法執行機関が西アフリカの複数の犯罪シンジケートを摘発しました。詐欺とサイバー犯罪を標的とした一連の継続捜査の一環です。
インターポールは本日、西アフリカの組織犯罪グループ、特に詐欺とサイバー犯罪を標的とした国際協調作戦「Jackal IV」の暫定結果を発表しました。6大陸22カ国の法執行機関が協力し、58人の容疑者を逮捕、さらに263人を特定しました。
世界の法執行機関は、この「Jackal」作戦を通じて長年にわたりアフリカのサイバー犯罪を標的としてきました。2024年に終了した「Jackal III」では数百人が逮捕され、約300万ドル相当の資産が押収されました。2022年と2023年に実施された最初の2回の「Jackal」作戦では合計約200人が逮捕され、さらに数百万ドル相当の資産が押収されています。
これまでの作戦では複数の組織が標的とされてきましたが、「Jackal」を主導する当局が特に注目していたのが「Black Axe」です。これはナイジェリア発祥の国境を越えた組織犯罪ネットワークで、ビジネスメール詐欺(BEC)、ロマンス詐欺、暗号資産・投資詐欺、資金洗浄、その他のサイバー関連金融犯罪との関連が指摘されています。
インターポールはプレスリリースの中で、Black Axeや同様の西アフリカのグループは「世界のサイバー関連金融詐欺のかなりの部分を占めている」と述べています。
4カ国で警察が行動
今回の作戦には、オーストリア、アルゼンチン、オーストラリア、カナダ、コートジボワール、フランス、ドイツ、インドネシア、アイルランド、イタリア、日本、マレーシア、オランダ、ナイジェリア、ポルトガル、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、アラブ首長国連邦、英国、米国が参加しました。「Jackal IV」では特に、アルゼンチン、南アフリカ、ルーマニア、イタリアの4カ国で、西アフリカの組織犯罪グループを支援していた個人や組織を標的とした取り締まりが実施されたとインターポールは強調しています。
アルゼンチンでは、「大規模なCrime-as-a-Serviceネットワーク」への関与が疑われる17人が逮捕され、196人が特定されました。このネットワークは、西アフリカの組織犯罪グループにウェブサイトドメインや資金洗浄支援を提供していた疑いがあります。
南アフリカでは、当局がヨハネスブルグ内の7カ所を捜索しました。これらは、英語圏諸国の高齢者を標的にロマンス詐欺や投資詐欺を行っていたとされるシンジケートに関連する拠点です。インターポールは、この詐欺を支える組織構造は「『転換』担当や『維持』担当といった役割が割り当てられ、詐欺の各段階を分担する」など精巧なものだったと説明しています。当局は267万ドルを押収し、257の銀行口座を凍結、39人を逮捕しました。
イタリアでは当局が、「シェル企業、送金サービス、現金引き出しを利用して資金の出所を隠す汎欧州の資金洗浄ネットワーク」に関与した可能性のある人物1人を特定しました。インターポールによると、ある口座では73万6,000ドルが洗浄されていたということです。
そしてルーマニアでは、警察が、株式や暗号資産の高利回りを謳うコールセンター型の投資詐欺を運営していたグループを摘発しました。当局は11人を逮捕し、現金と暗号資産で約37万9,000ドル相当を押収したほか、「不動産6件と複数の高級腕時計」も押収しています。
「Jackal IV」は犯罪インフラに焦点
この4カ国での取り締まりに加え、インターポールによれば、今回の作戦を通じて複数の新たな傾向も明らかになりました。その一つが、未成年者を狙ったセクストーションの手口を用いる西アフリカの組織犯罪グループの増加です。
「Jackal IV」による逮捕者数は過去の作戦と比べて少なかったものの、今回はインテリジェンス収集と、犯罪を支える支援ネットワークの破壊により重点が置かれました。
Sophosの脅威インテリジェンス部門シニアディレクター、Rafe Pilling氏はDark Reading取材に対し、今回の作戦は「マッピングと破壊」を意図して設計されているように見えると述べ、実行役やインフラ提供者を特定することが、逮捕者数以上に価値を持つ場合もあると指摘しました。
Recorded Futureの主任インテリジェンスアナリスト、Alexander Leslie氏も同様に、今回の作戦がインフラに重点を置いたことは、最終的には逮捕者数よりも重要な意味を持つ可能性があると述べています。「詐欺犯1人を逮捕しても、取り除けるのはオペレーター1人分に過ぎません。しかし、数十人ものオペレーターが依存しているインフラを理解し破壊できれば、エコシステム全体を弱体化させることができます」
インテリジェンス面では、アルゼンチンでの捜査によりCrime-as-a-Serviceネットワークが特定され、脅威アクターが外部プロバイダーへの依存を強めているという、より広範な傾向が浮き彫りになりました。インターポールが指摘しているように、これは「多くの場合、ダークウェブを通じて、資金洗浄をはじめとする重要な活動を外部委託する」形で行われています。
これに対し、最初期の「Jackal」捜査は、ビジネスメール詐欺、マネーミュール、ロマンス詐欺、さらに「Jackal III」では特に高品質な偽造紙幣「スーパーノート」に関連した逮捕と資金押収に重点が置かれていました。
インターポールによると、今回の結果もあくまで暫定的なものであり、「Jackal IV」に関連する多くの案件は依然として捜査が続いているということです。
Pilling氏は、「Jackal IV」のような作戦によって犯罪組織の脅威が一夜にして消え去ることはないとしながらも、犯罪グループにとっての作戦コストと複雑さは確実に増大すると述べています。同氏によれば、アフリカの企業にとっての価値は2つあるといいます。
「第一に、標的となったネットワークの当面の犯罪能力をある程度低下させることができます」とPilling氏は説明します。「第二に、そしておそらくより重要な点として、これらのグループがどのように活動し、誰がそれを支援し、インフラがどこに存在するのかについて、国際的な法執行機関の可視性が向上します。この情報は、今後の捜査やより的を絞った摘発活動を支えることになるでしょう」