RSACやBlack Hatのカンファレンスに参加する人の多くは、人脈作りや新たな脅威について学ぶことを目的としています。しかし、Danielle Lewan氏とClint Howard II氏、そして11人の長年にわたるCISO(最高情報セキュリティ責任者)たちは、カメラを回しながら異なる目的を持って会場に現れます。それは、自分たちの侵害対応の経験を、見応えのあるテレビ番組へと昇華させることです。
昨年、Lewan氏はサイバーセキュリティ専門の独立系映像制作スタジオ「Red Mirror Studios」を、共同創業者兼チーフクリエイティブオフィサーのHoward氏とともに立ち上げました。彼女がこのスタジオを設立したきっかけは、2025年にNagomi Securityでグローバルマーケティング担当ディレクターを務めていた際に手掛けた、別のドキュシリーズ「CISO: The Worst Job I Ever Wanted」の制作経験にあります。
現在、Red Mirror Studiosの創業者兼CEOとして彼女が手掛けるのは、全11話からなる限定シリーズ「Declassified」です。この作品では、企業・政府・重要インフラ組織出身の11人のサイバーセキュリティ専門家たちが、それぞれの体験を画面越しに語ります。「Declassified」は3月にサンフランシスコで開催されたRSAC Conferenceの期間中に撮影され、第1話はBlack Hat USA 2026(ラスベガス)の開幕数日前となる7月28日に配信されました。
本シリーズの狙いは、強いプレッシャーの下でのインシデント対応、組織内部の失敗、そして個人的な苦悩に向き合ってきたCISOたちが、率直に語り合える場を作ることにあります。このスタジオはCISOたちが弱さも含めた本音を打ち明けられる場を提供する一方で、日々サイバー攻撃に直面している人々──侵害通知を受け取った人々であれ、被害を受けた組織で働く人々であれ──のセキュリティ意識向上にも寄与することを目指しています。サイバー攻撃はニュースの見出しを飾ることが多いものの、その内実が明かされることは滅多にありません。実体験を共有することで、強固なパスワードといったセキュリティの基本がなぜ重要なのか、人々の理解を助けることができるかもしれません。
監督たちを知る
サイバーセキュリティの世界では、リスクは常に付きまとうものです。とりわけ、キャリアを通じてリスクの管理や低減に取り組み、あるいは自らその被害者となってきたCISOたちにとってはなおさらでしょう。Lewan氏にとってもこの「リスク」という言葉は馴染み深いものであり、彼女自身の映像制作の歩みを形作ってきたものでもあります。
Lewan氏とHoward氏が最初に手掛けたプロジェクト「CISO: The Worst Job I Ever Wanted」には、いくらかのリスクが伴っていたと彼女は認めます。しかし、「このプロジェクトによって、この業界を築き上げてきたセキュリティリーダーたちが、過ちを繰り返すことをやめたいと強く望んでいることが証明された」と語ります。
このプロジェクトが期待通りに進まなかったとき、Lewan氏とHoward氏は、物語の力でサイバーセキュリティ業界を変えていくには独立した道を歩むしかない、と確信したと彼女はDark Reading取材に語っています。ベンダーとしてドキュシリーズを制作するには、自分たちが思い描く方向性とは相容れない期待がつきまといました。企業内の政治的な思惑が、ドキュシリーズに対する彼女たちのビジョンと衝突したのです。例えば、「CISO: The Worst Job I Ever Wanted」に出資していた主要なベンチャーキャピタル(VC)は、Lewan氏が市場調査と検証を終えた後になって、特定のCISOを外し、タイトルを変更するよう求めてきました。CISOという役職への就任をためらわせてしまうことを懸念したためだと彼女は説明します。
「この仕事の実態を正直に映し出すドキュシリーズをそのまま完成させるのではなく、彼らは自分たちの収益にとってリスクが大きすぎると判断したのです」と彼女は説明します。「結局、お金がすべてを支配しました。彼らはその後、ドキュシリーズのタイトルを変更しています」
スタートアップの資金を握るVCの意向を拒むことは、事実上の解雇宣告に等しいと彼女は付け加え、それでも自分は拒んだと述べています。
彼女は自分自身とHoward氏のことを、失敗を恐れたことのない頑固なストーリーテラー2人組だと表現します。彼らは自らを「プロの失敗者」と位置づけており、それこそがインタビューするすべてのサイバーセキュリティリーダーたちとの共感を生む要因になっていると彼女は語ります。「CISO: The Worst Job I Ever Wanted」で行き詰まったとき、2人は自らの手で、同じように率直な物語作りに情熱を注げる相性の良いVCを探し出しました。
その共通点が、創業者2人とレンズの向こうに座る出演者との間に信頼関係を築いています。Howard氏はDark Readingに対し、相手から信頼を得られなければ、対話そのものが成立しない、ましてや真実を語ってもらうことなどできないと語ります。彼は、Lewan氏がキャリアを通じてセキュリティリーダーたちとの信頼関係を築き上げてきたことを称賛しています。
「私はその信頼を借りる形で、普段は編集されたり、機密扱いになったり、あるいは役員室でしか語られることのないような経験談を、自分の経験も交えながら引き出すことができます」とHoward氏は語ります。「これはどんな業界においても稀有な立場です」
サイバーセキュリティ業界で作られるコンテンツの大半は、製品紹介やプロモーション目的のものだと彼は言います。「Declassified」には、自らの仕事について公の場で語ったことのない人物たちが登場すると彼は付け加えます。
出演者たちを知る
