新たなデータによると、年間売上高100億ドル以上の大企業の65%で、AIセキュリティ責任者(Head of AI Security)のポジションが設置されています。
IANSとArtico Searchが実施した調査で、大企業が企業のAIガバナンスにおける説明責任と取締役会レベルの監督を強化するため、セキュリティ組織の体制を見直していることがわかりました。
調査によると、売上高100億ドル以上の企業全体の約5分の1(18%)がAIセキュリティ責任者を専任のポジションとしています。47%は他の経営幹部の役職と兼任させており、研究者らはこれを「最も急速に台頭している機能別ポジションの一つ」と位置づけています。
一方、中小規模の企業ではAIセキュリティ責任者の設置はあまり一般的ではありません。売上高10億〜100億ドルの企業では9%、10億ドル未満の企業では6%にとどまっています。
IANS教員(Faculty)でArtico Searchのサイバー部門パートナーを務めるSteve Martano氏は、次のように述べています。「AIの普及に伴い、技術的なセキュリティ、リスク、コンプライアンスの橋渡しができ、なおかつ企業がAIをどう活用したいのかも理解しているリーダーの価値が高まっています」
AIガバナンスがCISOの管轄となるケースはまれ
10月20日に公表されたIANSの報告書によると、大企業ではAIセキュリティ責任者の専任ポジションが増えているものの、企業のAIガバナンス全体に対する説明責任の所在は依然として定まっていません。
AIガバナンスの主たる責任をCISOが負っている割合は、小規模企業で26%、中規模企業で11%、大企業ではわずか7%でした。大企業でAIガバナンスの責任者となることが最も多いのは最高AI責任者(CAIO)で、22%を占めています。
3つの規模区分すべてで、14〜19%の組織が、責任を負う幹部は一人もいないと回答しました。
さらに、AI倫理や責任あるAIに特化した取締役会の委員会を十分に設置できている組織はまだ多くありません。3つの区分すべてで、43〜48%がそうした委員会を設置する予定はないと答えています。
Martano氏は、AIの急速な導入にガバナンス戦略を追いつかせるため、組織はセキュリティチームを再編する必要があると述べています。
「企業は、この機能に何を求めるのかを戦略的に考える必要があります。そのうえで、競争が激しさを増す外部の人材市場に頼る前に、社内で専門性を育成できるかどうかを検討すべきです」と指摘しました。
セキュリティ人材の報酬を最も左右するのは経験
報告書は、同じポジションでも報酬に差が生じる最大の要因は経験レベルだと分析しています。企業規模や所在地といった要因よりも影響が大きいということです。
売上高100億ドル以上の企業では、経験8〜15年のセキュリティ人材の報酬は、経験8年未満の人材より約3万5,000ドル高くなっています。
キャリア初期の人材と経験16年超の人材との差は、約5万ドルにまで広がります。
大企業におけるCISO代理(Deputy CISO)の平均年収は35万ドルでした。
BISO(事業部門情報セキュリティ責任者)の平均もほぼ同水準で、34万2,000ドルでした。
なお、CISOの平均報酬水準に関するデータは、報告書には含まれていません。
翻訳元: https://www.infosecurity-magazine.com/news/head-ai-security-roles/