- Mozillaは、セキュリティを重視する企業にFirefox Enterpriseの利用を促したい考え
- MozillaのCEOは、ブラウザーエンジンについて「選択肢というのは嘘だ」と指摘
- Thunderbird Enterpriseも開発中
Mozillaは、セキュリティ、ガバナンス、コンプライアンスの追加的な管理機能を必要とする組織向けに設計した新バージョンのブラウザー「Firefox Enterprise」を発表しました。
同社は、企業が少数のテック企業への依存を強め、一定の管理権限を第三者に委ねるようになったと指摘しています。一方で、こうしたテクノロジーの集約にはそれ自体のリスクがあると考えています。
また、こうした深い依存関係が原因で、企業がプロバイダーを乗り換えにくくなっていることも認めています。Firefox Enterpriseブラウザーは、これらすべてを踏まえて開発されました。
Mozillaは発表の中で「私たちはブラウザーを、重要でありながら十分に統制されていない層と捉えています」と述べ、他のブラウザーが主にGoogle(Chromium)とApple(WebKit)に依存している点を批判しました。なお、Firefoxは、Mozilla自身が開発する無料のオープンソースブラウザーエンジン「Gecko」で動作しています。
CEOのAnthony Enzor-DeMeo氏は「すべての選択肢が同じ技術の上に成り立っているのであれば、『選択』は嘘になります」と説明しています。
Firefox Enterprise最大の売りは制御性です。顧客はデータの保存先や管理方法を選択でき、既存のシステムと連携するよう設計されています。
Mozillaは「IDプロバイダーも、SIEMも、MDMも、そのまま使い続けられます。そこに、管理基盤を自ら運用できるブラウザーを加えるだけです」と述べています。
Firefoxは月間ユーザー数が2億人に上るとしています。ただし、Statcounterのデータによると、世界のデスクトップブラウジングセッションに占める割合は6%にとどまり、Chromeの65%には遠く及びません。
Firefox Enterpriseは、まずフランス、ドイツ、オーストリア、スイスで提供が始まり、その後、他の国にも順次拡大される予定です。メール分野については、Thunderbird Enterpriseも「開発中」であり、近く詳細が明らかになるとみられます。