Check Point、業界初の「AIネットワークファイアウォール」でAIセキュリティをファイアウォールに統合

Check Point Softwareは、業界初をうたうAIネットワークファイアウォールを発表しました。個別の仮想アプライアンスを新たに導入するのではなく、組織がすでに運用しているファイアウォールインフラにAI特化型の検査・制御機能を組み込む点が特徴です。

この機能はCheck PointのファイアウォールソフトウェアのリリースであるR82.20を通じて提供され、企業ネットワークにおける「盲点」を解消することを目指しています。同社によれば、ユーザーのプロンプトやモデル呼び出し、自律型エージェントの動作を含むAIシステム由来のトラフィックは、通常のWebトラフィックと見分けがつきにくいため、既存のセキュリティインフラをほぼ検知されずに通過してしまうといいます。

Check PointのChief Product Officerを務めるNataly Kremer氏は、次のように述べています。「AIは企業ネットワークを変革しつつあります。そこで私たちはAIネットワークファイアウォールによって、ファイアウォール自体をAIを保護できる形に変革します。あらゆるプロンプト、モデル呼び出し、エージェントとのやり取りが集約される場所はネットワークですが、従来のファイアウォールはそうした活動を可視化したり統制したりできるようには設計されてこなかったのです」

3つの保護領域

Check Pointによれば、AIネットワークファイアウォールは3つの露出領域に対応します。従業員によるAI利用については、正式に承認されたAIツールだけでなくシャドーAIツールも検出し、プロンプトに込められた意図を分類したうえで、その分類結果に基づき機密データの流出をブロックします。同社はこれを、キーワードやパターンに依存する従来型のデータ漏洩防止(DLP)よりも精度の高いアプローチだと位置づけています。AIエージェントおよびMCP(Model Context Protocol)トラフィックについては、どのサーバーやツールが呼び出されているかをセキュリティチームが可視化できるようにし、そうしたやり取り全体にアクセスポリシーを適用できるようにします。AIアプリケーションや大規模言語モデル(LLM)については、トラフィックをインラインで検査し、プロンプトインジェクションや敵対的入力がモデルに到達する前にブロックします。しかもアプリケーション自体に変更を加える必要はありません。

今回の発表は、Check Pointの脅威インテリジェンス部門による調査結果を踏まえたものです。同社の「AI Security Report 2026」によると、組織の87%から93%が毎月少なくとも1件、高リスクな生成AIとのやり取りを経験しており、企業の機密情報や個人情報、規制対象データを含むプロンプトの割合は前年比で倍増し、およそ25件に1件のやり取りに達しています。また同社の研究者らは、調査対象となったMCPサーバー1万件のうち40%にセキュリティ上の弱点を確認したほか、公開されているWebページに埋め込まれた間接的なプロンプトインジェクションのペイロードを15,000件以上特定しました。そのうち約70%は、人間の閲覧者からは見えないページ部分に隠されていたといいます。

アナリストとパートナー企業の反応

IDCでtrusted accessおよびネットワークセキュリティ分野のリサーチマネージャーを務めるPete Finalle氏は、多くの組織がAI関連のセキュリティ対策として、既存のツール群にさらに別の、孤立したツールを追加導入せざるを得ない状況に置かれていると指摘します。同氏によれば、すでに配置されている既存のエンフォースメントポイントにAIセキュリティをネイティブに統合する取り組みは珍しく、可視性やテレメトリー、セキュリティ態勢、そして管理のシンプルさの向上をもたらすといいます。

WWTでグローバルサイバー部門のバイスプレジデントを務めるChris Konrad氏は、ポリシーだけではシャドーAIの利用を抑え込めないと主張します。セキュリティチームが把握するより先に、従業員がAIツールを使い始めてしまうためです。同氏は、組織がすでに信頼しているインフラにAIの可視化と制御機能を組み込むことで、AI導入のスピードを落とすことなく、実践的な制御ポイントをチームに提供できると述べています。

より広範な「AI Defense Plane」の一部として

AIネットワークファイアウォールは、Check PointのAI Defense Planeを拡張するものです。AI Defense Planeは、ネットワークやエンドポイント、クラウド、アプリケーション、APIにまたがってAIの検出・ガバナンス・保護を統合的にカバーするために同社が導入した統制レイヤーです。Check Pointによれば、SASEおよびSD-WAN製品にも一元的なエージェント型のポリシー管理を拡張しているほか、Illumioを含むサードパーティ製のマイクロセグメンテーションツールとの連携も進めており、オンプレミス型ファイアウォール、クラウドファイアウォール、AWSネイティブファイアウォール、SD-WAN、SASEといった各展開環境にまたがって、単一のコンソールから一貫したポリシーと監査証跡を提供することを目指しています。

AIネットワークファイアウォールは現在提供中です。

翻訳元: https://www.itsecurityguru.org/2026/07/30/check-point-brings-ai-security-into-the-firewall-with-industry-first-ai-network-firewall/

ソース: itsecurityguru.org