その一人が、White Rabbit VCのパートナーであるTyson Kopczynski氏です。「Declassified」の参加者の多くと同様、Kopczynski氏も、出演を決意した理由としてLewan氏の情熱と人々をまとめ上げる手腕を挙げています。
Kopczynski氏は現在は投資家ですが、以前はCISOとして、まず金融業界、その後医療業界で働いていました。CISOの抱えるストレスは常に付きまとうものですが、資金が潤沢な金融業界から、脆弱な立場にある人々にサービスを提供しながらもリソースが著しく不足している医療業界へと移ったことで、その負担は耐え難いものになったといいます。
米国の医療システムは「著しく機能不全に陥っている」とKopczynski氏は言います。「サイバーセキュリティの観点でも大きく後れを取っており、苦戦しています」
攻撃がもたらす結果は、命に関わる事態につながりかねません。それでも自分の仕事は、できる限り物事を前に進めることだったとKopczynski氏は説明します。この矛盾が彼に重くのしかかりました。周囲からの期待と責任リスクはあまりにも大きく、これは多くのCISOが直面する問題でもあります。
そしてついに彼は限界に達し、この業界を去りました。
Red Mirrorに関わることで、Kopczynski氏はCISOが直面する課題の一部、とりわけ彼らが日中、そして時には夜遅くまで何をしているのかという点についての透明性の欠如を克服したいと考えています。業務内容の多くが機密扱いであるため、周囲からの支援や、CISOという役職そのものに対する一般的な理解も限られていると彼は説明します。
サイバーセキュリティの専門家は、自分たちの分野をうまく説明できていないとKopczynski氏は言います。彼は、新シリーズがこの業界を、ハリウッド映画が描くような、暗い部屋で猛烈にキーボードを叩くハッカーといった謎めいたイメージではなく、もっと身近なものとして描いてくれることを期待しています。
「私たちは往々にして自分たちだけに通じる言葉で話してしまいます」と彼は言います。「物語を語るのが得意ではないのです。守秘義務のために語れないこともあれば、そもそもそうした言葉で語る術を持っていないこともあります。しかしそれは同時に不利にも働きます。なぜなら、周囲の人々は私たちが何をしているのか分からないままだからです」
語られる物語に耳を傾ける
CISOたちが自らの体験を語れる場を見つけたいという思いも、Chainguard社CISOのJohn Sapp Jr.氏がこのプロジェクトに参加した理由の一つです。彼とKopczynski氏は「Declassified」の第1話に出演しています。
長時間労働や機密性の高い業務内容といったCISOという役職ならではの側面は、CISO本人にとってストレスの多いものであるだけでなく、その家族にとってもストレスとなります。Sapp氏はこの点について深く語る機会を得られたことを喜んでおり、孤立感が自分にどのような影響を与えたかについても語りました。プレッシャーとコミュニケーションの壁は、離婚にまでつながったと彼はDark Readingの取材とカメラの前で明かしています。
「これは癒やしの機会でもあると思います。私たちはあまりにも長い間、こうした思いを自分の中に押し込め、抱え込んできましたから」と彼は言います。「家に帰れば配偶者や身近な人がいて、本当は話したいと思っています。しかし、口にできないことも数多くあるのです」
たとえ自分の体験を語りたいと思っていても、雇用主からの反発の可能性が、CISOたちを沈黙させる要因の一つになっていると彼はDark Readingに語ります。自分に何が返ってくるか分からないという恐れに加え、最前線での経験を共有することが、わずか25年前にはまだ存在すらしていなかったこのキャリアにおける次の機会を得る妨げになるのではないかという懸念も抱えています。
このドキュシリーズの中でSapp氏は、ブラジルにオフィスを構えるグローバルな医療機器メーカーで働いていた際に発生したハッキング事件についても語っています。取引先の銀行がセキュリティ体制の一環として多要素認証の導入を進めていた最中、脅威アクターがその機会を突いてソーシャルエンジニアリング攻撃を仕掛けてきました。ある瞬間、一見正当に見えた銀行からの電話が、200万ドルの盗難へとつながったのです。
「私たちの仕事には確かな意義があります。なぜなら、私たちがそれを行わなければ、社会全体が影響を受けてしまうからです」と彼は言います。「サイバーテロリズムは現実のものであり、私たちはその防衛を担う将軍のような存在なのです」
寄せられた反響
バーンアウトはCISOという役職に限った問題ではありません。サイバーセキュリティの世界は、バーンアウトへとつながる混乱の中で奮闘する人々で満ちているとHuntressのサイバーセキュリティアドバイザーであり、Servitium CyberのCISO兼共同創業者でもあるBryson Byrd氏は語ります。この点についてByrd氏は、Red Mirror Studiosの新プロジェクトの目指す方向性に賛同を示し、こうした問題への認識を高め、専門家たちに自分は一人ではないと伝えられる媒体であれば、どのような形であれ良いことだと述べています。テキサス大学で教授兼メンターを務める彼は、人間中心のアプローチをサイバーセキュリティにおいて重視しています。
業界を支える中心的な人物たちが、進んで弱さをさらけ出し、「不安やバーンアウト、抑うつといったもの」に関する苦悩を共有することで、それ以外の人々も自分が見てもらえていると感じ、この戦いを一人で抱え込んでいるわけではないと実感できるようになるとByrd氏はDark Readingに語ります。
「『ああ、これは自分と同じように困難に直面している一人の人間なんだ、自分もそうなんだ』と分かるだけで、孤独感が和らぐものです」と彼は言います。「ですから、これは非常に大きな意味を持つと思います」
翻訳元: https://www.darkreading.com/cyber-risk/cisos-break-their-silence-in-declassified-docuseries