英国の新首相アンディ・バーナム氏は、閣僚人事の大規模な刷新を行う中でも、サイバーセキュリティ担当閣外相を政府ポストに再任しました。担当していた省庁自体は廃止したものの、既存の政策路線は維持する形です。
リズ・ロイド氏は木曜日遅くにデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)の閣外相ポストに任命され、名称変更後のビジネス・イノベーション・科学・貿易省(DBIST)における兼任ポストも維持しました。正式な担当分野はまだ発表されていませんが、ホワイトホール筋によれば、同氏はサイバー分野を再び担当する見通しです。
ロイド氏は2025年9月からサイバー分野を統括しており、ここ数年で最大規模となる政府のサイバーセキュリティ法案を、最終審議院である貴族院で審議中です。前首相キア・スターマー氏の側近を退けてきたバーナム氏の人事の中で、ロイド氏の再任は異例の対照をなしています。
バーナム氏の最初の人事では、スターマー氏の側近の多くが政権から外される一方、自身の首相就任に貢献した人物が重用されました。ロイド氏はこの流れの中で異色の存在です。スターマー氏に近く、以前は同氏の政策実行局長を務めていた人物だからです。ロイド氏は選挙で選ばれた議席を持たず、代わりに議会の任命制上院にあたる貴族院に、エフラ男爵夫人(Baroness Lloyd of Effra)として議席を有しています。
ロイド氏の下、サイバーセキュリティ・レジリエンス法案は今月初め、貴族院で超党派の支持を得て第二読会を通過しました。法案の逐条審査は9月に始まります。今から6週間前の段階で担当閣外相を交代させていれば、新たな説明対応が必要となり、政府が年内成立を目指す法案の審議が遅れかねない状況でした。
この法案は2018年に遡る既存規則を書き換えるもので、英国のサイバー規制の対象組織を拡大するとともに、国家安全保障を理由に閣僚が規則を改定し企業に指示を出す権限を新たに付与します。特に、データセンターやマネージドサービスプロバイダーを規制対象に加え、エネルギー・水道・医療などの基幹サービス事業者に対しインシデント報告の期限を設けます。
ロイド氏は、Salt Typhoonによるスパイ活動への対応として策定された通信網向けサイバーセキュリティ対策案について、政府が緩和に動いた際にも担当閣外相を務めていました。これは、対策の実施を担う企業側がコストと実現可能性を理由にロビー活動を行った結果です。
三分割された組織再編
バーナム氏は、労働党党首選を経たスターマー氏の辞任を受け、月曜日にチャールズ3世国王から組閣の要請を受けました。同氏の最初の施策の一つが、2023年からサイバー政策を所管してきた科学・イノベーション・技術省の解体でした。
同省の機能は3つに分割されました。サイバー政策と政府デジタルサービスはDCMSへ、科学分野はDBISTへ、そして人工知能政策とAIセキュリティ機構(AI Security Institute)は内閣府へと移管され、AIセキュリティ業務がサイバー分野から初めて切り離される形となりました。業界関係者からは、この分割によって同省最大の強みであったデータ・デジタル能力・AIの統合機能が失われるとの懸念の声が上がっています。
今回の再編により、サイバー分野は「オンライン安全法」やBBC勅許状(BBC Charter)の更新といった、政治的に機微な文化関連の担当分野も抱える省庁に置かれることになりました。ホワイトホール筋は、DCMSの事務方トップである事務次官スザンナ・ストーリー氏についてサイバー分野で豊富な経験を持つと評価する一方、職員には引き続き閣僚レベルの後ろ盾が必要になるとの見方を示しています。
ロイド氏は、国家経済全体を国家主導型および犯罪目的のハッキングから守るための政府戦略である「国家サイバー行動計画」を今夏中に公表すると表明しています。当初は7月上旬の公表が見込まれていましたが、スターマー氏の辞任を受けて延期されていました。
政府報道官は次のように述べています。「サイバーセキュリティは私たちの日常生活に不可欠な要素であり、だからこそ我々は英国をサイバー脅威から守り、経済全体のサイバーレジリエンスを高めるための強力な対策を講じています。サイバーセキュリティ・レジリエンス法案は、英国のサイバー防衛力を強化し、公共サービスやデジタルサービスといった基幹インフラのサイバーセキュリティを向上させるものです。
「旧科学・イノベーション・技術省(DSIT)の機能は、それぞれ最も直接的な効果を発揮できる先へと再配分されました。今回の措置は、テクノロジーが経済の一分野にとどまるものではなく、今後のあらゆる産業・文化・公共サービス提供の基盤であるという認識を反映したものです」
翻訳元: https://therecord.media/andy-burnham-liz-lloyd-cyber-policy-uk