Anthropicは、防御側が重要インフラとオープンソースソフトウェアを保護できるよう支援する長期的な取り組み「Cyber Mission」を開始しました。この取り組みでは、最先端のClaudeモデルを活用し、エンジニアリング支援や脅威リサーチ、資金提供を行います。
AIサイバー防御プラットフォーム
Cyber Missionには2つの柱があります。重要インフラ防御プログラム(CIDP)と、脆弱性を発見する無料のオプトイン型サービス「OSS Scanner」です。
両施策の背景には、高まる懸念があります。AIによって脆弱性の特定は容易になりましたが、発見内容の検証、情報開示の調整、修正の展開には、依然として多くのリソースが必要だからです。
Cyber Mission
CIDPが特に対象とするのは、電力網や水道事業、工場、交通網を支える制御技術(OT)です。こうした環境は、産業用コントローラーや独自ソフトウェア、数十年の稼働を前提に設計された機器に依存しています。
一般的な企業システムと異なり、産業用資産はパッチ適用のためにオフラインにできないことが多くあります。不適切な更新は生産の中断や重要サービスの危殆化を招きかねないため、わずかな変更でも慎重な検証が必要です。
Anthropicは、確立されたインフラセキュリティ事業者や機器メーカーを通じて、最先端のClaudeモデル、現地に駐在するエンジニア、脅威リサーチを提供する計画です。
創設パートナーは、Accenture、Booz Allen、CrowdStrike、Deloitte、Dragos、Hitachi、Insane Cyber、Nozomi Networks、Palo Alto Networks、PwC、Rockwell Automationです。
これらのパートナーの一部は、すでにClaudeを使って脆弱性の特定と修復を進め、顧客の対処も支援しています。Anthropicはまず選定したパートナーと協力し、実際の産業環境にどの手法が適しているかを見極めます。
同社によると、政府向けのサイバー防御プログラムでも、米国の半数超の州にモデルと技術支援を提供しています。支援の内容は、コードスキャン、パッチ適用、インシデント対応、レッドチーミングです。
OSS Scannerは、Anthropicの最も高度なモデルを使い、定期的な評価を提供します。レポートには、エクスプロイトの再現コード、脆弱性の説明、該当する場合は修正パッチ案が含まれます。ただし、検出結果は人手によるレビューを経ずに提供されます。提供は速くなる一方、検証と優先順位付けの負担はメンテナーが担うことになります。
Anthropicの調査は、検証工程がボトルネックになっていることを示しています。同社のモデルは6カ月間で2万9,000件を超える脆弱性候補を特定しましたが、手作業でレビューとトリアージを行ったのは約6,000件にとどまりました。なお、これらの数字は確定した脆弱性ではなく、候補の検出件数である点に注意が必要です。
初期評価では、ペネトレーションテスターが48のプロジェクトにわたる97件の重大・高深刻度の検出結果をレビューしました。このうち85件はAnthropicの協調的開示の基準を満たし、11件は実在するものの重複した問題でした。1件は無効と判断されています。
同社は、深刻度の評価が過大になっている可能性や、脅威モデルが誤解されている可能性があると注意を促しています。
自動生成されたレポートを処理する余力のないプロジェクトには、Anthropicの既存の協調的脆弱性開示プロセスを通じて、人が検証した開示を引き続き提供します。
Cyber Missionは、Project Glasswingと拡充されたCyber Verification Programを土台としています。重点は、検出結果を生み出すことから、解決することへと移ります。
今後は、自動トリアージ、パッチ適用、セキュアなアーキテクチャの研究、ソフトウェアサプライチェーンの保護に取り組みます。Anthropicは、AIが支援はできても運用上の制約をなくすことはできないと認識しています。防御策が成功するかどうかは、最終的に、検証済みの修正、安全な展開、メンテナーやインフラ運用者との協力にかかっています。
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翻訳元: https://gbhackers.com/anthropic-launches-cyber-mission/