エッジ&IOT
いえいえ、ここに悪いものなど何もございません……
ロイヤルネイビーの無人水上艇に搭載されたカメラが、中国のIPアドレスへ通信していたことが、定例のサイバー脆弱性評価により判明しました。
英国防省(MoD)はこの発見を認め、「ロイヤルネイビーが使用するKraken社製無人水上艇(USV)のサブシステムに関する問題」と説明しています。
The Registerが把握しているところでは、送信されていたデータはカメラが正常に稼働していることを知らせる「ハートビート」信号だったとのことです。とはいえ、軍用装備から中国のIPアドレスへ予期せぬ通信が行われていたとなれば、神経を尖らせる向きも出てくるでしょう。本誌は無人水上艇の供給元であるKrakenに詳細を問い合わせましたが、現時点で回答は得られていません。
国防省の広報担当者はThe Regに対し、次のように述べています。「徹底的な調査の結果、国防省のデータやシステムが外部からアクセスされたり、侵害されたり、外部へ送信されたりした証拠は見つかりませんでした」
「当省の保証・試験プロセスは、潜在的な脆弱性を早期に特定し対処できるよう設計されており、システムや装備全般にわたって日常的なセキュリティ活動を継続しています」
複数の報道によれば、問題のカメラはKrakenがサードパーティのサプライヤーから調達した部品だったとのことです。今回の事案は、英軍におけるサプライチェーン管理、監査、そしてサイバーセキュリティのあり方に疑問を投げかけています。
同広報担当者は、「政府の第一の責務は国家の安全保障であり、当省は装備、ネットワーク、データのセキュリティを極めて重要視しています」と述べています。
ここ数年、中国関連のサイバー活動に対する懸念は急速に高まっています。4月には、国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)が、侵害されたルーターなどのエッジデバイスから構築された秘匿ネットワークに関するセキュリティ勧告を発表しています。スパイ活動や秘密工作が絡む話題では、北京の名前が挙がることも珍しくありません。1月には、中国関連の攻撃グループが、英国首相の側近らの電話を長年にわたり盗聴していた疑いが持たれています。
したがって、たとえ内容が「生きています」という程度のハートビート信号にすぎなかったとしても、軍用機器から中国への予期せぬ通信が確認されたことは懸念材料と言えます。今回の事案はまた、サプライヤーの保証を鵜呑みにするのではなく、防衛サプライチェーンに関わるあらゆる部品を検証する必要性を改めて示しています。®