- OpenAIが「Daybreak for Frontline Defenders」を開始し、リソースの限られたセキュリティ組織向けに10億ドル相当のクレジットを提供
- 優先対象は重要インフラサービス、政府機関、銀行、非営利団体、オープンソースのメンテナー
- 取り組みにはトレーニングやパートナーシップに加え、現場の防御担当者向けにMS-ISACAとの水道分野パイロットプログラムも含まれる
OpenAIは、Daybreakイニシアチブを利用したくても費用を負担できないセキュリティ組織に対し、10億ドル相当のクレジットを提供すると発表しました。
Daybreakは、審査を通過した防御担当者に対して専用のAIツールとモデルを提供するサイバーセキュリティプログラムです。今年5月に導入され、その後BlueとRedという2つのティアに拡張されました。Blueはエントリーレベルのティアで、独自にカスタマイズされた安全対策を備えた汎用モデルを提供します。一方Redは、より専門的にトレーニングされたサイバーセキュリティ向けモデルを提供し、安全対策はほとんど設けられていません。
OpenAIによれば、「承認済みの2,000の組織・ワークスペースにまたがる数千人の防御担当者」がすでにDaybreakを利用しており、その中にはサイバーセキュリティ企業、防衛関連組織、法執行機関も含まれています。
優先対象となるのは誰か
しかしこうしたモデルの利用には費用がかかります。より多くの企業がアクセスできるようにするため、OpenAIは防御担当者が申請してAIトークン用のクレジットを受け取れるプロジェクト「Daybreak for Frontline Defenders」を発表しました。同社はこれをグローバルな取り組みとして発表していますが、まず恩恵を受けるのは米国内の企業になる見込みです。
「OpenAIは、リソースが限られたサイバー防御担当者が最先端のAIを活用できるよう、10億ドル相当の助成付きDaybreakアクセスを提供します。まずは米国から開始し、今後6ヶ月間で利用されることを想定しています」と同社は発表ブログで述べています。
OpenAIによれば、上下水道システムや電力網の運用事業者など重要インフラサービスを運営する企業が優先されます。次いで州・地方政府、地域の中小銀行、非営利団体、オープンソースのメンテナー、そして「セキュリティリソースが限られたその他の組織」が対象となります。
ただし、この助成はモデルの利用にとどまりません。OpenAIは、現場の防御担当者に対するハンズオン支援やトレーニング、新たなパートナーシップも拡充していくとしています。
これに加えてOpenAIは、Multi-State Information Sharing and Analysis Center(MS-ISAC)との間で、地域・部族・準州レベルの防御担当者を対象としたトレーニングと支援を行う、水道分野に特化した公共部門向けパイロットプログラムの実施も発表しました。
「このパイロットプログラムでは、Daybreakへのアクセスに加え、対象となる公共部門・水道システムの防御担当者に対する初期グループ向けのガイド付きトレーニングとハンズオン支援を組み合わせます。これにより、検出事項の検証と優先順位付け、復旧対応の調整を支援し、今後拡大可能な再現性のあるアプローチを構築していきます」と発表は締めくくられています。