Signalで Android スマートフォンから iPhone へ、あるいはその逆に機種変更しても、メッセージ履歴を引き継げるようになりました。バックアップは Android、iOS、Linux、macOS、Windows のいずれでも復元できます。この機能は、Signal が「Signal for iOS」バージョン8.30で提供を完了したバックアップ機能のアップデートの一部です。
今回の変更は、2025年9月に導入されたオプションのエンドツーエンド暗号化バックアップサービス「Signal Secure Backups」を土台としています。Signal によると、ユーザーからのフィードバックを踏まえ、この1年をかけて改善を進めてきたということです。
ローカルバックアップとホスト型バックアップ
Signal Desktop と Signal for iOS では、初めて端末内バックアップを作成できるようになりました。Android 版も、同じ形式を使うよう作り直されています。

iOSのローカルバックアップのオプション(出典:Signal)
Signal は次のように説明しています。「これまでの Signal Android のローカルバックアップは、すべてを単一のアーカイブにまとめていたため、毎日のスナップショットが多くの容量を消費していました。今後はバックアップのメディアを別フォルダに保存するので、定期的な同期が容易になります。重複ファイルも1つだけ保存されます。端末内バックアップを外付けハードディスクや、自宅ネットワーク上の NAS サーバにミラーリングする場合にも、容量の節約に役立ちます」
ホスト型サービスでは、テキストメッセージを無料でバックアップでき、メディアは直近45日分が対象です。月額料金を支払えば、最大100GBのメディアをバックアップできます。
リンク済みデバイスも、この不足を補えます。「たとえば、新しくリンクしたノートPCでメッセージスレッドを開き、45日の制限を超えてさかのぼった場合、Signal Desktop は不足しているファイルのコピーを、メインの端末に直接リクエストできるようになりました。ファイルは、エンドツーエンド暗号化された添付ファイルとして届きます」
有料ユーザーは、古い写真や動画を端末から退避させ、サムネイルだけを残すことができます。Signal によると、この設定を使うと、未使用のメディア5GBが約600MBまで減るということです。
バックアップの保護
ホスト型バックアップは、ユーザーのリカバリーキーと、毎日ローテーションされる第2のキーで保護されます。第2のキーはトラステッド実行環境(TEE)内で保管されます。この第2のキーだけではバックアップを復号できず、前方秘匿性を高める役割を果たします。Signal は、TEE が「この補助的なキーを保護する現時点で最善の方法」だと述べています。
端末内バックアップは任意のドライブやサービスに保存できるため、TEE を利用できません。リカバリーキーで過去のバックアップをすべて復号できるので、Signal は、このキーを決して他人に教えないよう注意を促しています。
その他の変更点
24時間以内に消える設定の消えるメッセージは、どちらのバックアップからも除外されます。
Signal は次のように注意を促しています。「端末内バックアップに含まれる期限切れの消えるメッセージは、バックアップの復元時に転送処理の中で自動的にスキップされます。ただし、端末内バックアップでは、消えるメッセージの有効期限をより短く設定するなど、追加の対策を講じたほうがよい場合もあります」
iOS のアップデートには、ローカルのエンドツーエンド暗号化 Wi-Fi Aware 接続を使った、iPhone 間の転送機能の刷新も含まれます。
Signal は、「有料のバックアッププランに加入するかどうかにかかわらず、これらの機能によって、Signal のデータの管理や保存をより自在に行えるようになり、メッセージを安全に守る新たな選択肢にもなればと考えています」と付け加えました。
さらに締めくくりとして、「バックアッププロジェクトの第1段階はこれで完了ですが、バックアップ以外にも、いくつかの改善に懸命に取り組んでいます」と述べています。
翻訳元: https://www.helpnetsecurity.com/2026/09/30/signal-encrypted-backups-ios-8-30/