに、戦闘による死傷者数をほぼ公表していません。

戦況の膠着と経済的苦境を前に、多くのロシア当局者が「これは一体何のためなのか」と陰で自問しているとロシン氏は語り、入手した情報報告を根拠として挙げました。

フィンランドの情報機関を率いるマルテリウス氏は、ウクライナ情勢に関する一部の報告がプーチン大統領の手元に届く前に「修正・浄化」されている可能性はあるとしつつも、ロシアの指導者は経済的な課題についてかなり明確な実態を把握していると考えると述べました。

しかし、それが政治的な変化につながるとは限りません。

「ロシアをまるで自分たちと同じような国として分析しようとするのは、非常に危険なことです」とマルテリウス氏は警告します。「ロシアはそういう国ではないのです」。

翻訳元: https://www.securityweek.com/russian-spies-are-aggressively-seeking-western-technology-as-sanctions-bite-officials-say/

ソース: securityweek.com