トランプ政権当局者、CISAに投票機の極秘ハッキングを要請 見つかった脆弱性は非公開との指示も


  • トランプ政権の当局者が、第2期政権発足から数カ月でCISAに投票機のハッキングを要請
  • CISAは、見つかった脆弱性を投票機メーカーに開示しないよう指示された
  • CISAは人員削減と資金不足で弱体化しており、中間選挙の安全確保をCISAに任せることに多くの州当局者がためらっている

トランプ大統領の第2期政権の発足当初、国土安全保障省(DHS)内の側近らが、サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)に対し、投票機を極秘に入手してハッキングするよう命じていました。しかも、見つかった脆弱性はホワイトハウス以外の誰にも伝えないよう指示していたといいます。

ProPublicaは、この要請について知る政権の元当局者2人に取材しました。同誌によると、CISAの標準的な運用では、製品の脆弱性をメーカーに通知することが義務づけられています。しかし、政治任用の幹部らは、通知しないよう明確に求めたということです。

元当局者の1人はProPublicaに対し、次のように語っています。「私は、気に入らない(選挙)結果を無効にするための切り札として、手元に温存しておくつもりではないかと考えました。これはCISAの存在意義にすべて反します」

CISAに投票機のハッキングを要請

トランプ政権はこれまでCISAを執拗に標的にしてきました。職員数は3分の1が削減され、幹部の大半も辞職または解雇されています。

トランプ氏の第2期政権の発足以降、CISAでは合計1,000人の職員が削減されました。その大部分は、イーロン・マスク氏率いる政府効率化省(DOGE)によるものです。2027年にはさらに予算が削減される見通しで、新たに900人の職員が失われる可能性があります。

こうした人員削減の結果、CISAに残った職員らは、投票機のハッキングという要請には応じられないと政治任用の幹部らに伝えました。

CISAは2018年以降、サイバー攻撃や妨害工作から選挙インフラを守る役割を担ってきました。しかし、資金と人員の不足により、この分野の業務の多くを縮小せざるを得なくなっています。11月の中間選挙を前に、選挙支援を求められなかった州当局者も多くいます。

トランプ氏によるCISAの人員・予算削減を受け、同庁はトランプ氏の支持者に占拠された抜け殻になったと懸念する州当局者は少なくありません。連邦政府のサイバーセキュリティ分野で高官を務めた元当局者は、ProPublicaに次のように語っています。「情報共有関係の大前提が踏みにじられました。州がCISAに情報を提供することなど、絶対にありえません。今後そうなるのかどうかも不透明です」

こうした指摘に対し、ホワイトハウスのローレン・ビス報道官は「トランプ大統領は、自由で公正な選挙を確保するために、歴代のどの大統領よりも尽力してきました」と述べました。

アリゾナ州のエイドリアン・フォンテス州務長官は、「私は大統領の発言には注目していません。注目しているのは、政権が何をしてきたかです。そして政権は、事実上、私たちを切り捨て、孤立させました」と語っています。

早くも投票に支障

一部の州では、中間選挙の期日前投票がすでに始まっています。ただ、ノースカロライナ農工大学、ノースカロライナ大学グリーンズボロ校、ウェスタンカロライナ大学の期日前投票所は閉鎖されました。ギルフォード郡の選挙管理委員会の委員らは、資源はほかの場所に振り向けたほうが有効だと説明しています。

投票所の閉鎖により、合わせて4万人の学生が投票しにくくなります。大学の規則で、1年生が自家用車を持てない場合もあるためです。

ノースカロライナ農工大の4年生で、学生団体「Protect Ours NC」の共同創設者であるシア・ロジアー氏は、NPRに次のように語りました。「投票所へ行くには、LyftやUberを使うか、ガソリン価格が極めて高いなか誰かに送ってもらうしかありません。投票への新たな障壁になっています」

これに対し学生らは、最寄りの投票所まで45分以上かけて行進する抗議活動を行いました。



翻訳元: https://www.techradar.com/pro/trump-officials-asked-cisa-to-secretly-hack-a-voting-machine-and-not-disclose-any-vulnerabilities-they-found

本記事は techradar.com の記事を翻訳・要約したものです。