AIを使えば、より多くの求人に応募できます。しかし、どこに応募したのかを把握しきれなくなると、偽の採用担当者からのメッセージが、待ち望んでいた返信のように見えてしまうことがあります。
就職活動は、虚空に向かって叫んでいるように感じられるものです。応募書類を送り、カバーレターを書き直し、来るかどうかもわからない返事を待ち続けます。そんなとき、スマートフォンにメッセージが届きます。仕事について話したいという人からです。
しかし、それは自分が応募した求人でしょうか。大量に応募していると、把握するのは困難です。
2つの報道は、気がかりな重なりを示しています。BBCは、AIを使って大量の求人に応募する求職者の姿を伝えています。この戦略は「スプレー・アンド・プレイ(手当たり次第に応募して祈る)」と呼ばれています。一方、The Independentが報じた調査によると、多くの若年層が身に覚えのない求人オファーを受け取っています。そして、無視すれば本物のチャンスを逃すのではないかと不安を抱いています。
どちらの報道も、大量応募が採用詐欺に引っかかる原因になると立証しているわけではありません。ただ、両者を合わせると、セキュリティ上の重要な問いが浮かび上がります。ほぼあらゆる先から返信を待っている状況で、連絡した覚えのない相手からのメッセージをどう見分ければよいのでしょうか。
詐欺の手口
求人オファー詐欺にはさまざまな形があります。Malwarebytesはこれまでに、スパイウェアである偽の面接アプリ、SNSの認証情報を盗むCalendlyの面接招待、いわゆる「荷物のエキスパート」求人、前払い金詐欺、タスク詐欺、そしてGoogleの認証情報を盗む採用担当者を取り上げてきました。
残念ながら、手口はこれ以外にも数多くあります。これらの例からは、偽の採用アプローチに潜む金銭的な詐欺、マルウェアのインストール、アカウント乗っ取りといったリスクがわかります。
Scam Guardに匿名で寄せられたメッセージは、英国の正規のマーケティング企業The Goat Agencyを装っているとみられ、タスク詐欺の可能性を示す兆候が見られました。

「こんにちは! goatagencyの人事チームの者です。このたびあなたの履歴書を拝見し、現在募集中のリモートのオンライン業務に最適な方だと考えました。柔軟な働き方ができるパートタイムまたはフルタイムのリモート職で、業務内容は加盟店への商品レビュー提供の支援です。作業は簡単で、すぐに始められるよう研修も十分に用意しています。作業時間は1日60〜90分だけ。1日の収入は500〜1,000ポンドで、ご都合に応じて変わります。いつでも、どこからでも働けます。ご興味のある方は、WhatsAppでご連絡ください。」
しかし、詐欺師が夢のような高給を提示する必要すらありません。Virgin Media O2の委託調査では、英国の18〜24歳のほぼ半数が、応募した覚えのない仕事を持ちかけるメッセージを受け取ったと答えています。「楽に稼げる」といったあからさまな危険信号がなければ、詐欺メッセージは人材紹介会社からの正規の連絡にいっそう近く見えます。
手口は電話から始まることもあります。The Independentは、WhatsAppで番号を追加するよう求める自動音声の電話について、警告があったと伝えています。パートタイムの仕事に絡めた事例もあるといいます。
このほか、誰もが知る企業の名前を使って、依頼を信頼できるものに見せかける手口もあります。Malwarebytesは以前にも、実在の企業をまねて応募者の個人情報や金銭を要求する偽の求人広告を報告しました。オフィス機器の代金と称する支払いを求めるケースも含まれていました。
身を守るために
多くの被害を防げる、シンプルな原則があります。応募の記録を残し、仕事の件で連絡してきた相手は必ず確認することです。AIを使った応募をやめる必要も、採用担当者をすべて偽物と疑う必要もありません。ただし、もっともらしい話であっても、確認は欠かせません。
- 簡単な応募記録をつけましょう。企業名、職種、応募日、元の求人情報を記録しておけば、誰かから連絡が来たときに照合できます。
- 求人と採用担当者の両方を、別々に確認しましょう。企業の公式サイトを自分で探し、掲載されている連絡先を使います。実在する求人があっても、メッセージを送ってきた人物がその企業の代表であることの証明にはなりません。
- 見覚えのあるロゴは、何の証明にもなりません。詐欺師は正規の企業になりすまし、実在する従業員の情報を使ってなりすましを裏付けることもあります。
- 収入を引き出すために支払うことは、絶対にやめましょう。報酬とされるものを引き出す前に入金を求めるのは、タスク詐欺の典型的な特徴です。
- 機密情報の共有、ソフトウェアのインストール、採用関連のリンクからのサインインは、一度立ち止まりましょう。特に予期せず届いた場合は、まずアプローチ自体を確認してください。
- 重要なアカウントでは多要素認証を有効にしましょう。パスワードが盗まれても、乗っ取られにくくなります。
- リアルタイムスキャンを備えた最新のマルウェア対策を使いましょう。悪意のあるダウンロードの検出とブロックに役立ちます。
応募記録があれば、届いたメッセージが応募した仕事に関係するかどうかを確認できます。関係がある場合でも、情報を共有したり次のステップに進んだりする前に、相手が誰なのかを確かめてください。
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