Safari、メールアドレスを追跡IDに変換するトラッカーをブロック

Appleは、SafariとSafariが採用するオープンソースのWebエンジン「WebKit」に新たな追跡防止機能を導入しました。この機能は、メールアドレスを永続的な追跡識別子に変換する「アイデンティティ解決サービス」への接続を遮断します。

メールアドレスが追跡IDになる仕組み

この「ポストCookie」型の追跡手法では、ユーザーがWebサイトにログインしたりニュースレターに登録したりする際に、第三者がそのメールアドレスを収集します。事業者はアドレスを自社サーバーに送信し、そのアドレスに恒久的に紐づく追跡IDを作成して、識別子をWebページに返します。

WebKitチームは、この仕組みについて次のように説明しています。「追跡IDはWebサイト上に保存され、以後はメールアドレスに紐づけたさまざまな目的に使われる可能性があります。たとえば、閲覧履歴のプロファイル作成や、複数のサイトをまたいだ広告のターゲティングなどです」

ログアウトや購読解除をしても、識別子とメールアドレスは第三者の側に残り続けます。

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アイデンティティグラフの例(出典:WebKit)

事業者は、ユーザーがWebサイトを訪れたりフォームに入力したりする際に提供した情報から、「アイデンティティグラフ」と呼ばれるプロファイルを構築できます。そこには、氏名、電話番号、自宅住所、メールアドレス、IPアドレス、Webサイトのアカウント、ファーストパーティCookieなどが含まれる場合があります。

メールアドレスや電話番号を使えば、複数のWebサイトやデバイスにまたがる個人の行動を結びつけられます。メールアドレスは何年も、場合によっては何十年も使い続けられることが多く、長期にわたる識別子になります。アカウントへのアクセスやニュースレターの受信のためにアドレスを入力しただけで、想定していない追跡にさらされる恐れがあります。

アイデンティティ解決の事業者は、複数のWebサイト、デバイス、企業から得た情報を組み合わせ、プロファイリングや広告のターゲティングに役立てられます。WebKitは、今回の保護機能がファーストパーティによるパーソナライズを損なわないよう設計されているとしています。

SafariとWebKitによるアイデンティティ解決のブロック方法

こうしたサービスは、Webページに埋め込んだインフラを使い、ユーザーが入力したメールアドレスを収集します。多くの場合、ユーザーには何の表示もありません。

SafariとWebKitは、このインフラへのネットワークアクセスをブロックし、WebページからメールアドレスがDBの事業者のサーバーへ送信されるのを防ぎます。保護機能はドメイン単位で動作するため、事業者がネットワークリクエストの構造を変えるだけで回避することはできません。

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ネットワークアクセスのブロック(出典:WebKit)

メールアドレスを使った追跡は、iCloud+で利用できるAppleの「メールを非公開」などのサービスで、さらに抑えられます。このサービスはWebサイトごとに固有のランダムなアドレスを作成し、届いたメッセージをユーザーの受信トレイに転送します。

WebKitチームは、アイデンティティ解決の存在は、ブラウザーがクロスサイトCookieをブロックした後も、追跡業界がユーザーを追い続けようとしている証拠だとしています。

この保護機能は、AppleのiOS 27、iPadOS 27、macOS 27、visionOS 27に搭載されています。

翻訳元: https://www.helpnetsecurity.com/2026/10/21/apple-safari-tracking-protection/

本記事は helpnetsecurity.com の記事を翻訳・要約したものです。