- 研究者のTalal Haj Bakry氏とTommy Mysk氏が、iCloudプライベートリレーを利用していても実際のIPアドレスが漏えいするWebKitの脆弱性を3件発見
- DNSプリフェッチ、WebAuthnのオリジンリクエスト、WebTransportがプロキシ設定を回避し、Apple製ブラウザ全体でユーザー情報が露出
- TorとPsyloのブラウザは修正版を公開済み。Appleは修正を確認していないものの、報告内容を精査中
Appleのエコシステム内で稼働するすべてのウェブブラウザを支えるエンジン「WebKit」に、複数の脆弱性が存在していました。この脆弱性により、本来は非公開にしているはずのユーザーのIPアドレスが漏えいしていたことが明らかになりました。
これはセキュリティ研究者のTalal Haj Bakry氏とTommy Mysk氏による報告です。両氏は指摘の中で、「プロキシ設定を回避し、デバイスから直接トラフィックを送信してしまう3つのWebKit機能」を発見したと述べています。
研究者らは次のように説明しています。「DNSプリフェッチは、デバイス本来のDNS経路を通じてホスト名を解決するため、プロキシではなくユーザーの実際のDNSサーバーが露出してしまいます。この問題はiOS 26.0以降で確認されています。WebAuthnのRelated Origin Requestsは、OSの認証情報サービスに検証ファイルをデバイスから直接取得させるため、デバイスの実IPアドレスが露出します。こちらはiOS 18.0以降で確認されています。WebTransportはHTTP/3の直接接続を開いてプロキシを回避するため、同様にデバイスの実IPアドレスが露出します。この問題はiOS 26.4以降で確認されています」
プライベートリレーとは
今回のバグ自体はWebKitに存在するものですが、実際に情報が漏えいするのは「プライベートリレー」という機能を経由してのことです。プライベートリレーはiCloud+で利用できるプライバシー保護機能で、ユーザーのIPアドレスを隠しSafariのウェブトラフィックを暗号化します。プライベートリレーはVPNのようには機能せず、他のアプリやプログラムを流れるトラフィックを隠すものではありません。あくまでブラウザのトラフィックのみを対象としています。
WebKitはAppleのエコシステムで稼働するすべてのブラウザに必須のエンジンであるため、この脆弱性はそれらすべてに影響します。TorやMysk氏自身が手がけるPsyloブラウザなど、一部のブラウザではすでに修正版が公開されています。
一方でAppleは、修正の実施はもとより、対応に着手しているかどうかについても現時点では確認していません。 404 Mediaによれば、Appleは今回の調査報告について精査していると述べているとのことです。
研究者らは、プライベートリレーが本来の想定どおりに機能しているか、それとも実際のIPアドレスが外部に漏えいし続けているかを確認できる専用のウェブサイトを構築しています。