あなたは、最も親しい友人にも打ち明けないような秘密を、AIチャットボットには話してしまうかもしれません。しかし、もしそうしているなら注意が必要です。その会話が法廷での証拠として使われる可能性があるからです。
ワシントン・ポスト紙が今週掲載した記事では、ClaudeやChatGPTといったAIシステムに機密性の高い情報を打ち明けた結果、その会話が検察官や相手方弁護士の手に渡ってしまった複数の事例が取り上げられています。
弁護士がChatGPTのようなAIサービスからあなたのチャットボットとの会話を入手できてしまうのは、それが弁護士や医師との会話のような「秘匿特権」の対象にはならないためです。
同紙の記者たちは、過去2年間で12件の裁判においてチャットボットのログが証拠として引用されていたことを突き止めました。また、データ開示件数が増加傾向にあることを裏付けるOpenAIの統計データも発見しています。ChatGPTを運営する同社は、2025年下半期だけで80件を超えるユーザーアカウントの内容を開示しており、これは2024年下半期の4倍以上に上ります。
積み上がる訴訟事例
人々があらゆる相談事をAIに持ちかけるようになった今、弁護士たちがそのデータにも目を付けるのは当然の流れと言えるでしょう。ユーザー自身が捜索に同意したことで発覚するケースもあります。ワシントン・ポスト紙は、大学構内の駐車場で17台の車を損傷させてしまったことが発覚するのではないかとパニックになり、ChatGPTに相談したある大学生の事例を紹介しています。彼はその後、警察に自分のスマートフォンを差し出し、捜索に応じました。また、ソーシャルメディア依存を巡って大手テック企業を訴えたある10代の若者も、自身のChatGPT利用履歴が証拠開示(ディスカバリー)の対象となりました。
チャット履歴を削除しても、完全な保護にはなりません。ニューヨーク・タイムズ紙が学習データ収集を巡ってOpenAIを訴えた著作権訴訟では、裁判官がユーザーが削除を求めたものも含め、チャットログを保全するようOpenAIに命じました。OpenAIは、ユーザーが「OpenAIが苦心して構築してきたプライバシー保護を放棄させられている」と不満を表明しました。同社はEUの一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州のプライバシー法の下でデータの削除に合意していたにもかかわらず、そのデータを保持せざるを得なくなったのです。
こうした事例の多くは法的請求への対応という形を取りますが、AI企業は必ずしも召喚状を待つとは限りません。OpenAIのポリシーでは、レビュー担当者が「他者に対する差し迫った、かつ信頼性のある危害のリスク」を確認した場合、その会話を法執行機関に通報することが認められています。ワシントン・ポスト紙は、フロリダ州パームビーチ郡のChatGPTユーザーが元交際相手への加害計画を繰り返し語っていたことを受け、OpenAIが警察に連絡した事例を報じています。
テクノロジー企業がAIチャット以外のあらゆるデータを長年にわたり法執行機関や訴訟当事者に提供してきたことは周知の事実です。Google、Meta、Appleの3社は、2014年から2024年の間に米国の316万件のユーザーアカウントに関する情報を提供しており、この期間、提供件数は年々大幅に増加していました。
新しいテクノロジーが登場するたびに、訴訟当事者はそこからデータを引き出そうとします。2019年には、交際相手の女性を殺害した容疑で起訴されたフロリダ州の男性が所有するAmazon Echoの音声記録について、警察が召喚状を発行しました。
取るべき対策
本当の友人であれば、私たちの秘密を墓場まで持っていってくれると思いたいものです。しかし、AIは友人ではありません。医師でも弁護士でもないのです。すべてのチャットは、法的な場面で開示される可能性のある記録として扱うべきです。それらは気軽な雑談のように感じられるかもしれませんが、削除ボタンがあったとしても、一つひとつのやり取りが文書記録を生み出していると考えておくべきでしょう。
何を共有するかについては慎重になってください。通常は医師や弁護士にしか相談しないような話題であれば、AIではなく実際に医師や弁護士に相談すべきです。弁護士とのやり取りは弁護士・依頼者間秘匿特権によって保護される場合がありますし、医療情報も守秘義務やプライバシー保護の対象となります。しかし、チャットボットとの会話にはそうした保護はありません。
最後に、AI以外についても注意を怠らないでください。軽率なSNSの投稿からプライベートなメッセージに至るまで、あらゆるものが警察の手に渡る可能性があります。例えば2022年には、Facebookが違法な人工妊娠中絶事件を捜査していた警察に対し、母娘間のプライベートメッセージを提供したケースがありました。
ですから、機密性の高い内容を投稿する前には、今一度よく考えることをお勧めします。
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翻訳元: https://www.malwarebytes.com/blog/ai/2026/09/your-ai-chats-could-be-used-in-court