企業ネットワークに対するAIを悪用したサイバー脅威が増大するなか、企業はサイバー防御ツールとしてのエージェント型AIにかつてないほどの資源を投じています。しかし、サイバーセキュリティチームの大半は、その有効性への懸念から、この技術の導入に依然として慎重です。
Flashpointが10月13日に公表した『The Enterprise Threat Intelligence Report: 2026』によると、攻撃側のエージェント型AIがもたらすサイバーリスクをめぐる議論が続いているにもかかわらず、能動的なサイバー防御戦略の一環としてエージェント型AIツールを実際に活用しているサイバーセキュリティチームは、わずか4分の1(25%)にとどまります。
セキュリティチームの4分の3は、セキュリティ運用へのAIツール導入の可能性をまだ十分に検討できていません。調査対象のうち20%はクローズドなパイロット運用を実施しており、さらに35%は今後12〜24か月以内の導入可能性を検討していると回答しました。残る20%は、現時点ではサイバー防御の一環としてエージェント型AIを試す計画はないと答えています。
AIエージェントを利用中、またはパイロット運用中の組織では、情報の検索やアラートの優先順位付けのほか、IPアドレスのブロック、ブラックリストの更新、不審なトラフィックの監視といった、より能動的な作業にもこれらのツールを活用しています。
一部の組織は、セキュリティ運用に直接影響を及ぼす自動対応など、より高度な活動にもAIを活用しています。ただし、AIエージェントにこれほどの意思決定権限を与えることには、多くの組織が警戒感を抱いたままです。
AIエージェントが「自信満々に間違える」とき
サイバーセキュリティの専門家からは、エージェントが誤った判断を下すことへの懸念も上がりました。
「自信満々に間違えるエージェントは、動作が遅いエージェントよりたちが悪い」と、ある回答者は述べています。
サイバー防御へのAIエージェント導入を阻む要因は、ほかにもあります。データ漏えい、監査可能性、規制要件、コストへの懸念に加え、エージェントにセキュリティワークフローへのどこまでの制御権を持たせるべきかという問題です。
多くの組織がサイバー防御ツールとしてのエージェント型AIへの投資や導入を試みていますが、AIエージェントにタスクを任せられるかどうかを十分に見極めるまでは、全面的な導入に踏み切れない組織が多いのが実情です。
「防御側におけるエージェント型AIの可能性は大きく、調査からはセキュリティ責任者が投資に前向きであることがわかります。ただし、彼らは誇大な宣伝に流されてはいません」と、Flashpointの創業者兼CEOであるJosh Lefkowitz氏は述べています。
「エージェント型AIには高い水準を求めています。どこで業務が改善されるのか、出力を信頼できるのか、そしてどこで人間の判断をプロセスに残す必要があるのかを知りたいと考えています」
サイバーセキュリティチームはエージェント型AIをまだ試している段階ですが、報告書によると、取締役会や予算を承認する経営幹部はこの技術の導入に積極的な様子です。半数を超える回答者が、サイバー防御におけるエージェント型AIの検討に向けて、予算が大幅に増えると見込んでいます。
3分の1超(35%)は、今後12か月で予算が10%を超えて増加すると予想しており、さらに15%は最大10%の増加を見込んでいます。サイバーセキュリティ予算が減少する見通しだと答えた回答者は、ゼロでした。
翻訳元: https://www.infosecurity-magazine.com/news/defenders-skeptical-agentic-ai/