Kali Linux 2026.2が今年2回目のリリースとして公開されました。新ツール9種の追加と、Kali NetHunterの多数の改善が含まれています。
Kali Linuxはサイバーセキュリティ専門家やホワイトハットハッカー向けに設計されたディストリビューションで、セキュリティ監査、ペネトレーションテスト、ネットワーク調査に特化したツール群を搭載しています。
インストール可能なOSとしても、ライブ環境としても利用できるほか、Raspberry PiやKali NetHunter経由のAndroidスマートフォンなど、幅広いハードウェアに対応しています。
2026.2リリースでは、新ツールの追加やAndroid向けペネトレーションテストプラットフォーム「NetHunter」の強化に加え、ヘルパースクリプトの更新、デスクトップ環境のアップデート、VMブート設定の改善なども実施されています。
Kali Linux 2026.2に追加された新ツール
今回のリリースでは、多数のパッケージが更新され、新しいライブラリが追加されたほか、Kaliカーネルがバージョン6.19にアップグレードされました(kali-experimentalではカーネル7.0も利用可能です)。
ネットワークリポジトリには以下を含む9種の新ツールが追加されています。
- arsenal-ng — 200以上のサイバーセキュリティチートシートを収録したGo製コマンドライブラリ
- hydra-gtk — 【再追加】高速ネットワークログインクラッカー(GTK+ベースのGUI版)
- legba — マルチプロトコル対応のクレデンシャルブルートフォーサー/パスワードスプレー・列挙ツール
- oletools — MS OLE2ファイルおよびMicrosoft Officeドキュメントの解析ツール
- penelope — 高機能シェルハンドラー
- shell-gpt — AIの大規模言語モデルを活用したコマンドライン生産性向上ツール
- tailscale — セキュアな接続プラットフォーム
- tookie-osint — SNSアカウントを調査するOSINT情報収集ツール
- uro — クロールやペネトレーションテスト向けにURLを整理・最適化するツール
また、サービス管理用のヘルパースクリプトも更新されました。サービスの管理、稼働確認、ステータス追跡、デフォルト認証情報の一覧表示、実行中サービスへのアクセス情報取得などが、より簡単に行えるようになっています。
今回のリリース以降、Kali Linuxのビルド済みVMイメージにはグラフィックスファームウェアが含まれなくなりました。また、インストーラーイメージが仮想マシン上でのインストールを自動検出し、グラフィックスファームウェアがインストールされないようになっています。
「その結果、VMユーザー向けのinitrdは60MBまで削減され、ブート時間は約3倍高速化されました(Linuxホスト上のQEMU VMで検証済み。環境によって結果は異なる場合があります)。ブート時間の大幅な改善です」とKaliチームは述べています。
「ベアメタル環境のユーザーに変更はなく、引き続き全グラフィックスファームウェアを含む200MBのinitrdが提供されます。最適化を希望する場合は、不要なファームウェアをご自身でアンインストールしてください。」
デスクトップ環境も更新され、今回のリリースではGNOME 50とKDE Plasma 6.6が搭載されています。

Kali NetHunterのアップデート
新ツールに加えて、Kali Linux 2026.2では以下をはじめとする多数のNetHunter更新も実施されています。
- Magiskスタンドアロンカーネルフラッシュのサポート
- qcacld3インジェクションをサポートする新カーネル
- 対応バージョンおよび機種の拡充
- NetHunter Proを通じた、より多くの端末でのベアメタルサポート
「Kali NetHunterアプリが即座に起動するようになり、カスタムコマンドおよびchrootマネージャーの各種バグも修正されました。また、パスワード確認用のキャプティブポータルを備えた新しいEvilTwin(Wi-Fi 偽AP)タブが追加され、必要不可欠だったiptablesの修正も行われました。これにより、Wifipumpkin3やEvilTwinを使用した後も、AndroidホットスポットがきちんとN動作するようになります」とKaliチームは説明しています。
「Magiskスタンドアロンカーネルフラッシュのサポートが実現しました。kali-nethunter-installerを使ってビルドされた新しいカーネルインストーラーZIPをMagiskアプリで開くだけで利用できます。」
Kali Linux 2026.2の入手方法
Kali Linux 2026.2を利用するには、既存インストールをアップグレードするか、プラットフォームを選択するか、新規インストールやライブ環境向けにISOイメージを直接ダウンロードしてください。
既存バージョンからアップグレードしたいユーザーは、以下のコマンドで最新バージョンにアップグレードできます。
echo "deb http://http.kali.org/kali kali-rolling main contrib non-free non-free-firmware" | sudo tee /etc/apt/sources.list
sudo apt update && sudo apt -y full-upgrade
cp -vrbi /etc/skel/. ~/
[ -f /var/run/reboot-required ] && sudo reboot -f
Windows Subsystem for Linux(WSL)でKaliを使用している場合は、グラフィカルアプリのサポートを強化するためWSL 2へのアップグレードをご検討ください。WSLのバージョンを確認するには、Windowsのコマンドプロンプトで wsl -l -v を実行してください。
アップグレード後、以下のコマンドで処理が正常に完了したか確認できます: grep VERSION /etc/os-release
Kali Linux 2026.2リリースの完全な変更履歴はKali公式サイトでご確認いただけます。
攻撃者より先に、すべての防御層をテストする
セキュリティチームが検知できる攻撃の成功は全体の54%にとどまり、アラートが上がるのはわずか14%です。残りの脅威は検知されないまま環境内を移動しています。
Picusのホワイトペーパーでは、侵害・攻撃シミュレーション(BAS)によってSIEMとEDRのルールをテストし、脅威の検知漏れを防ぐ方法を解説しています。