経営幹部の座に上り詰めるには、新たなスキルと新たな視点が求められます。セキュリティ幹部とCEOが、CSOとCEOの生産的なパートナーシップを築く秘訣について語ります。
CSOの存在感が高まるにつれ、セキュリティリーダーたちは経営幹部の一員としての地位を確立しつつあります。CEOに直属し、事業戦略の推進や組織の成功に貢献することが期待されているのです。
CEOへの直接報告は、セキュリティリーダーにより大きなアクセス権と影響力をもたらします。組織のCIOに報告するCSOにも一定の発言力はありますが、戦略的パートナーとしてCEOに直接電話をかけて話すという経験は、それとはまったく異なるものです。
報告構造がどうであれ、CSOは自分が何を解決するよう求められているのかを明確に理解する必要があります。単純なことのように聞こえるかもしれませんが、CEOの直属部下へと飛躍するには、新しい視点、異なるスキルセット、そして指標に対する事業レベルでの注力が求められます。
私たちは現役のCSO、CEO、そしてITスタッフィングの専門家数名に、セキュリティ幹部がCEOとの直接報告関係をうまく乗りこなすためのアドバイスを求めました。以下で見解を寄せてくれたのは、BedrockDataのCSOでIANSファカルティのメンバーでもあるGeorge Gerchow氏、CerbyのCSOであるMatt Chiodi氏、CyderesのCEOであるChris Schueler氏、そしてSkillsoftのTechnology Skills Suite担当バイスプレジデントであるGreg Fuller氏です。
1. CEOが自分の役割をどう見ているかを理解する
ほとんどのCEOは、あなたが直属の部下として報告する以上、あなたが自分の担当領域を完全に掌握していることを期待しています。それがサイバーセキュリティであれ、オペレーションであれ、財務であれ、CEOはあなたをその分野の専門家として頼りにします。CEO自身も意見を持つことはありますが、最終的にはあなたが主導し、方向性を示すことが期待されているのです。
CEOはCSOに対し、単なるリスク報告係ではなく、真の戦略的パートナーであることを期待しています。サイバーセキュリティを収益保護、規制遵守、顧客の信頼、そして事業のレジリエンスへと結びつける役割です。同時にCSOの側も、CEOがガバナンスを官僚的な必要事項としてではなく、戦略的な推進力として扱ってくれることを期待すべきでしょう。
2. 自組織にとって重要なスキルを、経営幹部レベルで磨き上げる
テクノロジーの面では、AIと機械学習、クラウドセキュリティ、インシデント対応、ゼロトラストアーキテクチャ、そしてガバナンス・リスク・コンプライアンス(GRC)が、脅威が最も速く進化し、戦略的リーダーシップが最大の影響力を発揮できる領域です。
同様に重要なのが「パワースキル」、すなわちコミュニケーション力、批判的思考力、適応力、そして感情的知性です。複雑なリスクをビジネス上の言葉に翻訳する能力こそが、優れたCSOと単なる技術者とを分けるものです。CEOの目には、肩書きではなくスキルこそが実効性を定義するものとして映ります。
3. 直接アクセスできる立場を活かす
CEOへの直接アクセスは、戦略に影響を与え、レジリエンス計画を形作り、サイバーセキュリティを単なるコストセンターではなく事業上の必須事項として扱わせることを可能にします。この権限は、CEOがサイバーセキュリティを単なる技術機能ではなく戦略的な梃子として理解しているときに、最も強く発揮されます。
直接報告の関係はCEOへのアクセスをもたらす一方で、そのレベルにふさわしい働きをする責任も伴います。自らのサイバーセキュリティプログラムについて、経営幹部レベルで明確に可視化して示す必要があるのです。
4. ビジネス翻訳力を磨く
事業との整合性を軸に主導するCSOは、技術的な専門用語ではなくビジネス言語でリスクを語れるとき、常により大きな影響力を持ちます。IPO、FedRAMP監査、そして実際の顧客の厳しい目にも耐えうるプログラムを構築するには、セキュリティを収益と信頼に結びつけることが不可欠になります。
