Grafana Assistant、調査・自動化・オブザーバビリティ向けAIエージェントを追加拡張

Grafana Labsは、6つのAI機能を一般提供(GA)開始したと発表しました。これによりGrafana Assistantは、本番環境の問題を検知・調査・修復するエージェント型オペレーションレイヤーへと拡張されます。今回リリースされたのは、Grafana Assistant Investigations、Grafana Assistant Workspace、Grafana Assistant Automations、Grafana Cloud MCPサーバー、gcx、Grafana Agent Observabilityの6機能です。

従来、オブザーバビリティはコードが本番環境に到達してから始まるものでした。計装を施し、ダッシュボードを作成し、アラートを設定し、顧客より先に問題に気付けることを願う――そんな流れです。しかし、そのタイムラインは前倒しになりつつあります。エンジニアはこれまで以上に多く、そして速くコードを出荷するようになりました。AIエージェントは多くのチームで変更の速度を押し上げており、システムの信頼性を保つための取り組みも、そのペースに追いつくためライフサイクルのより早い段階へと移行する必要があります。

Grafana Labsの「2026年オブザーバビリティ調査」によると、実務者の92%が「AIが異常を検知してくれれば本当に価値がある」と回答している一方、自社のAIシステムに何らかの形でオブザーバビリティを実装済みと答えたのはわずか57%にとどまりました。このギャップに対するGrafana Labsの答えが、何かが壊れた後だけでなく、変更を計画している最中にも本番環境のテレメトリから質の高いインサイトをもたらすアシスタントです。

「かつて私たちは、オブザーバビリティをコードが本番環境に届く直前に後付けするものとして扱っていました」と、Grafana LabsでAI担当シニアディレクターを務めるMat Ryer氏は述べています。「しかし、それも変わりつつあります。今やGrafana Assistantは、コードを1行も書く前に計画をレビューし、コードが書かれれば計装を追加し、機能が本番環境にリリースされる様子を見守り、その後に必ず起きるインシデントに対応しながらスケールしていく過程にも寄り添います。始めから終わりまで同じアシスタントが、単に助言するだけでなく実際に行動するのです」

コードが1行も書かれる前の計画段階から

一般提供が始まったGrafana Assistant Workspaceは、こうした最初の対話のための場所を提供します。チャット履歴、ライブキャンバス、調査レポートが、サイドバーではなく1つの場所にまとまっています。サービスがまだ存在しない段階でアーキテクチャを持ち込めば、誰もエディタを開く前に、Grafana Assistantがスケールしない箇所を指摘してくれます。Grafana Assistant Investigationsと組み合わせれば、進行中の調査はそのまま共有可能なレポートになり、書き直す手間もかかりません。

計画を計装済みの稼働コードへ

計画がまとまれば、Grafana Assistantはスピードを落とすことなくエンジニアの実行を後押しします。新しいサービスの計装をGrafana Assistantに依頼すると、計装を組み込んだプルリクエストを作成し、データソースを接続し、Grafanaを設定した上で、テレメトリが届くまで監視を続け、届かない場合は一緒に調整を重ねます。この段階を支えるのが、gcxとGrafana Cloud MCPサーバーという2つのGAリリースです。

gcxは、ダッシュボードやアラートルール、データソースなどのリソースをコードとして管理するGrafanaのエージェント型CLIで、自己ホスト型GrafanaとGrafana Cloudを1つのコマンドラインに統合します。Claude Code、GitHub Copilot、Cursorといったツールに適したエージェントフレンドリーな入出力を備え、ダッシュボードやアラートをGitでバージョン管理するための完全なGitOpsサポートも提供します。

「根本原因分析やダッシュボードの作成は、Grafana Assistantのサイドパネルにプロンプトを入力するだけで済みます。これにより、複数のシグナルにまたがる異常や相関関係を把握し、作業をスピードアップできています」と、TeleTrackingのソフトウェアエンジニアリング担当ディレクターOren Lion氏は語ります。「gcxのおかげで、今では誰もが自分のコーディングエージェント内でGrafana Assistantを使えるようになりました。例えば、頻発するアラートの調査などです。これはまさに……Grafanaの民主化と言えます!」

