脅威アクターが、Nextcloud向けアプリ「Collabora Online – Built-in CODE Server」(richdocumentscode)に存在する深刻なコマンド実行の脆弱性「CVE-2026-110447」を悪用しています。
複数の管理者からの報告によると、攻撃は9月中旬に始まっていました。これは、正式なセキュリティ情報、GitHubのアドバイザリ、そしてCVEの公開より約1カ月も前のことです。
CVE-2026-110447は、26.4.303より前のバージョンのrichdocumentscodeに影響します。問題は、同梱のCollaboraサーバーを起動するNextcloudアプリの仕組みにあります。
この脆弱性の影響を受けるのは、オプションの組み込みCODEサーバーアプリのみです。Collaboraによると、スタンドアロンのCollabora Onlineサーバー、DockerおよびRPM/DEBによるインストール、Nextcloud All-in-Oneの環境は影響を受けません。
攻撃では、アプリのproxy.phpエンドポイントに悪意あるリクエストを送り、OSコマンドインジェクションを引き起こします。
攻撃が成功するための重要な前提条件は、組み込みCODEサーバーが停止していることです(再起動、アップグレード、クラッシュの後など)。認証やユーザーの操作は必要ありません。
被害を受けたシステム管理者らは、9月10日までさかのぼる複数のエンドポイントへの攻撃を報告しています。
報告によると、攻撃者はPHPのWebシェルを設置し、それを使ってパスワードデータベース、パスワードマネージャーの関連ファイル、暗号資産ウォレットを探索していました。
一部のユーザーからは、ランサムウェアの攻撃者もこの脆弱性を悪用しているとの報告もありましたが、BleepingComputerは独自に確認することはできませんでした。
システム管理者は、バージョン26.4.303以降へのアップグレードを行うか、不要であればサーバーアプリを削除することが推奨されます。ベンダーは、アプリを無効化するだけでは不十分だと警告しています。
メンテナーが9月中旬に発した警告に加え、10月3日にはコミュニティからの警告も公開され、悪用が続いているとして管理者に直ちに更新するよう呼びかけられました。
しかし、CVE IDがなかったため、管理者が問題を正確に特定し、効果的な対策を講じることは困難でした。
サイバーセキュリティ企業Second Securityの調査は、セキュリティ修正と正式な脆弱性情報の公開との間にあるギャップを示しています。
同社はオープンソースの脆弱性の実例を分析しました。その結果、修正の公開からCVE公開までの間隔の中央値は、1月の5.1日から8月には39日に延びていたことが分かりました。
研究者らは、AIを活用した脆弱性発見の件数が増えてCVEの処理に負荷がかかり、公開の遅れにつながっていると指摘しています。

多くの場合、セキュリティ修正の公開から数時間以内にエクスプロイトコードがオンラインに出回り、対応するCVEが公開される数日前には入手可能になっていたといいます。
Second Securityは、AIツールの利用によって、攻撃者が公開済みの修正内容から動作するエクスプロイトを容易に生成できるようになったと指摘しています。

Collaboraのケースでは、修正は9月9日にコミットされ、バージョン26.4.303は9月11日にリリースされました。一方、アドバイザリとCVEの公開は10月14日で、4週間以上の開きがありました。
BleepingComputerはNextcloudに対し、悪意ある活動の報告への対応のほか、攻撃の詳細や影響を受けたシステムの数について問い合わせました。
Nextcloudは、Collaboraが9月中旬に脆弱性を報告し、アプリストアを通じて更新が提供されたと回答しています。
同社は、公開が遅れた理由について、ユーザーが更新する時間を確保するためであり、広範な悪用は確認していなかったためだと説明しました。
Collaboraは本日早くに公開したブログ記事でこの攻撃活動に触れ、発表が遅れた主な原因はGitHubのCVE処理の滞留にあると説明しました。AI主導のセキュリティ報告の増加で、処理に負荷がかかっているといいます。