最も価値あるスキルは「翻訳」です。すなわち、技術的なリスクを、CEOや取締役会が実際に行動を起こせる経営上のアクションと事業インパクトの言葉に置き換えることです。透明性を通じて信頼を築かなければなりません。これらはテクノロジーを補完する人間的なスキルであり、リーダーがより速く、より的確な意思決定を下せる、人間とAIの協働的なダイナミズムを生み出します。
5. あらゆる会話をリスク評価の機会として捉える
非常に優れたセキュリティリーダーは、あらゆるビジネス上の会話を、姿を変えたリスクの会話として扱います。この考え方こそが、優れたCSOと優れた技術者とを大きく分けるものです。ビジネスを第一に、セキュリティを第二に語ることで、CEOの信頼を勝ち取りましょう。あらゆるリスクを、収益、評判、規制上のリスクへと翻訳するのです。
良いCEOが求めているのは、通訳者であって警報装置ではないことを忘れないでください。彼らが期待しているのは、サプライズがないこと、重要なリスクについての明確な見立て、そして事業の足を引っ張るのではなく、むしろ加速させてくれるセキュリティリーダーです。
6. 成功する関係のあるべき姿を定義し、文書化する
報告関係がどのようなものであれ、まず最終的なゴールを定義し、それを文書化することから始めましょう。時間とともに変化していくものではありますが、最初にそうした明確さを持っておくことが重要です。特に、新しい役職に就いたばかりで、最初の60日、90日、120日、そして最初の1年を成功させようとしている場合には、これがことさら重要になります。そうした状況では、早い段階で認識をすり合わせておくことが不可欠です。
それを協働の形で行い、文書として残しましょう。
7. 信頼と率直さを何より優先する
CEOは、CSOが情報を出し惜しみしていないと信頼できる必要があり、一方でCSOには、悪い知らせを迅速に伝えられるだけの心理的安全性が必要です。この両方の条件が揃ったとき、セキュリティはコストセンターではなく戦略的な資産になります。
そのためには、何よりも明確なコミュニケーションを重視し、単独プレイヤーではなくチームの一員として自らを示すことです。インシデント対応中も冷静さを保ち、人々を取り締まる対象としてではなく対等な仲間として扱いましょう。長く活躍するリーダーは、信頼が必要になる前に、あらかじめそれを築いているものです。
8. ガバナンスを戦略的な競争優位として扱う
最も強固なパートナーシップには、ガバナンスを競争優位として捉える共通認識もまた存在します。
ガバナンスとは、安全に速く走るためのブレーキです。CSOとCEOがこの原則で足並みを揃えているとき、組織は監督体制を維持し不必要なリスクから身を守りながら、AIを活用した革新を進めることができます。その結果として、脅威に対して単に反応するだけでなく、組織の運営そのものにレジリエンスを組み込んだ組織が生まれるのです。
9. 明確な目標を設定し、進捗を測定する
明確な目標を設定し、その目標に対する進捗を測定することは不可欠です。期待値が明確であれば、注力すべき領域もはるかにはっきりします。それですべての問題が解決するわけではありませんが、CEOであれCIOであれ、経営陣と早期に足並みを揃えておくことで、感じるプレッシャーを大幅に軽減できます。
また、上司を決して驚かせないようにしましょう。目標を明確にし、先行指標と遅行指標の両方を一貫して追跡し続けることが特に重要になるのは、まさにこの点においてです。とりわけCEOとの直接報告関係にある場合はなおさらです。
10. 困難と不快感に耐える覚悟を持つ
最後に、痛みそのものよりも大切な何かのために、忍耐強く不快感に耐える意志を持つことが、この関係を生き抜くうえで欠かせません。サイバーセキュリティリーダーの役割は、往々にして報われないものです。仕事をうまくこなしていればいるほど、誰にも気づかれないものなのです。
翻訳元: https://www.csoonline.com/article/4188581/10-survival-tips-for-csos-who-report-to-the-ceo.html