サイバー攻撃後もジャガー・ランドローバーが停止状態継続

Richard OD – shutterstock.com

英国の自動車メーカー、ジャガー・ランドローバーは2025年9月初旬のサイバー攻撃により、生産と販売に大きな支障をきたしました。

当時、同社は被害を最小限に抑えるためにシステムを停止したと発表しました。「私たちは現在、世界中で利用されているITシステムを管理された方法で迅速に再起動するために取り組んでいます」と、広報担当者がdpaの取材に対して述べました。

停止期間の延長

自動車メーカーは、現在も業務再開に向けて取り組んでおり、生産は来週まで再開されないことを明らかにしました。「本日、私たちは同僚、サプライヤー、パートナーに対し、現在の生産停止を2025年9月24日（水）まで延長することを通知しました」と、9月16日付のJLRの最新発表で述べられています。「私たちは、サイバーインシデントのフォレンジック調査が続いている中、世界的な事業の段階的かつ管理された再起動を検討しており、これには時間がかかる見込みです。」

これまでのところ、顧客データが盗まれた証拠はありません。ジャガー・ランドローバーはインドのタタ・モーターズの傘下です。

サイバー攻撃の背後に誰がいるのかは、いまだ不明です。しかし、Bleeping Computerの報道によると、Scattered Lapsus$ Huntersという有名なサイバーギャングがこの事件の犯行声明を出しています。このグループは、犯行の証拠として自動車メーカーのSAPシステムのスクリーンショットなどをTelegramで共有したとされています。

攻撃の甚大な影響

今回の生産停止はJLR本体だけでなく、The Registerによると、そのサプライヤーにも影響を及ぼしています。中にはサイバー攻撃後、「極めて深刻な財政難に直面している」とされる企業もあります。

英国ウェスト・ミッドランズ、フランス、ドイツのサプライヤーでは、一時的に従業員が解雇されたケースもあるといいます。影響を受けたのは約6,000人の雇用とされています。推計によると、世界中で少なくとも10万人の雇用がジャガー・ランドローバーに依存しています。

最近では、マークス＆スペンサーやブリティッシュ・ライブラリーなど、複数の大手企業や機関が深刻なサイバー攻撃の標的となっています。（dpa/jm）