ハッキング競技会にAIエージェントを投入すると聞けば、苦戦しているチームを下支えする存在になると考えるのが普通でしょう。ところが2026 Global Cyber Skills Benchmarkでは、上位25チームのうち17チームにAIエージェントが加わっていました。つまり、最もサポートを必要としていなかった顔ぶれこそが、AIを連れてきていたのです。一方で、AIの助けを借りてもよさそうなチームの多くはそうせず、結局その差を縮めることはできませんでした。

「私たちのデータが示しているのは、AIが最も優秀な実務者の代わりを務めているのではなく、彼らと並んで登場する頻度が高いという事実です。AIエージェントの能力が上がるほど、人間の判断力や検証能力、実践的な技術スキルの重要性はむしろ増しているのであって、減っているわけではありません」と、Hack The BoxのCEOであるHaris Pylarinos氏は述べています。
Hack The BoxがProject Nightfallという名称で実施したこのイベントの最終集計によると、54チームにまたがる93個のAIエージェント専用アカウントが登録され、そのうち46個が実際に稼働していました。これは登録アカウント全体の2.7%に相当しますが、提出されたフラグの4.2%、獲得ポイントの4.6%を生み出していました。また、上位100チームのうち33チームがAIエージェントを保有していました。もっとも、上位に入っていることとAIが勝因になっていることは同じではなく、Hack The Boxもその点を曖昧にはしていません。要するに、上位チームはすでにAIを日常の作業フローに組み込んでいた、というだけのことです。
12時間の前倒し、それでも原因は特定できず
2年前、この競技会における解答の中央値は開始から26時間の時点で記録されていました。それが2026年には13.8時間まで縮まっています。所要時間はほぼ半分になった計算です。ただし、この期間にはボードの規模、課題の構成、参加者の顔ぶれ、事前準備の内容、利用可能なツールなど、あらゆる要素が変化しており、データからそれぞれの影響を切り分けることはできません。したがって、この短縮は「いつ有用な作業が行われたか」を示すものであって、「参加者のスキルがどれだけ向上したか」を示すものではありません。
全問完答の推移も同様の傾向を見せています。2024年に全課題を解き切ったのは2チームでした。2025年は3チーム。そして2026年は15チームに上りました。ただしボードの設計自体も変わっているため、この数字はイベント全体を通じた対応範囲の広さ、連携力、持続力を反映したものであり、イベントの難易度そのものを示すものではありません。
人間は「完答数」で、AIは「速さ」で勝る
Hack The Boxは1年前の2025年11月に開催されたNeuroGrid CTFで、より条件を統制した比較実験を行っています。同じ課題セットに対して、AIを活用したチームと人間のみのチームを対戦させたのです。全体で見ると、AI活用側の解答ペースは人間のみのチームの3.2倍でした。ところが上位5%に絞ると、その差は1.69倍にまで縮まります。速度面では逆の結果が出ており、最上位のAI活用チームは人間のみのチームより3倍から4倍速く作業をこなしていました。それでも、全36課題をすべて解き切ったのは人間のみのチームでした。最強のAIチームは32問で止まっています。
翻訳元: https://www.helpnetsecurity.com/2026/08/27/ai-ctf-security-teams/