Grafana Cloud MCPサーバーは、Claude Desktop、Cursorをはじめとする、MCPに対応した任意のクライアントに対し、Grafanaインスタンスのダッシュボード、アラートルール、インシデント、データソースへの直接アクセスを提供します。もはやメトリクスをチャットウィンドウに貼り付ける必要はなく、エージェントがコードの記述場所から直接ライブテレメトリを照会します。

ユーザーが主導権を握ったまま、Grafana Assistantが調査を実施

本番環境では、問われる内容が変わってきます。生のメトリクスやログを解析する代わりに、エンジニアは自分たちのテレメトリについて平易な言葉でGrafana Assistantに質問し、あるシグナルが実際に何を意味しているのかを理解した上で、技術データとビジネス上の成果を関連付けながら次の一手を計画できます。

Grafana Assistant InvestigationsとGrafana Assistant Automationsは、いずれも一般提供が開始され、エンジニアが質問を打ち込むよりも速く本番環境から答えを引き出す手助けをします。インシデントが発生すると、Grafana Assistant Investigationsは何が問題だったのかについて仮説を立て、データの中の手がかりを一斉に追跡し、各仮説を検証・棄却していきます。

エンジニアは自ら主導権を握って調査を進めることも、一歩下がってGrafana Assistantが数分で結論をまとめ上げるのを待つこともできます。Grafana Assistant Automationsを使えば、保存済みのGrafana Assistantプロンプトをスケジュールに沿って、あるいはオンデマンドで自動的に再実行できるため、日次のエラー率サマリーのような定型チェックを、毎朝同じ質問を打ち直すことなくSlackチャンネルに送信できます。

「Grafanaを使うのは、決してのんびりした場面ではありません。常にプレッシャーの中で、予期せぬ問題への答えを、非常に切迫した状況で探しています」と、MasterControlのエンジニアリングマネージャーRob Kacic氏は述べています。「Grafana Assistant Investigationsは、そうした場面で大いに役立っています。バックエンドのエラーやトレースを特定のフロントエンドページIDに関連付ける作業は、本来なら何時間もかかるところですが、Grafana Assistant Investigationsを使えば15分の作業で済んだケースもあり、対応時間を劇的に短縮できました。この参入障壁の低さこそが、これまでで最大の成果です」

自分たちが構築したAIエージェントを監視する

一般提供が開始されたGrafana Agent Observabilityは、Grafana CloudのOpenTelemetryネイティブな監視機能を、各チームが今まさに出荷しているAIシステムにまで拡張するものです。この機能は必要に迫られて生まれました。Grafana Assistant自体の利用が予想を超えて急増し始めたことで、Grafana Labsはそれを監視する必要に迫られたのです。計装されたエージェントは、利用状況・レイテンシ・エラーといった通常のシグナルに加え、AIシステムに特有の2つの重要なシグナル、すなわちトークンの使用量・コストと、会話そのものを捉えたテレメトリを出力します。

会話データにより、各チームは個々のやり取り単位までさかのぼった、フォレンジックレベルのデバッグが可能になります。組み込みの評価機能はさらに一歩進み、各チームが会話を精査して、エージェントの挙動を実際の会話サンプルで直接テストできるようにします。これにより、顧客が気付く前にハルシネーション、ドリフト、ポリシー違反を検出できます。

「[Grafana Agent Observabilityを導入して]本番環境で2日過ごしただけで、その違いには驚かされました」と、Alter Domusの担当者は語ります。「私たちはMCPサーバー、プロンプト、会話に関する情報を収集し始めました。これにより、MCPサーバーがなぜ失敗するのか、そしてユーザーがそれらのシステムとやり取りする際になぜ期待通りの結果を得られていないのかを理解できるようになりました」

「AIは10倍の速度で前進することを可能にすべきものであり、10倍の頻度でインシデントを生み出すべきものではありません」とRyer氏は述べています。「だからこそ私たちは、これらすべてのAI機能を1週間のうちにまとめてリリースしています。エンジニアが、自分たちがすでに動いているスピードにツールが追いつくのを待たされるようなことがあってはならないのです」

翻訳元: https://www.helpnetsecurity.com/2026/07/28/grafana-assistant-ai-capabilities/

ソース: helpnetsecurity.com