ランサムウェア復旧会社のCEOを起訴、攻撃者に身代金を支払いながら数百万ドルを着服か

当局は、いわゆるランサムウェア復旧会社の経営者が、ランサムウェア攻撃の被害に遭った顧客をだまし、虚偽の説明のもとで水増しした料金を支払わせていたとして告発しました。

MonsterCloudのオーナー兼運営者であるZohar Pinhasi氏は、独自開発の専用ツールで被害者のデータを復号して復旧でき、サイバー犯罪者への支払いも避けられると主張していました。しかし、そのようなツールは存在しなかったと、米司法省は水曜日に発表しました。

Pinhasi氏は、MonsterCloudの顧客から受け取った料金でサイバー犯罪者に身代金を支払い、暗号化されたデータを復旧していたとされます。その際、顧客に代わって身代金を支払ったことは伝えていませんでした。米国とイスラエルの二重国籍を持つ同氏は、2023年までの5年間に、数百の顧客から計1,900万ドル超を請求し、身代金として800万ドル超を支払ったとして訴追されています。

Pinhasi氏の犯行とされる行為は、ランサムウェアをめぐる経済圏が、金銭を求めるあらゆる種類の専門家を引き寄せている実態を示しています。

ランサムウェアへの対応や復旧は水面下で行われます。そのため、恐喝の被害を拡大させるサイバー犯罪者だけでなく、被害に遭った組織から最悪の日を乗り越える手助けを依頼された業者までもが、その陰に隠れやすくなっています。

今年初めには、元ランサムウェア交渉担当者3人が実刑判決を受けました。3人は、勤務先の顧客をあざむき、ランサムウェアのアフィリエイトと共謀して、それらの組織から金を脅し取っていました。いわば双方の側に立ち、顧客を二重に食い物にしたことになります。

検察はPinhasi氏を、電信詐欺2件と電信詐欺の共謀1件の罪で起訴しました。同氏は水曜日、ニューヨーク州ブルックリンの連邦裁判所で無罪を主張し、200万ドルの保釈金を納めて釈放されました。

同氏はMonsterCloudの拠点があるフロリダ州の住民で、有罪となれば最長60年の禁錮刑に問われる可能性があります。連邦判事は、弁護人が司法取引の交渉を進めていることを踏まえ、公判手続きを1か月延期することを認めました。Pinhasi氏の弁護人は、コメントの求めにすぐには応じていません。

ニューヨーク東部地区連邦検事のJoseph Nocella Jr.氏は声明で、「被告は、身代金を支払わずにランサムウェアを復号できると偽り、顧客を再び被害者にしたうえで、自らは多額の利益を得た」と述べました。

起訴状によると、Pinhasi氏と共犯者の1人(MonsterCloudの従業員)は、2,500ドルから1万ドルの初期調査料金を提示して顧客を引き込んでいました。その後、Pinhasi氏または従業員が、顧客に送り付けられた脅迫文と、顧客のシステム上にある暗号化ファイルのサンプルを入手していました。

この「分析段階」を終えると、Pinhasi氏は、MonsterCloudがファイルを復号できる証拠として、復号したサンプルを見込み客に示していたとされます。

検察は起訴状で、「しかし、多くの場合、Pinhasi氏は実際にはサンプルファイルをサイバー犯罪者に渡して復号サンプルを入手していました。MonsterCloudが独自技術を一切使っていないことは、顧客に知らせず、明かしてもいませんでした」と指摘しています。

検察はさらに、この予備段階がPinhasi氏の虚偽の主張に説得力を持たせ、「顧客に、ランサムウェアの完全復旧という、身代金の2倍以上になることもある高額なサービスを契約させた」と述べています。

2023年8月には、Pinhasi氏はある顧客に約15万ドルを請求し、データ復旧のために約8,200ドルの身代金を支払ったとされます。同氏は、サイバー犯罪者とのやり取りの一部で「Zack Silver」「Zack Green」という偽名を使っていたとされています。

当局によると、MonsterCloudの契約書には、他のあらゆる手段を尽くした後にサイバー犯罪者へ連絡すると記されていました。しかし実際には、サイバー犯罪者との取引が、暗号化ファイルにアクセスするためのPinhasi氏の最初の手段であることが多く、復旧データや復号鍵の証拠を入手する際の常套手段でした。

MonsterCloudは、米国とカナダの数百社と契約を結んでいました。同社のサイトは現在も稼働しており、見込み客向けの問い合わせフォームが設けられています。法執行機関や元FBI関係者の推薦コメントも掲載されています。

Pinhasi氏とMonsterCloudは、この手口を長年続けていたと伝えられています。2019年には、ProPublicaの調査報道が、同社が独自のデータ復旧手法を使っていると称しながら、実際には被害者(法執行機関を含む)に知らせないまま身代金を支払っていたことを詳しく報じました。

FBIのJames C. Barnacle Jr.副長官補は声明で、「Pinhasi氏はランサムウェアを解決すると称しながら、根本的な脅威には一切対処していませんでした。それどころか、被害者の危機を自らの収益源に変えたのです。こうした欺瞞は許されません。FBIは、助けを求めて信頼してくれた人々を食い物にする者に、責任を負わせる決意です」と述べました。

起訴状の全文は以下からご覧いただけます。

翻訳元: https://cyberscoop.com/monstercloud-zohar-pinhasi-ransomware-recovery-scheme/

本記事は cyberscoop.com の記事を翻訳・要約したものです。