OpenAIの「GPT-6 Cyber」、従来のAIテストで見逃されたFirefoxの脆弱性81件を発見

OpenAIは、ソフトウェアの脆弱性を発見し、攻撃者による悪用方法を検証し、修正プログラムの開発を支援するよう訓練した「GPT-6 Astra」の派生モデル「GPT-6 Cyber」を発表しました。このモデルは、WebサイトやアプリケーションのΩ正規のセキュリティテストでの利用を想定して設計されています。

脆弱性調査とセキュリティテスト

OpenAIは、AIモデルの訓練に使うインフラを含む自社システムの保護に、GPT-6 Cyberを活用しました。管理された環境でのセキュリティテストでは、GPT-6 Cyberなど同社のモデルを使ったエージェントが複数の脆弱性を組み合わせ、隔離された仮想環境から脱出してホストコンピュータ上でコードを実行しました。同社は発表の中で、この結果をもとにソフトウェアにパッチを適用し、ネットワーク制限を強化し、メンテナーやベンダーに問題を報告したと説明しています。

OpenAIの研究者はこのモデルを用いて、Mozillaが重大度「高」と分類する未知のFirefoxの脆弱性81件を特定しました。また、Linuxカーネルの脆弱性948件について動作するエクスプロイトも開発しました。MozillaはFirefoxの脆弱性の多くについて修正をリリース済みで、モデルはパッチ案の作成にも貢献しています。

研究者らはGPT-6 Cyberを他のOpenAIモデルと併用し、深刻なBrotliの脆弱性によって、影響を受けるアプリケーションでリモートコード実行が可能になることを示すエクスプロイトを開発・検証しました。

「GPT 6 Cyberはサイバー防御における世界最高水準のモデルです。Firefoxは2026年を、世界で最も堅牢化され、精査されたコードベースの一つとして迎えました。最先端モデルの複数世代による追加の堅牢化を経てもなお、GPT 6 Cyberは未知の重大度の高い脆弱性を発見し、アーキテクチャ上の改善点を特定し、数百万人のユーザーへの修正提供を後押ししてくれました」と、Firefoxのディスティングイッシュト・エンジニアであるBrian Grinstead氏は述べています。

安全対策と重要インフラ

同社は、モデルのサイバーセキュリティ能力がもたらすリスクに対処するため、安全対策を追加または強化したと説明しています。具体的には、ユーザーの許可範囲を超えた行動の監視、新たな脅威に対する重点的な監視、Private Safety Processing、認証情報の盗難に対する保護、リスクの高いサイバー支援を遮断するチェックなどです。リスクの高いワークフローに対するサンドボックス化、操作内容のレビュー、人間による監督も推奨されています。

OpenAIはDragosと共同で、サイバー攻撃支援を許容する「Daybreak Red」モデルを管理されたラボ環境で使い、保護機能をテストしました。評価では、ネットワーク探索や偵察から、機密データの抽出、不正なデバイス操作へと段階的に進むリクエストを対象としました。

「Dragosは模擬発電所の環境に最先端モデルを投入し、ほとんど情報を与えませんでした。モデルは自力でOT資産とITのノイズを切り分け、さらに保護リレーのデータを管理するエンジニアリングソフトウェアから2件のゼロデイ脆弱性を発見しました。これにより、保護設定や遮断器のトリップロジックが露呈する恐れがありました」と、Dragosのチーフ・AI・オフィサーであるRob T. Lee氏は述べています。

サイバーセキュリティのベンチマーク結果

OpenAIは、ソフトウェアの理解、脆弱性の特定、動作するエクスプロイトの開発を要する各種タスクでGPT-6 Cyberを評価しました。同社によると、このモデルはほとんどのサイバーセキュリティタスクでGPT-6 Astraを上回りました。これには、Astraが依頼を拒否せずに試みたタスクも含まれます。

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ExploitGym(出典:OpenAI)

リモートの標的で指定された脆弱性を悪用できるかどうかを測る「ExploitGym」では、GPT-6 Cyberのスコアは48.5%でした。前モデルのGPT-5.6 Cyberは32.1%でした。

別の評価である「ExploitGym Honeypot」では、GPT-6 Cyberは範囲外のサービスを悪用しなかった割合が、運用上の安全指示がない場合で99.93%、ある場合で100%でした。

同社は、Preparedness Framework(対応準備フレームワーク)において、GPT-6 Cyberをサイバーセキュリティ分野で「Critical(重大)」に分類しています。

顧客への提供と今後の拡大計画

GPT-6 Cyberは当初、APIとCodexを通じて、承認された一部のDaybreak Redの顧客に提供されます。OpenAIは今後、同プログラムのすべての顧客に提供範囲を広げる計画です。

同社はまた、セキュリティベンダー、重要インフラ事業者、国立研究所との提携拡大を進めており、産業システムに対するAI支援テストの評価を目指しています。さらに、制御技術(OT)や産業用制御システムに関わるモデルの利用を検知するため、脅威調査への投資も増やしています。

翻訳元: https://www.helpnetsecurity.com/2026/11/06/openai-gpt-6-cyber-released/

本記事は helpnetsecurity.com の記事を翻訳・要約したものです。