Flock Safety社のCEOであるGarrett Langley氏は、プライバシーと公共の安全との間で「妥協点」を見出す必要があると米国に呼びかけています。
気の利いた言い回しではありますが、「妥協」と「プライバシー」をそこまで近づけて語ることには違和感を覚えます。
「人々がプライバシーか安全か、どちらか一方だけを語るとき、彼らは優先すべきものを間違えています。国として私たちが優先すべきは『妥協』なのです」
Langley氏がこの「妥協」を呼びかけた背景には、同社が展開する自動ナンバープレート認識(ALPR)ネットワークに対する反発の激化があります。この反対運動はすでにFlockの事業や運営に影響を及ぼし始めており、各機関がカメラの停止や契約解除に動いています。
問題は、これまですでに妥協を強いられてきたのが一般市民の側だったという点です。人々の移動履歴は日常的に記録・保存・検索され、場合によってはカメラを設置した地域社会の枠を大きく超えて共有されてきました。
Flockが展開するALPRは、車両がどこを移動したかを詳細に記録し、そのデータを捜査目的で法執行機関に提供しています。Langley氏は現在、同社としてもより厳格な規制と説明責任を求めていると述べています。Flockは、推奨するデフォルトのデータ保持期間を7日間に短縮するとともに、年内には法執行機関に事件コードの入力を義務付け、不審なアクセスを検知する監査ツールも導入する方針です。
こうした譲歩自体は歓迎すべきものですが、根本的な懸念を解消するものではありません。急速に拡大しつつある、民間企業が運営する監視ネットワークは、ごく普通の移動記録を検索可能な履歴データへと変えてしまう恐れがあるのです。
反対の声は収まるどころか、むしろ強まっています。NPRの報道によれば、少なくとも36州でカメラへの破壊行為が確認されています。破壊行為は生産的でも合法的な対応でもありませんが、それが広がっていること自体が、自分たちの地域における監視のあり方について、いかに多くの人々が意思決定から疎外されていると感じているかを示す一つの目安になります。
真の意味での妥協とは、広範なデータ収集を既定路線とみなした上でデータ保持期間だけを交渉するようなものではないはずです。本来は、民主的な合意形成から始まり、データの利用方法に対する厳格な制限、独立した形で強制力を持つアクセス管理、公的な報告義務、可能な限りの実効性あるオプトアウト、そして監視が必要かつ相応のものであることを明確に求める仕組みが伴うべきです。
また、CEO自身が中絶関連の訴訟についての404 Mediaの報道をめぐり、警察に対して誤解を招く説明をしたと404 Mediaから指摘されている状況では、「歩み寄り」を求める発言を額面通りに受け取るのは難しくなります。404 Mediaによれば、同氏の説明は裁判記録や警察報告書の内容と矛盾しているといいます。この指摘は、同氏が公に呼びかける「妥協」の説得力を大きく損なうものです。
Flockの主張のうち、説明責任が必要だという点については正しいと言えます。しかし、カメラがすでに設置された後になって「妥協」を呼びかけても、地域社会に残された選択肢は著しく限られてしまいます。プライバシーとは、監視ベンダーが安全を約束するたびに差し出してよい取引材料ではないのです。
翻訳元: https://www.malwarebytes.com/blog/privacy/2026/08/flock-wants-privacy-to-meet-surveillance-halfway