AIはSOCアナリストの対応能力を高める一方、スキル習得を妨げる可能性

AIはSOCアナリストの時間を生み出し、より価値の高い業務に振り向けることを可能にしています。しかしその一方で、実務を通じたスキルの習得を妨げていると考える人も多いことが、Swimlaneの新たな調査で明らかになりました。

セキュリティ運用(SecOps)を専門とする同社は、AIを活用している米国と英国の組織に所属するセキュリティ担当者やリーダー500人を対象に調査を実施し、最新のレポート「The New SOC Career Ladder」にまとめました。

回答者の半数近く(47%)が、AI活用による最大の影響の上位2つのうち1つに「対応能力の向上」を挙げました。AIのおかげで、複雑な脅威の調査に充てる時間が増えたと答えた人は3分の1を超え(35%)、戦略的な業務や部門横断的な業務により注力できるようになったと答えた人も同じく35%でした。

また、4割強(43%)は、反復作業に費やす時間が減り、より幅広い責務に取り組む時間が増えたと回答しました。

心強いことに、回答者の大多数(92%)は「誤った、あるいは不完全なAIの推奨」を見抜ける自信があると答えています。さらに半数近く(48%)は、AIの推奨が入手可能な証拠と食い違う場合や、業務の中断を招きかねない場合には、自らの判断を優先すると述べました。

SwimlaneのCISO、Mike Lyborg氏は次のように述べています。

「問題は、アナリストがAIを信頼すべきかどうかではありません。AIをいつ信頼すべきかを判断するのに十分な情報を持っているかどうかです」

「セキュリティチームには、推奨がどのように導き出されたのかを確認でき、その後にどのような対応が実行されるのかを理解し、重大な決定が下される前に介入できる環境が必要です。SOCでAIが担う業務は増えるかもしれませんが、責任は引き続き人間にあります」

関連記事:AI SOCでもSOCアナリストは引き続き必要、セキュリティベンダーが指摘

AIがスキル開発への懸念を生む

全体の88%はAIによって仕事への満足度が向上したと回答しました。その一方で、4分の1(24%)は、AIがスキルを身につける機会を制限しているとも訴えています。

ただし、AIがスキル開発を後押ししていると答えたグループと、逆の見方をするグループとの間で、仕事の満足度はほとんど変わりませんでした。

SwimlaneのCEO、Cody Cornell氏は次のように述べています。「課題は、日常的な業務がアナリストにとって基礎を学ぶ手段の一つでもあったことです。そうした業務の自動化が進めば、組織は研修やキャリアパスを見直す必要があります。AIが正しい場面と誤っている場面を見極める判断力を、人材が引き続き養えるようにするためです」

AIがスキル開発の妨げになっているとの声があるだけではありません。次世代のSOCアナリストの採用についても、悲観的な見方が広がっています。

回答者の半数近く(47%)は、AIによってこの職に就くまでの道のりが険しくなると予想しています。内訳は、エントリーレベルの職務に求められる要件が高くなるとの見方が37%、若手アナリストが経験を積む機会が減るとの見方が10%です。

5分の2(41%)は、AIの監督・検証・オーケストレーションに特化した新たな専門職が生まれると予想しました。一方、SOCのキャリアパスがほぼ変わらないと考える人は、わずか1%でした。

レポートは次のように結論づけています。「AI導入の次の段階は、人材の設計にかかっています。セキュリティリーダーは、AIの監督を正式な責務として位置づけ、従業員満足度とは別にスキルの成長を測定し、若手アナリストが調査に必要な判断力を養うための体系的な機会を提供する必要があります」

2025年に公表されたAbnormal AIのレポート では、SOCの44%が、ティア1のSOCアナリストをより上級のティア2〜3の役割へ移行させる計画を策定していることが明らかになりました。また、回答したアナリストの4分の3(73%)は、手作業や事後対応型のタスクがキャリアの成長を妨げていると答えています。

翻訳元: https://www.infosecurity-magazine.com/news/ai-boosts-soc-analyst-capacity/

本記事は infosecurity-magazine.com の記事を翻訳・要約したものです。