Sophosが発表した2026年版MSP動向レポートでは、サイバーセキュリティにおけるリーダーシップへの需要、コンプライアンスサービスの成熟、そしてスケール獲得競争が、マネージドサービス市場をどのように形作っているかが明らかになっています。
この最新レポートによると、マネージドサービスプロバイダー(MSP)は、顧客の実に半数近く(46%)が自社にCISOレベルのリーダーシップを求めていると回答しています。また大半のMSPが、今後12カ月でCISOサービスへの需要がさらに高まると予測しています。
同レポートは、こうした需要の高まりに対応する上でMSPが直面する課題も浮き彫りにしています。コンプライアンス対応は依然として不完全な部分が多く、サービス提供はツールごとに分断され、レポート作成プロセスの多くが今も手作業に頼っています。こうした課題は、リスクの把握、セキュリティ投資の優先順位付け、コンプライアンスの証明、セキュリティ態勢の検証をMSPやその他のチャネルパートナーに委ねる企業のニーズに応える上で、大きな足かせとなっています。顧客企業はパートナーに対し、複雑さを解消してくれることを期待しており、自分たちと同じように分断されたツールやデータ、プロセスに苦労させられることは望んでいません。提供体制を効率化し、日々の運用活動を戦略的な価値へと転換できるプロバイダーこそが、競合との差別化を図れるでしょう。
MSPはもはや単なるテクノロジープロバイダーではない
MSPには、技術導入や日々のサポートを提供する役割に加え、より高度な戦略コンサルティングサービスを求める声が顧客から同じくらい強く寄せられるようになっています。統制の有効性評価からコンプライアンスプログラムの管理まで、今やMSPは多くの顧客にとって事実上のCISOとなっており、その需要は今後さらに高まると見込まれています。
- 平均して、顧客の46%がMSPにCISOとしての役割を期待。
- MSPの84%が、今後12カ月でCISOサービスへの需要が増加すると予測。
この役割拡大は、MSPがより高度で付加価値の高い顧客関係を築くための好機となり得ます。同時に、MSP市場における競争の軸そのものも変化させています。サイバーセキュリティのリーダーシップやコンプライアンスコンサルティングが広く提供されるようになるにつれ、差別化の鍵はスピード、深さ、質、そして提供の一貫性にかかってくるでしょう。
顧客企業は、MSPが提供するサービスの「数」だけを見るのではなく、それらのサービスがサイバーリスク、ツールの有効性、そして全体的な進捗状況について明確かつ継続的な可視性をもたらしているかどうかを見極める必要があります。
コンプライアンスは投資の原動力であり、成長への入り口でもある
今やコンプライアンスはMSPの価値提案に欠かせない要素となっています。レポートによると、ほぼすべてのMSPが少なくとも1つのコンプライアンスサービスを提供しており、多くが顧客のコンプライアンスプログラム全体を管理しています。他のMSPもプログラム全体の管理機能導入を計画しており、この能力が急速に標準的なものになりつつあることがうかがえます。
ただし、幅広くサービスを提供しているからといって、コンプライアンス対応が完全であるとは限りません。MSPには、コンプライアンスを実務として運用可能な形に落とし込み、戦略的価値の提供や、進化し続ける規制要件への顧客対応支援に活用する余地がまだ大きく残されています。
- MSPの99%が何らかのコンプライアンスサービスを提供。
- レポートで分析された7つのサービスすべてを提供しているのはわずか6%。
コンプライアンスが顧客の購買判断の50%に影響を与えていることを踏まえると、この成熟度のギャップは看過できません。適切に管理・拡張されたコンプライアンスサービスは、リスク低減や技術投資、セキュリティプログラム開発をめぐるより踏み込んだ議論の出発点となり得ます。
サービス提供体制が依然として制約要因に
MSP各社は、CISO的なサービスやコンプライアンス対応を顧客に提供するためにプラットフォーム、ツール、自動化を活用していますが、その基盤となる提供体制は依然として分断されたままです。活動を一元管理する統合システムがないため、大半のMSPは複数の技術に頼っており、自動化を導入していても手作業のプロセスが残っています。
- MSPの53%が、サイバーセキュリティコンプライアンスやCISO的な業務を一元管理するために複数のツール・プラットフォームを使用。
- レポート作成を迅速かつ完全に自動化できているのはわずか31%。
- 55%が、業務の統合作業に依然として何らかの手作業を要している。
これは需要拡大に伴う現実的な課題を突き付けています。顧客、フレームワーク、評価、レポート要件が1つ増えるごとに、より多くのリソースとガバナンスが必要になります。こうした複雑さに対処しないままサービス提供量を増やすMSPは、すでに手一杯のチームにさらなる負荷をかけるリスクを抱えることになります。またこれは、MSPにとってある種のジレンマも生み出します。自社の環境内で同じような課題に直面しながら、どうやって顧客企業のセキュリティやコンプライアンス業務の分断を解消する手助けができるのか、という問いです。
手つかずの機会:統合とスケールの実現
次の需要の波に応えられるかどうかは、MSPがベンチマーキング、評価、レポート作成、プログラム開発を、複雑さを排し価値を明確に示せる一貫した統合モデルへとまとめ上げられるかにかかっています。ここではAI、特に反復性が高くデータ集約的な業務において重要な役割を果たすことになりますが、それは単にもう1つ独立した管理ポイントを追加するだけでなく、提供プロセスを実質的に簡素化できてこそ意味を持ちます。
MSPの81%が、顧客のセキュリティ態勢、コンプライアンス管理、レポート作成業務を単一の統合プラットフォームで扱えれば、チームの作業時間を30%以上削減できると回答しています。レポート回答者全体で見ると、平均で見込まれる時間削減幅は53%に上ります。
2026年版MSP動向レポートの調査結果は、サイバープログラム管理においてより統合されたアプローチが必要であることをあらためて裏付けています。Sophos CISO Advantageは、まさにこのニーズに応えるために開発されたもので、評価、分析、レポート作成、成熟度ベンチマーキング、ロードマップ策定を単一のAIネイティブシステムに統合しています。これにより顧客企業はリスクを把握し、投資先を絞り込み、価値を証明できるようになる一方、MSPにとっては、すでに提供しているサイバーセキュリティのリーダーシップを効率的かつスケーラブルな形で提供し、収益化する手段が得られます。評価を行うたびにセキュリティ上のギャップが見つかり、そのギャップの一つひとつが、さらなる価値を示す機会となるのです。
サイバーセキュリティ市場は、その進化における重要な局面を迎えています。MSPはすでにセキュリティリーダーとしての役割を担うようになりました。今問われているのは、効率性、収益性、そして顧客が求めるサービス品質を犠牲にすることなく、高まる需要と複雑さにどう対応していくかという点です。詳細については、2026年版MSP動向レポートの全文をダウンロードしてご確認ください。
翻訳元: https://www.sophos.com/ja-jp/blog/the-evolution-of-the-msp-cybersecurity-value-proposition