INTERPOLがAIをアフリカのサイバー犯罪を加速させる新たな原動力として指摘

アフリカのデジタル経済の急拡大により、各国政府や企業、インターネット利用者はサイバー犯罪の波にさらされつつあります。同大陸では2025年、モバイル契約数が11億件を超え、デジタル取引額は1兆1,000億ドルを上回りました。また、5億7,000万人を超える人々が、銀行取引や行政サービス、医療、教育といった分野でインターネットを利用しています。

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2025年における種類別のサイバー犯罪報告件数(出典:INTERPOL)

INTERPOLの「African Cyberthreat Assessment Report 2026」によると、サイバーセキュリティ関連のインフラや規制、組織としての対応能力は、デジタル化の進展速度に追いついていないといいます。

INTERPOLサイバー犯罪ユニット責任者のNeal Jetton氏は、「サイバー犯罪はこの地域において、最も重大な犯罪脅威の一つとして台頭しています。AIは偵察やフィッシングから、恐喝、検知回避に至るまで、サイバー攻撃のあらゆる段階を自動化しています」と述べています

アフリカ全域に広がるサイバー犯罪

西アフリカおよび南部アフリカの一部地域の回答者は、2025年に記録された犯罪のうちサイバー犯罪が占める割合を30%超と見積もっています。サイバー犯罪関連の被害額は、前年の1億9,200万ドルから4億8,400万ドルへと増加し、確認された被害者数も3万5,000人から8万7,000人へと増加しました。同報告書は、各国の報告体制にばらつきがあるため、包括的な総計を算出することは困難だと指摘しています。

金融サービス企業、通信事業者、政府機関が、最も大きな影響を受けたセクターに含まれています。犯罪ネットワークは各国の法制度の違いや国境を越えた協力体制の不足、訓練を受けた捜査官の不足につけ込み、複数の国にまたがって活動しています。

サイバー脅威の内容は大陸内でも地域ごとに異なります。東アフリカはモバイルマネー詐欺やインフラを標的としたランサムウェアの拠点となっています。西アフリカではビジネスメール詐欺(BEC)の検知件数が最も多く、オンライン詐欺も広範に確認されています。南部アフリカでは、ランサムウェア、フィッシング、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃が最も集中して発生しました。中央アフリカでは、ボットネットの活動やソーシャルエンジニアリング攻撃が増加しています。

サイバー犯罪者の攻撃手口

ランサムウェア攻撃は、気象システムや税関業務、電力網、通信事業者など、重要なサービスに支障をもたらしました。2025年にTrendAIが記録したアフリカにおけるランサムウェア検知件数のうち、92%を南アフリカが占めています。ナイジェリア、ウガンダ、ナミビアでも、重要インフラや公共サービスに影響を及ぼす攻撃が発生した疑いがある、あるいは確認されたと報告されています。

オンライン詐欺は、最も報告件数が多いサイバー犯罪の形態でした。モバイルマネー詐欺、フィッシング、偽の融資アプリ、暗号資産投資詐欺、ロマンス詐欺は、国境をまたいで活動する組織的な犯罪ネットワークと関連していることが多く見られました。

ビジネスメール詐欺は、侵害されたアカウントや、経営幹部になりすまして従業員に送金先の変更を促すよう作成されたAI生成メールを含む、欺瞞的なメールを通じて金銭的被害をもたらしました。

データ侵害は、犯罪者が個人情報や資格情報を入手する手段となり、なりすましやアカウント乗っ取り、さらなる攻撃に悪用されました。犯罪者は実在の情報と捏造した情報を組み合わせることで、本人確認を突破できる合成アイデンティティを作成し、銀行口座の開設やモバイル融資の取得、偽名でのSIMカード登録に利用していました。

サイバー犯罪対応における課題

多くのアフリカ諸国は、法制度や資源、国境を越えた協力体制の不備により、サイバー犯罪への対応に苦慮しています。法制度の違いにより、複数国にまたがる事案の捜査やデジタル証拠の共有、犯人の訴追が難しくなっています。

法執行機関には資金や専門人材、デジタルフォレンジックツールが不足しており、ディープフェイクや合成アイデンティティをはじめとするAIを悪用した攻撃を捜査する能力に限界が生じています。同報告書によると、調査対象となった機関の92%が、AIツールの導入における最大の障壁として技術的専門知識の不足を挙げています。

法執行機関とテクノロジー企業、通信事業者、銀行、フィンテック企業、モバイルマネー事業者の間の連携は限定的です。情報共有の遅れや法的手続きの違いにより、犯罪ネットワークは資金やデータ、活動拠点を国境を越えて移動させることが可能になっています。

一方で、大陸各国の政府は対応強化を進めています。2025年には複数の国がサイバー犯罪関連法を改正し、専門家育成の研修を拡充したほか、一般向けの啓発キャンペーンを開始しました。地域レベルでの取り締まり作戦により、数百人規模の逮捕者が出たほか、数千台のデバイスが押収され、ランサムウェアや詐欺、オンライン詐欺ネットワークの摘発につながりました。

翻訳元: https://www.helpnetsecurity.com/2026/08/05/interpol-africa-cybercrime-trends/

ソース: helpnetsecurity.com