米サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)は、重要インフラを狙うサイバー脅威への対応を、「受け身の防御」から「攻撃的かつ先回りの」アプローチへ転換すると表明しました。
これは、CISAが10月26日に公表した新たな戦略文書『CISA 2030: Defend, Harden, Prevail』で示されたメッセージです。
同庁は、重要インフラを守るうえで能動的な姿勢をとる方法を詳述しました。脅威への対応を迅速化することや、レジリエンスの高いシステムを構築することなどが含まれます。
CISAのニック・アンダーソン代理長官は、新文書で次のように述べています。「現在私たちが直面する脅威の状況は固定的ではありません。国家支援型の攻撃者をはじめとする悪意ある敵対者は、ネットワークへの侵入手口をますます巧妙化させています。強固な防御を築いても、侵入を完全に防げる保証はありません」
さらに、次のように続けています。「トランプ大統領が改めて指摘したとおり、レジリエンスは私たちのアプローチの基盤でなければなりません。敵対者が足場を築いた場合でも、迅速に検知し、断固として排除し、重要な業務を中断なく継続できる備えが必要です」
この戦略は、サイバーセキュリティに関するホワイトハウスの最近の政策発表を実行に移すためのものです。
2026年3月に公表された国家サイバー戦略もその一つです。同戦略は、政府間の連携、民間部門との協力、技術投資を通じてサイバー脅威に対処する広範な枠組みを示しました。
攻撃的サイバー作戦、法執行措置、経済制裁など、政府が持つあらゆる能力を活用して攻撃を抑止し、犯罪ネットワークを解体する方針も強調しています。
2026年8月には、トランプ大統領が、米国を標的とする外国の脅威アクターに対する攻撃的なサイバー攻撃を、連邦法執行機関が民間企業と協力して実施することを認めたと発表しました。
CISA 2030の3本柱の戦略
CISAの新戦略は、2030年までに3つの柱で目標を達成するためのロードマップを示しています。内容は次のとおりです。
Defend:国家のサイバー防衛を主導
CISAは、政府、産業界、州・地方・部族・準州(SLTT)のパートナー、国際機関が持つサイバー防衛能力を統合するとしています。脅威活動の理解を深め、国家のサイバーリスクを減らし、サイバー防御を強化する狙いです。
重点分野の一つは、制御技術(OT)の所有者・運用者と連携し、OT環境の近代化とサプライチェーンセキュリティの強化を進めることです。
もう一つは、サイバーセキュリティ向けの新興技術の評価と迅速な導入を主導することです。
Harden:国家インフラのセキュリティを最優先
CISA 2030のこの柱は、重要インフラのセキュリティ業務全体でインテリジェンスを統合することに重点を置きます。
具体的には、リアルタイムの意思決定とアラートを可能にする最新ツールへの的を絞った投資や、重要インフラ・コミュニティ全体での対応の迅速化などが含まれます。
インテリジェンスは、国家インフラのセキュリティに最も大きな影響を与える分野へ、CISAが取り組みと資源を優先的に振り向けるためにも活用されます。
Prevail:国家のレジリエンスを結集
戦略は、サイバー攻撃が増える中でも、回復力のある通信と接続性を確保する必要性も強調しました。
CISAは、次世代の機能を活用した優先通信サービスを拡充し、緊急時の接続性を確保するとしています。
さらに、拡張性、暗号化、回復力を備えたインフラにも投資します。これにより、統合運用が可能になり、緊急通信が保護され、障害が発生しても重要な機能を継続できるようになります。
CISAは、実施方法と成果の測定方法を180日以内に示し、実施の進捗に関する最新状況を365日以内に報告すると約束しました。
翻訳元: https://www.infosecurity-magazine.com/news/cisa-aggressive-strategy-critical/