オランダのデータ保護当局Autoriteit Persoonsgegevens(AP)は、Twitchユーザーに対しAmazonのAIとのデータ共有をオプトアウトするよう勧告しました。
Twitchはライブ配信プラットフォームとしてスタートし、現在はAmazonの傘下にあります。その中核となるサービスは、チャット機能を組み込んだライブ配信です。配信者はゲームプレイや実況、パフォーマンスなどのライブコンテンツを配信し、視聴者はリアルタイムでやり取りを行います。
Twitchは世界最大級のライブ配信プラットフォームの一つであり、毎月何百万人ものユーザーが配信・視聴を行っています。
先週、Twitchがデフォルトで有効になっている設定によって、プラットフォーム上のコンテンツをAmazonの生成AIモデルの学習に利用させていることが明らかになりました。同社の最高製品責任者(CPO)であるMike Minton氏は、あるインタビューで次のように述べています。
「オプトイン方式にしたら、誰もオプトインしないでしょう。それが正直なところです。だからデフォルトでオンにするのです」
つまり、ユーザーがこの機能を望んでいないことを分かっていながら、デフォルトでオプトインの状態にし、しかもオプトアウトを分かりにくくしているということです。
APは次のように主張しています。
「Twitchのライブ配信では、ゲーマーの顔や声、名前が映し出され、寝室のようなプライベートな空間の映像が含まれることも少なくありません。これは個人データに該当します。顔の映像に関しては、機微な個人データにさえ当たります。こうしたデータが一度AmazonのAIシステムに取り込まれてしまえば、簡単に削除することはできません。その結果、ユーザーは自身のデータに対するコントロールを失うことになります。ユーザーのチャットやテキストメッセージも、Amazonにとっての学習素材として利用されています」
この「暗黙の同意」が明らかになると、当然ながらTwitchユーザーの間で怒りの声が上がりました。この設定は、配信者向けダッシュボードの設定>セキュリティとプライバシーのページの下の方にあります。これが「見つけにくい」と報じられた根拠です。
実はさらに厄介な事実があります。Ars Technicaによれば、AI学習自体は今に始まったことではなく、新しいのはオプトアウトの選択肢が用意されたことだといいます。この設定が導入されたのは、AmazonがTwitchのコンテンツをAI学習に利用していることを同社幹部が認めてから、実に2年以上も経ってからのことでした。
2024年4月、Minton氏は、Amazonがまだ「本番規模」ではないもののTwitchのコンテンツを使ってAIモデルのプロトタイプを作成していると述べていました。
オフにする方法
この設定はデフォルトで有効になっています。オフにするには、こちらから設定>セキュリティとプライバシーに進み、下にスクロールして生成AIのための学習の項目を見つけ、その設定をオフにしてください。

「あなたのチャンネルのコンテンツを、Amazonの生成AIコンテンツモデルの学習に利用することを許可します。この設定をオフにしても、Twitchプライバシーポリシーに記載されているその他の目的、たとえば配信者の成長やマネタイズを支援するAI活用機能(リアルタイムのスポンサーシップキャンペーン支援など)、視聴者の発見支援(おすすめ機能など)、コミュニティの安全確保(AutoModなど)といったコミュニティに利益をもたらすAI機能へのTwitchおよびAmazonによるチャンネルコンテンツの利用が、対象外になるわけではありません」
なお、他の配信者のチャットに書き込みをした場合、そのチャットがAI学習に利用されるかどうかは、書き込んだ本人の設定ではなく、そのチャンネルの配信者側の設定によって決まる点に注意が必要です。つまり、自分のチャンネルでこの設定をオフにしたからといって、Twitch上で自分が書き込んだすべての内容が学習データから除外されるとは限りません。
「お金を払っていない客は、商品そのものである」という古い格言がありますが、だからといってユーザーのプライバシーを軽視したり、同意を勝手に見なしたりすることが許されるわけではありません。私たちもAPの見解に同意します。Twitchのチャンネルを持っていて、自分のコンテンツをAmazonの生成AIモデルの学習に使われたくない場合は、この設定をオフにしましょう。