Proton、プライバシーを尊重した暗号化AIアシスタント「Lumo」を発表

Protonは「Lumo」と呼ばれる新しいツールを発表しました。これは、ユーザーの会話を記録せず、プロンプトを学習に利用しない、プライバシー重視のAIアシスタントです。

Protonは、Proton Mail、Proton VPN、Proton Driveなど、実績あるプライバシー・セキュリティツールやサービスを提供するスイスの企業です。2024年6月には、非営利組織へと移行し、利益よりもユーザーのプライバシーを優先しています。

Lumoの導入はこのミッションと一致しており、ProtonはこのAIツールがユーザーの追跡やデータの保持・共有、リスクのある機能をクローズドソースコードに隠すことなく、支援を提供するよう設計されていると主張しています。

代わりに、Lumoはオープンソースの大規模言語モデル（LLM）をベースにしており、Protonのオープンソース暗号化方式を利用しています。Protonはまた、このツールの全ソースコードを公開しており、コミュニティに対して完全な透明性を確保しています。

Lumoのデフォルト設定では、オンライン検索を行わず、チャットは閉じるとすべて削除され、会話はサーバー側に保存されません。

「他のAI企業は、すべての会話記録を自社サーバーに保存し、これらの情報がデータ漏洩や営利目的の悪用にさらされるリスクがあります」と発表文には記されています。

「Lumoはサーバー側で会話のログを一切保存せず、保存したチャットもお使いのデバイス上でのみ復号化できます。」

Lumoのインターフェースは主流のLLMサービスに似ており、ファイルのアップロードも完全な暗号化サポート付きで対応しています。

最高レベルのセキュリティを実現するため、Proton Driveからの直接アップロードにも対応しています。

Lumoのインフラはヨーロッパにあり、GDPRが適用されるため、機密データがデータ保護規制の弱い法域に送信されることはありません。

Lumoはlumo.proton.meで利用できるほか、AndroidやiOSデバイス向けのアプリとしても提供されています。

サービスは3つのアカウントプランで提供されており、概要は以下の通りです：

• ゲスト：Protonアカウント不要ですが、週ごとに質問数が制限されます。会話の保存機能はありません。
• 無料：Protonアカウントが必要です。ファイルのアップロードが可能になり、質問数の上限が増え、基本的なチャット履歴の暗号化が提供されます。
• プラス：月額12.99ドル。無制限のチャット、拡張された暗号化チャット履歴、無制限のお気に入りチャット、複数の大容量ファイルのアップロードなど、すべての機能が利用可能です。

リリース時点でLumoは英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語に対応しており、今後さらに多くの言語が順次追加される予定です。