アンゴラ最大手通信事業者、IPO直前に大規模サイバー攻撃を受け被害

アンゴラ最大手の携帯通信事業者Unitelは、7月28日に発生したサイバー攻撃からの復旧作業を今週も続けています。この攻撃が発生したのは、政府が同社株式の15%の公募を締め切ったのと同じ日でした。

今回の攻撃とされる事案により、同社の通信網全体で広範な障害が発生しました。同社は7月30日に2Gおよび3Gサービスを、7月31日にはSMSサービスを復旧させたものの、4Gおよび5G、さらに一部のデジタルサービスについては依然として問題が続いていると報じられています。Unitelは8月1日にポルトガル語でFacebookに投稿した声明の中で、今回の事案を「同社の技術インフラに対する意図的かつ悪意あるサイバー攻撃」と表現しています。

同社は声明の中で、「Unitelは、上場企業として遵守すべき法規制に従い、市場および投資家に対して重要な進展があれば随時報告するとともに、今後数日間でサービスの完全な正常化に向けて取り組んでまいります」と述べています。

Unitelは、アフリカで業務に支障をきたすサイバー攻撃を受けた通信事業者として最新の事例となりました。2025年4月には、アフリカおよび中東の20近くの市場で事業を展開する携帯通信事業者MTNグループが情報漏えいを被り、2億人を超える顧客のデータが流出した可能性があります。また2024年後半には、攻撃者がテレコム・ナミビアへの侵害に成功し、身代金要求とみられる手口で顧客情報をオンライン上に流出させています。

Unitelにとって「最良の日」であり「最悪の日」

Unitelに対するサイバー攻撃が始まったのは7月28日午前2時20分。奇しくもこの日は、同社がアンゴラのBODIVA証券取引所での取引を開始した日でもありました。アンゴラ政府は同社株式750万株を競売にかけて15%の株式を放出し、3,000億クワンザ超、日本円にして約320億円(3億2,000万米ドル)を調達しました。Unitelの株価は当日およそ25%急騰しましたが、翌日には約13%下落しました

この携帯通信事業者にとって危険なのは、サービス障害によって顧客が他の携帯通信事業者に流れてしまうことです。Unitelは市場シェアの過半数を大きく占めており、その割合は66%から76%とする推計まで幅がありますが、いずれにせよ盤石の地位にあります。この国営企業がほとんど競合のない状態にあるとはいえ、アフリカの消費者や企業はデジタルサービスの提供を携帯通信網に依存しているため、サービスの復旧は最優先事項となります。

たとえば8月4日には、首都ルアンダの事業者たちは現金決済に頼らざるを得ない状況に追い込まれました。Multicaixa Expressなど広く利用されている金融サービスが機能しなくなったためです。これはVer Angolaのニュース報道が伝えているとおりです。同報道によれば、2025年時点でMulticaixa Expressは通信網を経由する金融取引全体の62%を占めているといいます。

一般に、通信事業者を狙った大規模な侵害からの復旧には、被害の範囲や事業者の備えの程度に応じて、24時間から数日を要するとされています。アフリカの多くの地域では予算が限られているため、組織は侵害を避けられないものと捉えたうえで、攻撃対象領域を縮小することで被害を最小限に食い止める取り組みを進めるべきだと、デジタルサービス・サイバーセキュリティ企業Cybastionの最高情報責任者(CIO)であるKevin Cardwell氏は指摘します。同社はアンゴラのデジタル化とサイバーセキュリティを加速させるため、覚書(MOU)を締結しています

同氏は次のように述べています。「各国は、自国のリスクが高い領域がどこにあるかを特定したうえで、そのリスクを軽減していく必要があります。実際に攻撃を受けたとしても、被害をその範囲内に封じ込めることができれば、攻撃者が破壊できるのはせいぜいその一部のセグメントにとどまるでしょう」

攻撃対象領域の縮小を

Cardwell氏によれば、アフリカ全体としてモバイルインフラへの依存度が高いことが、固定回線インフラ向けに構築されたセキュリティモデルでは対応しきれない、独自のサイバーセキュリティ上の脆弱性を露呈させることが多いといいます。同氏はさらに、今回のUnitelへの攻撃は、重要インフラにおけるネットワークセグメンテーションの不備がもたらす危険性も浮き彫りにしていると付け加えています。

「まず自社のネットワークを評価し、リスクとなる箇所を把握したうえで、攻撃者から見た攻撃対象領域を縮小することでそのリスク箇所を軽減していく。そうした一連のプロセス全体が必要です」と同氏は語ります。

サイバーセキュリティ企業ESETのマルウェア研究者であるEric Howard氏は、Unitelのような重要インフラ事業者は、サイバー攻撃が発生した際に迅速に業務を再開できるよう、あらかじめ訓練されたプロセスを備えておく必要があると述べています。

Howard氏は「上流のインフラをサービスごとに分離しておくことで、一部のサービスをオンラインのまま維持できる可能性があります」と述べる一方、地域的なルーティングや認証のボトルネック、内部のバックエンドサービスといった上流の中核部分の問題が残っていれば、アクセス障害が続き、復旧を妨げる可能性があるとも指摘しています。

翻訳元: https://www.darkreading.com/cyberattacks-data-breaches/angolas-largest-telco-breached-hours-before-ipo

ソース: darkreading.com