自動ナンバープレート読取装置(ALPR)は、通過する車両を撮影してナンバープレートを読み取り、通常は時刻、場所、車両情報を記録するカメラです。画像そのものは、盗難車の発見や容疑者の所在特定に役立つ場合があります。
しかし最近は、その使われ方をめぐって多くの懸念が示されています。主な問題は、多数のカメラが共有の検索可能なネットワークにデータを送ると、一般の人々の移動履歴が詳細に記録されてしまうことです。
こうした懸念や、精度の問題に対して、すでに独自に対応に乗り出した自治体や機関もあります。データの誤りは深刻な結果を招きかねません。最近開かれた上院の公聴会では、フロリダ州の住民リンジー・アイザックス氏が証言しました。AI対応のナンバープレート読取システムのデータにより、死亡事故への関与を誤って疑われ、逮捕されて13日間拘束されたといいます。
こうした状況を受け、米国の二大政党の議員がそれぞれ、自動ナンバープレート読取ネットワークを規制する法案を提出しました。
指摘の多くは、米国最大級のシステム供給業者であるFlock Safetyに関するものですが、規制案は他のALPRベンダーにも広く適用されることになります。
Flockは、全米で稼働するカメラは12万台にとどまると主張しています。一方、上院が引用した研究者は、はるかに大規模な接続機器・カメラのネットワークがあると説明しています。正確な規模については議論の余地がありますが、中心的な懸念は明確です。ある場所のカメラのデータを、遠く離れた別の機関が検索できる可能性があるということです。
2つの異なるアプローチ
報道によると、法案は2種類が準備されています。一方でFlockは、ナンバープレート読取装置に関する法的枠組みを支持するとしています。強力な監督と説明責任のもとで運用すれば、この技術は公共の安全を高められるという立場です。
1つ目の法案はStop Flock Abuse Actです。ALPRシステムを完全に排除するのではなく、政府機関やベンダーが利用する際のルールを定めます。
この法案は、検索のたびに書面による承認と記録を求め、上司による定期的な監査や暗号化も義務づけます。さらに、車両の位置情報の大半は10日後に削除するよう定めています。政府機関以外の第三者へのデータ共有や販売は禁止し、ALPRネットワークへの顔認識技術の組み込みも認めません。データは米国内に保管することも求めています。
2つ目の法案Ban Flock Actは、はるかに厳しい内容です。米連邦機関によるALPRの使用と、ALPRが収集したデータへのアクセスを禁止します。ALPRシステムを使う州・地方政府への連邦補助金も差し止めます。ALPRの配備によって権利を侵害された場合には、連邦政府を訴えることも可能になります。
いずれもまだ提案段階で、成立した法律ではありません。米国の制度では、両案とも下院と上院で同一の内容で可決された後、大統領の署名が必要です。
今後の展望
どちらの法案も、採決に至る保証はなく、成立はなおさら不透明です。それでも、法案の提出自体が、ALPR技術が地方自治体の調達問題から、プライバシーと市民的自由をめぐる全国的な議論へ移りつつあることを示しています。
ナンバープレートのデータは、携帯電話の位置情報より機微性が低いように見えるかもしれません。しかし十分に長い期間の記録があれば、その人の行動パターン、人間関係、通院、宗教活動、抗議活動への参加まで明らかになりかねません。したがって、この議論は犯罪対策や犯人逮捕のために街頭へカメラを設置することだけが論点ではありません。政府や民間ベンダーが、日常の移動を検索可能な記録として蓄積してよいのかが問われています。
消費者にとって重要なのは、カメラが街頭や店舗の近くに設置されているかどうかだけではありません。得られたデータをどのくらいの期間保管するのか、誰が検索できるのか、検索が記録・審査されているのか、元の機関を超えて共有されないのか、システムが誤ったり悪用されたりした場合にどんな救済手段があるのかも、あわせて確認すべき点です。
あなたの氏名、住所、電話番号は、すでに売られているかもしれません。
データブローカーは、あなたの個人情報を収集し、対価を払う相手に誰にでも販売しています。Malwarebytes Personal Data Removerは、こうした業者を見つけ出して情報の削除を依頼し、その後も監視を続けて削除された状態を維持します。